JALの介護・帰省割引って知ってる？年末年始の帰省をもっと安心・お得に

年末年始が近づくと、遠方で暮らす家族のことが気にかかるものです。帰省のタイミングでもありますが、高齢になった親を心配する人も多いはず。特に、既に家族の介護や自身の帰省を考えている方にとって、時期が迫ってからの航空券の手配や交通費の負担は、精神的にも経済的にも大きな悩みとなりがちです。

「急に帰省が必要になるかもしれない…」
「高齢の親を連れての移動が不安だ」
「年末年始に自宅へ帰るけど、介護割引とかあるのかな？」

そのような疑問を持った時、JAL（日本航空）には、こうした「介護」や「帰省」の事情を抱える利用者のための運賃や、手厚いサポート制度が用意されています。

この記事では、JALで利用できる介護・帰省に役立つ制度について、その内容から利用のポイントまでをわかりやすく解説します。年末年始の帰省準備にぜひお役立てください。

JALの「介護帰省割引」とは？

介護や看護のために飛行機を利用する際、JAL（日本航空）には「介護帰省割引」という専用の運賃制度が用意されています。急な帰省が必要になったり、予定変更の可能性が高かったりする介護者の負担を軽減するための制度です。

誰が使えるの？

JALマイレージバンク（JMB）会員の方で、要介護・要支援認定を受けているご家族の介護や世話のために搭乗される方が対象です。 利用には事前の登録（「介護帰省割引」情報登録）が必須となります。所定の申請書と確認書類（被保険者証や戸籍謄本など）をJALに提出し、登録を済ませておく必要があります。

どんなメリットがある？

最大のメリットは「柔軟性」と「価格」のバランスです。 通常、安価なチケットは予約変更ができないことが多いですが、この「介護帰省割引」は搭乗日当日まで予約ができ、予約変更も可能です。 それでいて、通常の普通運賃（フレックス）よりも割安な設定になっているため、「いつ帰ることになるかわからない」「急に呼び出された」といった介護特有の事情に非常に適しています。

ANAとの違いは？

ANA（全日本空輸）にも同様の「介護割引」があります。 以前は仕組みに細かな違いがありましたが、現在は両社ともに「事前の登録が必要」「当日予約・変更が可能」「マイルが貯まる」といった基本的な仕組みはほぼ共通しています。 どちらの航空会社を利用する場合でも、いざという時にすぐ使えるよう、時間のある時に申請・登録を済ませておくのが賢明です。

JALで使える主な割引運賃一覧

介護や帰省の際に、実質的に「割引」として活用できるJALの運賃制度は、大きく分けて「早期予約で安くするもの」と「急な予定変更に対応できるもの」、そして「介護などの事情がある方向けのもの」の3つがあります。

「スペシャルセイバー」｜予定が決まっているなら早期予約

以前あった「おともdeマイル割引」は終了しましたが、現在は「スペシャルセイバー」などの早期購入割引がその役割を担っています。

「28日前」「45日前」「55日前」「75日前」など、予約のタイミングが早ければ早いほど運賃がお得になる仕組みです。 もし、ケアマネジャーとの面談や法事など、あらかじめ帰省する日程が決まっている場合は、できるだけ早めにこの運賃で予約を入れておくのが節約のポイントです。

年末年始やお盆などの繁忙期はすぐに売り切れてしまうため、早めの計画が重要になります。

「株主優待割引」｜急な帰省でも柔軟に変更可能

介護や看病で最も悩ましいのが、予定が立たないことです。「いつ帰省が必要になるかわからない」「思ったより滞在が長引きそうだ」といった不安は常につきまといます。

そのような時に圧倒的な柔軟性を発揮するのが「株主優待割引」です。この割引の最大の利点は、搭乗日当日でも予約が可能で、かつ予約の変更が自由である点です。

割引率は正規運賃（フレックス）の約50%割引と非常に強力で、急な帰省や日程が前後する可能性が高い場合に、最も頼りになる選択肢と言えるでしょう。JALの株主でなくても、金券ショップやインターネットオークションサイトなどで優待券を事前に入手して利用することが可能です。

「介護帰省割引」・「身体障がい者割引」も確認

JALには、介護のために帰省する方を支援する「介護帰省割引」という特別な制度があります。

利用には事前の登録（「JAL介護帰省割引」情報登録）が必要ですが、当日の予約変更が可能で、かつ運賃も割安に設定されているため、介護をされている方にとっては心強い存在です。また、各種手帳をお持ちのご本人と介助者1名までが対象となる「身体障がい者割引」も、当日予約・変更が可能でお得な運賃です。

