福岡ワンビルの環境への取り組みと、エシカルなショップ5選をご紹介


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2025年4月、福岡の中心地に誕生した複合商業施設ワン・フクオカ・ビルディング。通称ワンビルとして親しまれ、学生をはじめとする若い世代からファミリー、ビジネスパーソン、国内外の観光客まで、さまざまな人が集まる注目のスポットです。
ワンビルは福岡の新たなランドマークであり、多彩なテナントが集まっていることで注目されていますが、環境に配慮した設計や、エシカルなブランドやショップが多数出店していることはあまり知られていないかもしれません。
そこで本記事では、ワンビルの環境への取り組みと、注目のエシカルショップをご紹介します。ワンビルを訪れる際の参考にしてくださいね。
ワンビルとは
ワンビルは九州の主要都市である福岡・天神に2025年4月にオープンした複合商業施設です。現在天神では大規模な再開発が進んでおり、その中心的な施設として話題になっています。
「創造交差点」というコンセプトのもと多様な価値観や人々が交わる場として設計され、ショッピングや食事、仕事、宿泊、観光など、さまざまな目的で利用することができます。オープン1ヶ月で約170万人を記録したことで注目されましたが、地下鉄「天神駅」直結というアクセスの良さも多く人が訪れる理由のひとつでしょう。
ワンビルの環境への取り組み
利便性や多様性に加え、環境への取り組みも大きな特徴です。ワンビルでは環境に配慮した設備や仕組みを取り入れており、その取り組みが国際的に評価され複数の認証を受けました。
空調や照明には省エネ性能の高い設備を導入し、電力はすべて再生可能エネルギーを使用しています。さらに、ビル単独で冷暖房や給湯設備を稼働させるのではなく、近隣地域のエネルギーセンターでつくられた熱を活用することで環境への負荷を軽減しています。
その結果、ワンビルの建て替え前に比べると延床面積は約1.6倍になっているにもかかわらず、1㎡あたりのエネルギー消費量は約64%も削減。建物全体で見ても約42%のエネルギー削減が見込まれています。
また、館内外に約160本の樹木が植えられ、季節の変化を感じられる緑の空間をつくるなど、環境負荷の軽減と自然を感じられる空間づくりに取り組んでいます。
ワンビル内のエシカルなお店を紹介
エシカルなのは建物だけではありません。施設内の約130の店舗のなかにはエシカルな取り組みを行うショップが点在しているため、環境や社会に配慮した買い物ができるのも魅力です。なかでもおすすめのショップを5つご紹介します。
Öffen(オッフェン)
Öffenは神戸で生まれたエシカルシューズブランドです。流行に左右されないスタンダードなデザインを基調に、地球環境に配慮したものづくりに取り組んでいます。靴の底(ソール)を除いた足の甲を覆う部分(アッパー)には使用済ペットボトルから作られたリサイクル糸を使用しており、その軽い履き心地は大きな特長のひとつです。
温かみのある空間でエシカルな一足を見つける
ワンビル3階に位置する店舗は温かみのあるベージュを基調とした内装で、ゆったりと過ごせる空間でした。店内には黒、白などのスタンダードなカラーの靴が多く並んでいましたが、水色、黄色、オレンジなどビビッドな色合いのアイテムもラインアップされていました。
Öffenはさまざまなブランドとコラボして本来廃棄される端材を活用したアップサイクルシューズも展開しており、ここではrrrrrrrrr(ナインアール)とのコラボ商品が販売されていました。
また、靴にも使用できるエシカルな洗剤ブランド・伊都の国洗剤hinataの計り売りや、魚網をアップサイクルしたタワシの販売など、エシカルへのこだわりが随所に感じられました。
MOTHERHOUSE(マザーハウス)
「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を掲げ、2006年に設立した日本のファッションブランドです。バングラデシュやインドネシア、スリランカなど6か国の素材と技術を活かしたバッグやジュエリーを、日本や台湾、シンガポールで販売しています。
長く愛用できるお気に入りのレザーバッグに出合える
福岡にあるマザーハウス3店舗で最も広々とした空間のワンビル店には、レザーバッグを中心に財布やジュエリーなどがさまざまなアイテムがディスプレイされていました。特に目を引いたのがレザーでつくられた「アンティーク スクエア バックパック」。
