妊娠中でも安心して食べられるファストフード|おすすめメニュー・注意点・工夫法まとめ


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妊娠中は体調の変化やホルモンバランスの影響で、食の好みが大きく変わることがあります。 「急にハンバーガーやポテトが食べたくなる」──そんな衝動を経験した妊婦さんは少なくありません。
しかし同時に「赤ちゃんに悪いのではないか」「塩分や脂質が多いから控えるべき?」と不安になることも。実際、筆者の知人も臨月にマクドナルドを楽しんでいましたが、量や選び方を工夫することで無理なく過ごせていました。
妊娠中に大切なのは「我慢すること」ではなく、「賢く付き合うこと」。この記事では、妊婦さんが安心してファストフードを楽しむための注意点、おすすめのメニュー、そして工夫の方法をまとめてご紹介します。


ファストフードを食べるときの注意点


妊娠中に気を付けたいポイントはいくつかあります。
- 塩分や脂質は摂りすぎない
- 食中毒リスクのある食材は避ける
- ドリンクはノンカフェインにする
これらは基本的なルールですが、とても大事です。味の濃いものを一度にたくさん食べてしまうと、むくみや血圧の上昇につながる可能性があります。
また、半熟卵や生野菜、サラミなどの加工肉は妊婦さんにとってリスクが高いため控えましょう。飲み物はカフェインを含まないものを選ぶと安心です。
妊婦さんにおすすめのファストフード


それでは、実際に普段ファストフードを楽しんでいる筆者の観点から、おすすめの国内チェーンを見ていきましょう。
マクドナルド
手軽に利用できるマクドナルドは、工夫すれば妊娠中でも安心して楽しめます。おすすめはフィレオフィッシュ。消化しやすい白身魚を使っていて、胃に負担をかけにくいのが特徴です。チキンマックナゲットもソースをケチャップにすれば塩分を抑えられ、サイドサラダを組み合わせれば不足しがちな野菜を補えます。
実際、筆者の知人も臨月にフィレオフィッシュとノンカフェインドリンクを組み合わせて食べていましたが、安心して満足感を得られたそうです。
モスバーガー
モスバーガーは野菜を使ったメニューが豊富で、妊婦さんに優しい選択肢が多いチェーンです。モスライスバーガー焼肉はご飯を使っているため胃にやさしく、食べ応えもあります。
しっかり洗浄された野菜を使ったグリーンサラダや、植物性タンパク質を摂れるソイパティバーガーもおすすめです。脂質を抑えつつ栄養をバランスよく摂れるのが魅力といえるでしょう。
サブウェイ
カスタマイズできるサブウェイは、妊娠中に特に安心して利用できるお店です。
加熱済みの卵を使ったたまごサンドや、全粒粉パンに野菜を多めに挟んだサンドイッチは栄養面でも安心。ドレッシングはオイル&ビネガーにすれば塩分や脂質を控えることができます。自由に調整できる点は、妊婦さんにとって大きな安心材料です。


妊娠中に意識したい栄養素とファストフードでの工夫
| 栄養素 | 妊娠中の役割 | ファストフードでの取り入れ方 |
| タンパク質 | 赤ちゃんの体や臓器の形成に必要。妊娠中は需要が増える | チキンナゲット、ソイパティバーガーなどで補える |
| 葉酸 | 初期の神経管閉鎖障害リスクを下げる | サイドサラダ、野菜たっぷりのサンドイッチ。ただし不足しやすいため家庭の食事やサプリも併用 |
| 鉄分 | 貧血予防に必須。血液量が増える妊婦さんに重要 | サブウェイのほうれん草入りサンド、ソイパティで少し補給。基本は家庭で補う必要あり |
| カルシウム | 赤ちゃんの骨や歯の形成。母体の骨粗鬆症予防にも | チーズ入りバーガー、コーンスープで取り入れやすい |
| 食物繊維 | 妊娠中の便秘予防に効果的 | サイドサラダ、全粒粉パンのサンドイッチを選ぶと◎ |
| 良質な脂質 (オメガ3など) |
赤ちゃんの脳や神経の発達に関与 | ファストフードでは摂取が難しい。フィレオフィッシュは比較的ヘルシーだが、家庭での魚料理と併用を推奨 |
妊娠中は「赤ちゃんの成長」と「母体の健康」の両方を支えるために、普段以上に栄養バランスが大切になります。ファストフードを楽しむときでも、次の栄養素を意識すると安心です。
1. タンパク質
赤ちゃんの体や臓器の形成に欠かせない栄養素です。妊娠中は普段より多めに必要とされます。ファストフードではチキンナゲットやソイパティバーガーなどを選ぶことで、肉や植物性のタンパク質を効率よく摂ることができます。
2. 葉酸
妊娠初期に特に必要で、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを減らすといわれています。
葉酸はサラダや野菜たっぷりのサンドイッチから補うことができますが、ファストフードだけでは不足しがちなので、家庭での食事やサプリで意識すると安心です。
3. 鉄分
妊娠中は血液量が増えるため、貧血を予防するために鉄分が不可欠です。ファストフードではレバーや赤身肉は少ないですが、サブウェイのほうれん草入りサンドや、モスバーガーのソイパティなどで少し補えます。足りない分は家庭の食事でバランスを整えることが大切です。
4. カルシウム
赤ちゃんの骨や歯を作るために必要な栄養素です。妊婦さん自身の骨の健康にも直結します。ファストフードではチーズ入りのメニューや、コーンスープをプラスすると摂りやすくなります。
5. 食物繊維
妊娠中は便秘になりやすいため、食物繊維の摂取がとても大切です。ポテトではなく、サイドサラダや全粒粉パンを選ぶことで腸内環境を整えるサポートになります。
6. 良質な脂質(オメガ3など)
赤ちゃんの脳や神経の発達に関わる栄養素です。サーモンや青魚に多く含まれますが、ファストフードではなかなか摂れません。フィレオフィッシュなど白身魚のメニューは脂質が少なめですが、家庭での魚料理と組み合わせて意識しましょう。


