ペットボトルキャップ回収でできる社会貢献|回収の現状・最新事例・今日からできる方法


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日常生活で手にすることが多いペットボトル。飲み物を飲み終わった後、ペットボトルをどのように処分していますか?
この記事ではペットボトルキャップに焦点を当て、キャップを回収することでできる社会貢献について解説していきます。
ぜひ記事を読んで、生活のなかにキャップ回収を取り入れてみてくださいね。
なぜペットボトルキャップ回収が注目されているのか
ペットボトルキャップは、文房具や買い物カゴ、育苗ポットなど、多様な製品へとリサイクルできる貴重な資源です。
では、「誰が回収しているのか?」「どこに持っていけばいいのか?」といった疑問に答えるために、キャップの素材や社会的意義、そして実際の回収主体について詳しく見ていきましょう。
そもそもキャップは何でできている?
ペットボトルの本体とキャップでは、使われている素材が異なります。
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本体:PET(ポリエチレンテレフタレート)
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キャップ:PP(ポリプロピレン)または PE(ポリエチレン)
PETは硬くて透明性が高く、ボトルの成型に適しています。一方、キャップは柔軟性と加工のしやすさが必要なため、PPやPEが使われています。特にPPはリサイクル性が高く、焼却時にも有毒ガスを出さない素材として注目されています。
数字で見るペットボトルキャップ回収の現状
キャップを燃やすと、PETボトルリサイクル推進協議会によれば430個あたり約3.15kgのCO₂が発生します。焼却処理ではその分のCO₂が環境中に排出されてしまいますが、回収・再資源化すればそれを防ぐことができます。
また、キャップの回収は環境保全に加えて、社会貢献活動にも直結します。多くの団体では、キャップをリサイクル業者に売却した資金を活用して、以下のような活動を行っています。
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発展途上国へのワクチン提供支援
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障がい者雇用の創出
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福祉団体への寄付
こうした「エコ+社会貢献」の仕組みがあるため、キャップ回収は多くの人々の共感を呼び、地域に広がっています。


誰がペットボトルキャップを回収しているの?
ペットボトルキャップの回収は、実はさまざまな団体や個人によって支えられています。主な回収主体は以下の通りです。
1. 自治体
一部の市区町村では、キャップの分別回収を実施しています。地域の資源ごみ回収所や清掃工場に「キャップ専用回収箱」が設けられていることもあります。ただし、自治体によって対応が異なるため、事前に公式サイトなどで確認するのが確実です。
2. 企業やスーパー
イオン、イトーヨーカドー、コープなどの大手スーパーでは、店頭にキャップ回収ボックスを設置している場合があります。オフィスや工場単位で、社員が持ち寄ったキャップをまとめて寄付する企業も増えています。
3. 学校・保育園
子どもたちに環境意識を育てるため、多くの教育機関でキャップ回収が行われています。集まったキャップは、提携団体を通じてリサイクルや寄付に活用されます。
4. NPO法人・ボランティア団体
「エコキャップ推進協会」など、全国的・地域的に活動する団体がキャップ回収のネットワークを運営しています。町内会やマンションの自治会と連携して回収活動を行っているケースもあります。
5. リサイクル業者
昭和45年創業の進栄化成株式会社のように、長年にわたってキャップリサイクルに取り組んできた業者もあります。同社では年間約20億個ものキャップをリサイクル処理しているとのことです。
国内外のユニークなキャップ回収の取り組み
キャップ回収は、環境改善のためだけに行われているわけではありません。ここでは、国内外におけるユニークなキャップ回収の取り組みを見ていきましょう。
エコキャップ推進協会の取り組み(日本)
エコキャップ推進協会では医療支援を積極的に行っており、そのうちの1つがポリオ撲滅プロジェクトです。ポリオ(急性灰白髄炎)は、ポリオウイルスによる感染症です。小児麻痺とも呼ばれ、麻痺などの症状が現れる場合があります。
日本では1981年以降、野生型のポリオウイルスによる感染はありませんが、海外では今もなお流行している地域も。そこでポリオを根絶するべく、キャップ回収を通してワクチン支援活動を行っています。キャップ800個につき1人分のポリオワクチンの資金に相当します。
企業事例|イオンの「ペットボトル回収機」
全国のイオンやイオンモールなどでは、ペットボトル回収機が設置されています。これは、ペットボトル5本で1WAONポイントが貯まる仕組みになっています。
透明な2lまでのペットボトルが対象。キャップとラベルを外し軽く洗い、水を切ってからリサイクルしましょう。ただし、潰したペットボトルは回収不可のため注意が必要です。
海外事例|トルコの「キャップで車いすを」
トルコ国内で広まっているのが、Blue Lid Campaignというペットボトルキャップを集めて車いすと交換する活動です。この活動により、車いすの購入が経済的に難しい人の元にも車いすが提供されることになり、障がい者支援にも繋がっています。
250kgのキャップで手動式車いす1台に、2.5tのキャップで電動式車いすへと交換可能です。また、なかにはSNSを活用することで活動内容を拡散し、賛同者を増やし活動を普及させている人もいます。
自分にできる!ペットボトルキャップ回収の始め方
ペットボトルキャップ回収はとても簡単。すぐにでも日常生活に取り入れられる、ペットボトルキャップ回収の始め方について見ていきましょう。
家でできる小さな習慣
空になったペットボトルは、洗ってキャップだけを分別してためましょう。キャップがたくさん集まったら、小さな袋に入れて近所の回収拠点へ持っていきます。
学校や職場で呼びかけてみる
学校や職場には多くの人が在籍しているため、小さな呼びかけがきっかけとなり大きなキャップ回収量へと繋がります。キャップ回収の意識を高めるために、掲示物やポスターを活用するのも良いですね。
少しの工夫で、楽しみながらキャップ回収を継続できるはずです。
回収先を探す方法
ペットボトルの分別を始めても回収先がどこにあるか分からないという人は、ネットでエコキャップ推進協会や自治体サイトを検索してみましょう。
先述したイオンのように、スーパーやドラッグストアに回収ボックスが設置されていることもあるので、買い物ついでに積極的に活用できると良いですね。
まとめ|回収ボックスに入れるだけで、誰かの命を守る力に
ペットボトルのリサイクル意識は高くても、キャップの分別まで気にかける人はまだ少ないかもしれません。キャップ1つを回収ボックスに入れることは小さなアクションですが、その行動の積み重ねが誰かの命を守る力に繋がります。
ペットボトルキャップをただのゴミにするのか、それとも社会貢献に変えていくのかは自分自身の行動次第です。
ぜひ、今後の生活にキャップ回収の習慣を取り入れていきましょう。