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妊娠は人生における特別な時間。
「赤ちゃんが生まれる前に夫婦で最後の旅行を楽しみたい」
「気分転換に海外に行ってみたい」
そのような気持ちを抱く妊婦さんも少なくありません。「おすすめの場所はある?」「持っていったほうがいい持ち物は何だろう?」といった前向きな悩みから、「でも実際に体調が悪くなったり胎児に影響が出たりしたらどうしよう」「キャンセルした場合のリスクはあるかな?」といった不安まであることでしょう。
では、妊婦の海外旅行は本当に大丈夫なのでしょうか?この記事では、妊娠週数ごとのリスク、海外旅行のメリット・デメリット、必需品リストまでを徹底的に解説します。

妊婦さんの海外旅行は決して珍しくありません。中には「出産前の思い出作り」として海外を選ぶ夫婦もいます。ただし妊娠週数や体調、航空会社の規定によってリスクや制限が大きく変わるため、正しい知識を持って計画することが欠かせません。
株式会社DeNAトラベルの調査では、「旅行中の妊婦を見かけた経験はありますか?」と聞いたところ、過半数の64.6%の人が「ある」と回答していました。
調査では、30代女性からのアンケートで「安定期に近場で、医療機関との連携も取れている中であれば安全に楽しめるはず。妊娠中にすべてのことを我慢するのは非現実的。リスクを把握、管理できるのならば賛成」という声も。反対派の意見も中には存在するので、妊婦さん一人ひとりの認識に差はあるようです。
多くの産婦人科では「経過が順調であれば安定期(妊娠16〜27週)は旅行可能なこともある」としています。日本産科婦人科学会も、旅行前のメディカルチェックの重要性を指摘しており、まずは主治医に相談することが大前提となります。
ただし、飛行機利用には制限があります。28週以降は医師の診断書が求められることが多く、36週を超えると搭乗自体ができないケースもあります。

妊娠中の旅行は、週数によって体調やリスクが大きく変わります。「いつなら比較的安心か」「どの時期は避けた方がいいのか」を知っておくことで、安全な旅の判断につながります。ここでは妊娠週数ごとに分けて、旅行の可否と注意点を整理しました。
妊娠初期は、つわりが強く出やすい時期です。吐き気や体調不良により移動が負担になるだけでなく、医学的にも流産リスクが最も高い時期とされています。そのため、医師から特別な許可がない限り、旅行は控えることが望ましいです。
どうしても外出や移動が必要な場合は、短時間・近距離にとどめ、無理のない範囲で行動しましょう。
妊娠4か月〜7か月頃にあたる安定期は、つわりが落ち着き、体調が安定する人が多い時期です。このため「マタ旅」と呼ばれる妊婦旅行が計画されるのもこの時期が中心です。ただし、注意点もあります。
上記の注意点をしっかり把握しておき、旅行に備えましょう。
妊娠後期はお腹が大きくなり、動くだけでも負担が大きい時期です。また、早産のリスクも上がるため、長距離移動や海外旅行は特に控えるのが一般的です。
さらにこの時期は、航空会社によっては搭乗に医師の診断書が必要な場合も多く、海外旅行保険も対象外となるケースがあります。そのため、妊娠後期はできるだけ自宅や医療機関から近い場所で過ごすことが安心です。

妊婦の海外旅行には「行ってよかった」という声もあれば「無理をして後悔した」という声もあります。メリット・デメリットを把握した上で、判断の材料にしましょう。
赤ちゃんが生まれると夫婦でゆっくり旅行をするのは難しくなります。妊娠中の旅行は、夫婦だけで過ごす最後の時間を大切にできる貴重な機会です。ハネムーンの延長やベビー誕生前の記念旅行として、忘れられない思い出になることもあります。
妊娠中は体調や気持ちが不安定になりがち。短期間でも旅行に出かけることで、環境が変わり、リラックス効果やストレス解消につながります。特に安定期で体調が落ち着いていれば、穏やかな時間を過ごせるでしょう。
妊娠期は夫婦にとっても大きな転機。旅行を通してお互いを気遣い合い、ゆったり過ごすことで「家族になる準備」を一緒に進められます。特別な体験を共有することで、育児へのモチベーションや信頼感も高まります。

一方で、妊娠中の海外旅行には不安もつきまといます。
「つわりが重く食事を楽しめなかった」「現地で体調を崩して病院を探すのに苦労した」といった声もあり、事前準備とリスク理解が不可欠です。