妊娠時期別|おすすめファストフードの選び方


妊娠中といっても、十月十日を迎えるまでは、お腹の重さや体調もさまざま。そこで、妊娠時期別でおすすめのメニューを考えてみました。
妊娠初期(〜16週頃)
妊娠初期は赤ちゃんの神経管が形成される大切な時期で、特に「葉酸」を意識したいタイミングです。ただし、つわりが強く出て「食べられるものが限られる」という妊婦さんも少なくありません。
そんなときは、サブウェイの加熱済み卵を使ったたまごサンドや、マクドナルドのサイドサラダ+ナゲット(ケチャップソース)といった組み合わせがおすすめです。葉酸や食物繊維を少しでも取り入れられますし、たとえ少量でも「食べられた」という安心感につながります。無理をせず、“食べられるものを少しずつ”で十分です。
妊娠中期(17〜27週頃)
安定期に入り、食欲が戻ってくる人も増える時期です。赤ちゃんの成長に伴ってタンパク質や鉄分の需要が高まり、妊婦さん自身の体力維持にも栄養バランスが大切になります。
この時期におすすめなのは、モスバーガーのソイパティバーガーやマクドナルドのフィレオフィッシュ。植物性タンパク質や魚を取り入れることで脂質を抑えながらも必要な栄養が摂れます。
さらに、グリーンサラダやコーンスープをサイドにつければ、カルシウムや食物繊維も補えます。食べる量が増えてきやすい時期だからこそ、「量を楽しむ」より「栄養を意識した選び方」が安心です。
妊娠後期(28週〜出産前)
妊娠後期はお腹が大きくなり、胃が圧迫されて「少し食べただけで苦しい」ということも増えてきます。一方で出産に向けて体力を蓄えるために、腹持ちのよさや消化のしやすさが求められる時期でもあります。
マクドナルドのフィレオフィッシュにサイドサラダを組み合わせたり、モスバーガーのライスバーガー焼肉にコーンスープを添えるのがおすすめです。消化が良く、量を調整しやすいため、後期特有の胃の圧迫感を軽減しながら満足感を得られます。
ただし、この時期は塩分や体重増加にも注意が必要。満腹になりすぎない工夫をしながら、無理のない範囲で“食べたい気持ち”を大切にしましょう。
妊婦さんに避けてほしいメニュー


一方で、妊娠中には控えたほうがよいメニューもあります。
- 半熟卵や加熱不足のサラダ
- 生ハムやサラミなどの加工肉
- 大盛りポテトやシェイクなどの高カロリー商品
これらは食中毒のリスクや過剰摂取による負担が大きいため、妊娠中にはおすすめできません。特にリステリア菌やトキソプラズマなどは妊婦さんに重い影響を与えることがあるため、避ける意識を持っておきましょう。
妊娠中にファストフードを楽しむ工夫


