ペットボトルによる環境問題とは?影響を及ぼす場面や解決策を紹介

ペットボトルによる環境問題とは?影響を及ぼす場面や解決策を紹介
SOCIETY

私たちの生活に欠かせない、プラスチック製品。

一番身近で広くプラスチック製品として認知されているのは、ペットボトルではないでしょうか。

適切に回収さえできていれば、とても有用性の高いリサイクル可能な資源となるペットボトルですが、他のプラスチックと同様に海へ流出することで、生態系へ悪影響を及ぼします。

地球温暖化や異常気象など、既に私たちの日常生活にも影響を及ぼし始めているのかもしれません。

こうした環境問題を解決するためには、ペットボトルが環境に与える影響を理解する必要があります。

この記事では、ペットボトルによる環境問題や影響を及ぼす場面や解決策を紹介します。

ペットボトルが引き起こす環境問題

廃棄ペットボトル

ペットボトル等のプラスチックが引き起こす環境問題のひとつに、海洋汚染があります。

海洋汚染とは、人間の活動によって海洋に有害な物質が流入し、海洋環境やその生態系に悪影響を及ぼす現象のことです。

ペットボトル等がポイ捨てされることや適切な処分がされずに海に流出することも大きな原因の一つです。

ペットボトル等が海に流れた場合、大量のゴミが浮遊することにより、漁業や生態系へ影響を及ぼします。

海に生息する魚などがゴミを誤飲する可能性もあり、生態系を壊す恐れも。

適切な処理が行われていないペットボトルは、海の環境だけではなく、地球全体に悪影響を及ぼします。

ペットボトルが該当するマイクロプラスチックとは

ペットボトル

海に流出するプラスチックは原型を留めているものだけではなく、直径5ミリメートル以下の非常に小さく、細かく粒子になったマイクロプラスチックも存在します。

マイクロプラスチックは、主に「一次マイクロプラスチック」と「二次マイクロプラスチック」の2種類に分けられます。

一次マイクロプラスチック

製造過程で既に小さなサイズで作られたプラスチックのことです。

化粧品や洗顔料に含まれるスクラブ剤として使用されているマイクロビーズなどのマイクロサイズで作られたプラスチックが排水等により自然へ流出したゴミのことです。

自然環境に流出すると回収できないゴミのため、対策が取りにくくなっています。

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二次マイクロプラスチック

ビニール袋やペットボトルなどの大きいサイズのプラスチックが自然の中で影響を受けたことにより、細かい大きさに変化したゴミのことです。

大きなサイズのプラスチックは分解される前であれば、リサイクルや回収などが可能です。

ペットボトル等による環境問題や影響

生態系

ペットボトル等のプラスチックが自然界に流出することで、さまざまな環境問題や影響を及ぼします。

ここでは、3つの項目に注目します。

  • 生態系への影響
  • 産業への影響
  • 人体への影響

1つずつ見ていきましょう。

生態系への影響

魚などの海洋生物がマイクロプラスチックを食べた場合、体内で消化されずに蓄積する可能性があります。蓄積したマイクロプラスチックにより、体内の内臓に負担がかかり、命を落とすケースもあります。

海洋に漂流するプラスチックゴミにより、生物の生息地の減少や破壊が起き、生態系のバランスを崩す原因にもなります。

また、プラスチックが分解される過程で、有害な化学物質が放出されることがあります。

有害な化学物質が水質や土壌を汚染し、さらに生態系に影響を与える可能性もあります。

産業への影響

漁業等の水産業は海洋プラスチックごみにより、漁獲量の減少に繋がる恐れがあります。海洋プラスチックの影響で魚が減ったり、ゴミによって網が破損したりするケースもあるでしょう。

他の産業としては、観光業に悪影響を及ぼす可能性があります。海洋プラスチックごみにより、海が汚染されてしまい、観光客の減少にも繋がります。

海に関連する産業は、ペットボトル等のプラスチックごみへの対策を取る必要があるでしょう。

人体への影響

マイクロプラスチックは、魚の体内では消化されません。

プラスチックは、さまざまな物質を付着する特徴があります。

体内にマイクロプラスチックを含んだ魚等の海洋生物を食物連鎖を通じて人間が食べた場合は、何かしらの悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。

プラスチック汚染を減らすための対策や、健康被害の治療にかかる費用が増大し、社会全体に経済的な負担をもたらす可能性もあります。

 ペットボトル等の環境問題を解決へ導く取り組み

マイボトル

前章で記載したように、プラスチックの流出は多方面に影響を及ぼすため、適切な管理やリサイクルの推進、使用量の削減が重要となってきています。

ペットボトル等の環境問題を解決するためには、新たな対策を取らなければなりません。環境問題を解決へ導く取り組みとして、以下の2つが挙げられます。

  • ボトルtoボトル(BtoB)とは
  • マイボトル

それぞれの取り組みについて見ていきましょう。

ボトルtoボトル(BtoB)とは

ボトルtoボトルとは、食用品のPETボトルをリサイクルし、再利用することです。

日本では、ケミカルリサイクルとメカニカルリサイクルの2つの方法が実施されています。

2つの方法は従来のマテリアルリサイクルと同様に工程を踏みつつ、新たな再生方法を採用しています。

マイボトル

マイボトルとは、お茶やコーヒーなどの飲料を自分のボトルに入れて持ち歩くことです。

ペットボトルを購入する機会が減り、プラスチックごみの削減に貢献できます。

他のメリットとしては、「飲み物代の節約」や「健康効果の期待ができる」などが挙げられます。保冷・保温機能に優れたボトルを持ち歩くことにより、適切なタイミングで水分補給ができます。夏場においては脱水症状の予防に期待できるでしょう。

日常生活からペットボトルの削減に取り組みたい方や環境問題に関心がある方は、直ぐに開始してみましょう。

ペットボトル等の環境問題への企業の取り組み

2019年4月から12月にかけて、日本コカ・コーラ株式会社と日本財団は、河川敷流域における海洋ごみの発生メカニズムを解明するための調査を行っています。

海洋ごみの7~8割は、街で発生したプラスチックごみ等が河川を伝って海に流出したものとされていますが、日本コカ・コーラの推計ではペットボトルの回収率は98%あり、残り1~2%が河川に流出していることが分かってきたそうです。

今回の調査の結果、ペットボトルのポイ捨てをしないなどの、モラルの問題だけではない、数多くの問題が明らかになったとのことです。

詳しくは下記記事を見てみてください。
参考記事:【増え続ける海洋ごみ】海ごみの7~8割は街由来。流出原因の調査で分かったモラルでは解決できない問題

 まとめ

今回は、ペットボトルによる環境問題・影響を及ぼす場面や解決策を紹介しました。

マイクロプラスチック含めペットボトル等のプラスチックごみは、さまざまな場面で悪影響を及ぼします。人間だけではなく、海洋生物等へ影響を与えるため、他の環境問題が起こる原因でもあります。

ペットボトルは適切な管理やリサイクルの推進、使用量の削減が解決に重要となってきています。

日常生活にマイボトルを携帯するなど、ペットボトルの削減に貢献できることは多くあります。

手軽にできる方法を取り入れ、積極的に環境問題を解決へ導く行動を取りましょう。

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