妊娠中に海外旅行を計画する場合、事前の確認や準備を怠ると大きなトラブルにつながる可能性があります。ここでは妊婦さんが安心して旅行できるよう、必ず確認しておきたいポイントをまとめました。
妊娠後期になると、航空会社によっては搭乗に制限が設けられています。たとえば28週以降は診断書が必要、36週以降は搭乗不可といった規定がある場合があります。航空券を予約する前に、必ず利用する航空会社の公式サイトで最新情報をチェックしましょう。
通常の海外旅行保険は「妊娠・出産に関わるトラブル」を免責としていることが多いです。例えば切迫早産や流産、妊娠高血圧症候群といった症状は補償対象外になることも覚えておきましょう。
海外では言葉の壁もあり、突然の体調不良に対応できる病院を探すのは難しいです。出発前に、現地で日本語対応できる病院や、大使館・領事館の緊急連絡先を控えておきましょう。
また、Googleマップに病院の場所を保存しておくと、いざという時に安心です。
旅行前には必ず主治医に相談し、体調や週数に応じて旅行可能かを確認しましょう。航空会社や保険会社によっては「妊娠◯週で健康上問題がない」ことを記した診断書の提出が必要になる場合があります。余裕を持って準備しておくことが大切です。
旅行中は思わぬ体調変化に備える必要があります。
特に長時間フライトでは着圧ソックスで血栓予防をするのがおすすめです。
妊婦さんはエコノミークラス症候群のリスクが高まります。以下を意識しましょう。
上記は妊婦ではなくても、健康上重要なポイントです。妊娠期間中はより一層注意すると良いでしょう。
海外旅行を快適に、そして安心して過ごすためには、持ち物の準備も重要です。
「あると安心」な持ち物を揃えておくことで、旅行先での不安がぐっと減ります。

旅行をより安心で快適にするために、環境にもやさしいグッズを取り入れるのがおすすめです。妊婦さん自身の体調管理にも役立ち、長く愛用できるのも魅力です。ここでは代表的なブランドを紹介します。
日本の老舗マタニティブランドである犬印本舗。オーガニックコットンを使った妊婦帯は、肌あたりがやさしく通気性も抜群。お腹をしっかり支えてくれるので、長時間の移動や飛行機でも安心です。
Boob Designは、北欧発のエシカルブランドで、持続可能な素材を使ったマタニティ&授乳対応ウェアを展開。ワンピースやトップスはデザイン性も高く、旅行中もおしゃれに過ごせます。産後まで長く使えるのもポイントです。
Sorella Organicsでは、フェアトレード認証を受けたオーガニックコットンを使用。着心地の良いスリープウェアやリラックスウェアは、旅先のホテルでも快眠をサポートしてくれます。
Melioriaは、旅行中に便利なエコ洗剤や自然派のクリーニングアイテムを提供しています。小分けにして持っていけば、旅先の洗濯やちょっとした清掃にも使えて安心です。
Mountain Melsでは、妊婦さんでも安心して飲めるカフェインレスのブレンドティーが展開されています。旅先でも心身を落ち着ける時間をつくれるので、リラックスグッズとしておすすめです。

安定期に入って体調が落ち着いたら「せっかくだから海外でリフレッシュしたい」と考える妊婦さんも少なくありません。大切なのは、フライト時間が短いことと医療体制が整っていること。この2つを満たした国は、安心して過ごしやすい旅行先になります。
妊婦さんに人気の旅行先として真っ先に挙がるのがハワイです。
フライト時間は約7〜8時間とやや長めですが、直行便が多く医療面も安心のため、妊婦さんに選ばれることが多い旅行先です。
台湾は、日本から約3〜4時間でアクセスできる距離の近さが魅力です。
「フライトの負担を最小限にしたい」という妊婦さんに特におすすめです。
シンガポールは世界的に医療レベルが高い国として有名です。
観光よりも「安全で快適な都市滞在」を重視したい妊婦さんに適した旅行先といえるでしょう。

妊婦の海外旅行は「絶対に禁止」ではありません。安定期で体調が安定していれば可能なケースも多くあります。ただし、妊娠週数や行き先によってリスクは大きく変わり、無理をすれば後悔につながります。
大切なのは、医師に相談し、リスクを理解した上で最適な選択をすること。旅行はいつでも行けますが、妊娠中のこの時間は今しかありません。赤ちゃんとのかけがえのない日々を大切にしながら、安心できる判断をしてください。
早稲田大学文学部社会学コース卒業。「環境」と「教育」を軸に暮らしと社会の接点を紡ぐフリーランスライター/ディレクター。メディア記事の執筆だけでなく、企画設計や構成、インタビュー、編集ディレクションまで一貫して手がける。ジェンダーやケア、感情のグラデーションといったテーマにも関心が深く、「誰かの違和感をことばにする」ことを大切にしている。