食べ方を少し工夫するだけで、ファストフードはぐっと安心して楽しめるものになります。
頻度は“たまのご褒美”にする
毎日ではなく、気分転換やストレス解消のために“たまのご褒美”として楽しむのがおすすめです。頻度を抑えることで、栄養バランスや体重管理の不安も減らせます。
ポテトはSサイズ、ソースは少なめにして量を調整する
ポテトはSサイズにしたり、ハンバーガーのソースを少なめにするだけで、塩分や脂質の摂取をかなり抑えられます。ちょっとした工夫で体への負担は大きく変わります。
サイドにサラダやコーンスープをプラスして栄養を補う
メインだけでは偏りやすいため、サイドメニューにサラダやコーンスープを追加しましょう。野菜や食物繊維を補えることで安心感が増し、満足感も高まります。
ドリンクはノンカフェインを選ぶ
コーヒーや紅茶ではなく、麦茶やカフェインレスドリンクを選ぶと安心です。妊娠中はカフェインの過剰摂取を避けることが推奨されています。


食後は軽く歩いて消化を助ける
食べたあとは10〜15分ほど軽く歩くと、消化を助け、血糖値の急上昇も防げます。体を無理なく動かすことで、心身ともにリフレッシュできます。
こうした小さな工夫が、母体にも赤ちゃんにも優しい食べ方につながります。無理に我慢するのではなく、ストレスをためずに安心して「食べたい気持ち」を満たしていきましょう。
妊娠中にファストフードを食べたリアル体験談


それでは、ここからは実際に取材して得た、ファストフードを妊娠中に食べたときの体験談を3人分ご紹介します。
体験談1:夜中にどうしても食べたくなって…
妊娠7か月のKさんは、ある夜、無性にマックのポテトが食べたくなりました。夫に頼み、深夜ドライブスルーへ。
「普段ならポテトLとコーラ。でも妊娠中だったから“ちょっとだけにしなきゃ”と思ってSサイズとノンカフェインの紅茶にしたんです。けど結局、あっという間に食べ終わって“もっと食べたい…”って泣きそうになりました」
その夜は胃が重くて寝つきが悪く、翌日は少し後悔。でも「少しだけでも食べられて幸せだった」という気持ちも残り、罪悪感と満足感が入り混じった夜だったそうです。
体験談2:つわり中、ポテトだけが食べられた
妊娠初期、つわりで毎日ほとんど何も食べられなかったMさん。
「どんな匂いもダメで、冷蔵庫を開けるのすら辛かった。でもなぜかマックのポテトだけは“いける”って思ったんです」
夫に買ってきてもらったポテトを一口かじると、不思議と吐き気が収まり、その日は久しぶりに少し笑顔になれたといいます。
「体にいい食べ物じゃないってわかってる。でも“生き延びるためのポテト”って感じでした。あのとき食べられたから、少しだけ心が楽になったんです」
体験談3:臨月のご褒美、たった一つのハンバーガー
妊娠9か月のYさんは、出産を控えて「もうしばらく自由に外食できないかも」と思い立ち、モスバーガーに立ち寄りました。
「体重増加を注意されていたから、すごく迷ったんです。でもどうしても食べたくて、ソイパティのバーガーを一つと烏龍茶だけにしました」
席に座り、一口かじった瞬間に涙が出てきたそうです。
「“ああ、まだ私の好きな味を楽しめるんだ”って思ったら、急に泣けちゃって。隣にいた夫も笑いながら『泣くほど!?』って驚いてました」
その日は心まで満たされ、出産への不安も少し軽くなったと振り返ります。
まとめ|妊娠中でも食べたい気持ちは適度に大切に


妊娠中にファストフードを食べることは、必ずしも避けなければならないものではありません。大切なのは「我慢」ではなく、「賢く選んで工夫すること」です。
妊娠初期には葉酸を意識して、食べられるものを少しでも口にできれば十分。中期はタンパク質や鉄分を取り入れながら、栄養バランスを考えたメニュー選びを。後期は消化に優しいものを少量ずつ取り入れて、塩分や体重管理にも気を配りましょう。
実際に妊婦さんたちの体験談からもわかるように、「食べすぎて後悔した」「つわり中にポテトだけが食べられた」「臨月のご褒美で心が救われた」など、ファストフードは妊娠生活の中でさまざまな役割を果たしてきました。そこから学べるのは、自分の体調に合わせて“ちょうどいい食べ方”を見つけることが一番の安心につながるということです。
塩分・脂質の摂りすぎを避けつつ、サイドメニューやノンカフェインドリンクで調整すれば、ファストフードは「心を満たす小さなご褒美」に変わります。
母体と赤ちゃんの健康を守りながら、自分の気持ちも大切に。 “食べたい”を我慢しすぎず、安心できる形で楽しむことこそ、妊娠中の幸せな食との付き合い方ではないでしょうか。