長方形のシンプルなフォルムにキャメルやブラウンの色合いが映え、落ち着いた印象のバッグでした。背負ってみると背中にしっくりとフィットし、付け心地も良かったです。
またマザーハウスではバッグを長く愛用してもらうために、メンテナンス・修理サービスを提供しているほか、役目を終えたバッグを回収し、新たなバッグへとリメイクする取り組みも行っています。こうした循環型のものづくりにも積極的に取り組んでいます。
Cotopaxi(コトパクシ)
2014年にアメリカで誕生したアウトドアブランドのCotopaxiは、環境問題に対する活動も注目されているブランドです。創業者が南米で目にした貧困問題を背景に、発展途上国への支援、環境保全などに取り組んでいます。
商品には余剰生地や残材、リサイクル素材が使用されており、サステナブルでありながら遊び心あふれるアイテムが揃っています。
カラフルで個性的な一点物のバッグに注目
九州初の直営店となるワンビルの店舗はブランドカラーの鮮やかなオレンジ色をベースにした空間でした。店内にはリサイクル素材を使用した色とりどりの個性的なバックパックやウェアが並び、見ているだけでも楽しい気分になります。
なかでも他社の大量生産で生まれた端材を使用したDel Día(デル・ディア)シリーズのシリーズのバッグは、一点一点異なる配色で仕上げられた世界に一つだけのアイテム。パッチワークのように鮮やかな色が組み合わされ、外側だけでなく内側の配色もすべて異なります。
見たときの印象と身に付けたときの印象が変わるので、気になったものは実際に背負ってみてください。自分だけの一点物を見つける、宝探しのようなワクワク感があります。
Snow Peak(スノーピーク)
Snow Peakは新潟県三条市に本社を構えるアウトドアブランドで、「人生に、野遊びを。」をコンセプトに、キャンパーの視点から高品質で機能美に優れたアウトドア用品を展開しています。
使い捨てずに長く使ってもらいたいという思いから、すべての商品に永久保証を設け、修理対応を行っているのも特長です。またリサイクル素材を使用した製品づくりや運営するキャンプ場への再生可能エネルギー導入など、環境に配慮した取り組みも積極的に行っています。
普段使いもできる機能的なキャンプ用品
ワンビル4階に足を運んでみるとテントが張られているエリアがあり、それがSnow Peakの売り場でした。約120坪という店内は広々としており、キャンプ用品や衣類、靴、タンブラー、ケトル、ダッチオーブンなど幅広いアイテムが並んでいました。
シンプルで機能的なデザインのアイテムが多く、アウトドアだけでなく日常生活でも活躍しそうなものが揃っていました。
Foxfire(フォックスファイヤー)
日本のアウトドアウェアブランドであるFoxfireは、1982年に設立し、フライフィッシング用ベスト開発からスタートしました。現在は釣り用品だけでなくTシャツなどのウェア類や帽子、バックパックといった日常でもアウトドアでも使えるアイテムもラインアップしています。
Foxfireの製品を供給するティムコ社は「小さいことからはじめよう」というスローガンのもと、長く使い続けられる製品づくりや修理対応に力を入れている企業です。水中・水辺の環境保全にも協力し、一過性の流行に流されることなく着実な取り組みを実行に移しています。
UVカットと防虫機能を備えた「着る防虫」
Foxfireの店舗はSnow Peakの隣に位置しており、アウトドア関連のブランドが近くに集まっていることでフロアに統一感がありました。アウトドアウェアは機能性を重視するためファッション性が抑えられがちですが、foxfireのアイテムはアースカラーや落ち着いたトーンの衣類が多く、日常のコーディネートにも取り入れやすいデザインなのが印象でした。
また注目したいのがUVカットと防虫機能を備えた「着る防虫」シリーズ。虫が生地に触れること不快感からすぐに飛び立ってしまうとのことで、特に夏の屋外や旅先で重宝しそうです。
まとめ
ワンビルには飲食店を含む多数の店舗が出店しており、ショッピングやグルメをゆっくりと楽しむことができます。今回ご紹介した5店以外にもエシカルなアイテムを扱うショップは点在しているので、環境にやさしい商品や、福岡や九州とのつながりを感じられる商品がきっと見つかるはずです。
福岡に住んでいる方だけでなく、観光で訪れた方も足を運んでみてはいかがでしょう。