ご自身の状況に合わせて、これらの制度が利用できないか確認しておくことをおすすめします。

介護帰省で知っておきたいJALのサポートサービス

JALの支援は、運賃（お金）のサポートだけにとどまりません。むしろ、移動そのものの不安を解消する手厚い介助サポートこそが、JALの大きな強みです。

高齢者・介助が必要な方向けの「JALプライオリティ・ゲスト・サポート」

以前は「JALスマイルサポート」と呼ばれていましたが、現在は「JALプライオリティ・ゲスト・サポート」として、お手伝いが必要なすべてのお客様に向けた総合的なサービスを提供しています。

例えば、空港に到着した瞬間から、車椅子の無料貸し出しや、チェックインカウンターから搭乗口までスタッフが付き添うサポートが受けられます。搭乗・降機の際も優先的に案内してもらえるため、混雑する機内への移動も安心です。

医療・介護機器の持ち込みに関する対応

日常的に医療機器や介護用品が必要な場合でも、安心して搭乗できます。 医療用酸素ボンベ（JALが用意するもの）の利用や、ご自身の吸引器、人工呼吸器といった医療・介護機器の持ち込みについても、事前に相談・申請することで、機内で安心して過ごせるよう万全の体制を整えてくれます。

ご自身の車椅子も無料で預けることが可能です。

認知症や高齢家族の単独搭乗サポート

「認知症の親だけを実家に帰省させたい」といった、家族が同行できないケースも想定されています。 この場合もサポートの一環として、空港のスタッフがチェックインから搭乗、そして到着空港で出迎えの方に無事引き継ぐまで、責任を持って付き添うサービスが提供されます。

こうした手厚いサポートは、利用者の不安を物理的にも精神的にも取り除いてくれるでしょう。 利用には事前（数日前まで）の申し込みが必要です。活用する場合には、まずは「JALプライオリティ・ゲスト・センター」へ電話で相談してみましょう。

年末年始に向けた予約・利用のポイント

混雑が予想される年末年始に、介護・帰省でJALを賢く利用するには、3つのコツがあります。

1. 介護目的での急な帰省には「2つの割引」を使い分ける

急な帰省や日程変更の可能性がある場合は、以下の2つの割引が選択肢になります。

• 介護帰省割引：事前登録が必要ですが、本人や家族が対象。当日予約・変更が可能

• 株主優待割引：登録不要で誰でも利用可能。当日予約・変更が可能。

もし「介護帰省割引」の登録が間に合わない緊急時は、金券ショップなどで優待券を入手して「株主優待割引」を利用するのが最も確実な手段です。

2. 危篤などの緊急時は相談を

万が一、危篤など非常に緊急性が高い場合は、割引の有無に関わらず、すぐにJALの予約センターに電話で事情を説明してください。空席の確保や特別な対応について、親身に相談に乗ってもらえる可能性があります。

3. 証明書類の準備と連絡を早めに

「介護帰省割引」の登録や、「身体障がい者割引」の利用、特別な事情での対応を相談する際には、各種手帳や介護保険被保険者証、診断書など、状況を証明できる書類を手元に準備しておくと手続きがスムーズです。

JAL・ANA・LCCの違い

以前は両社に差がありましたが、現在はJALにも「介護帰省割引」が導入され、ANAとほぼ同等の制度が整っています。 一方でLCC（格安航空会社）は、運賃は魅力的ですが、予約変更の柔軟性が低く、急な予定変更が想定される介護帰省にはリスクがあります。

まとめ｜帰省が「負担」ではなく「支え合い」になる時代へ

遠方の家族を想う気持ちはあっても、移動のコストや体力の負担が大きければ、帰省は「義務」や「重荷」になってしまいます。

JALが提供する「介護帰省割引」や「プライオリティ・ゲスト・サポート」は、そうした負担を軽減するための現代の社会インフラです。 「こんなことまで頼めるのだろうか」と一人で悩まず、まずはJALの専用デスクに相談してみてください。

FAQ（よくある質問）

Q：介護のための割引はありますか？

A：はい、「介護帰省割引」があります。JALマイレージバンク会員で、要介護・要支援認定を受けている方のご家族などが対象です。利用には事前の郵送登録が必要ですので、早めの手続きをおすすめします。

Q：急な帰省で、介護割引の登録が間に合いません。

A：その場合は「株主優待割引」が最適です。JALの株主でなくても、金券ショップやネットオークションで優待券を購入すれば利用できます。当日予約・変更が可能で、割引率も正規運賃の約50%と大きいため、緊急時の強い味方です。

Q3：付き添いが必要な場合、どう連絡すればいい？

A：JALの「JALプライオリティ・ゲスト・センター」に電話で連絡するのが最も確実です。Webサイトからも車椅子の手配などは可能ですが、ご本人の状態や必要なサポートの詳細を伝えるため、電話で直接相談すると当日スムーズです。