クルエルティフリーとは?動物と地球にやさしい選択を始めよう


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近年、SNSや美容系インフルエンサーの投稿で目にすることが増えた「クルエルティフリー」。
言葉自体は聞いたことがあっても、具体的な意味やどのような商品のことなのか、よく分からない……という人も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では「クルエルティフリー」とは何かについて解説します。併せて、おすすめのクルエルティフリーブランドも紹介するので、買い物の際は参考にしてみてください。
クルエルティフリーとは?動物実験との違いと意味を解説
まずは、クルエルティフリーの定義について見ていきましょう。
クルエルティフリーの基本的な定義
クルエルティフリー(cruelty-free)とは、文字通り訳すと「残虐性がない」という意味です。化粧品や日用品の開発・製造という生産過程で、動物実験を行っていないことを指します。
クルエルティフリーとヴィーガンの違い
クルエルティフリーと並んでよく耳にするのが「ヴィーガン」という言葉ではないでしょうか。
クルエルティフリーが製造過程で動物実験を行っていないことを意味する一方で、ヴィーガンとは製品に動物由来の原料が含まれていないことを指します。
いずれも動物保護に繋がるものですが、クルエルティフリー=ヴィーガンではありません。


なぜクルエルティフリーが注目されているのか?
今、世界中で急速に支持を集めているクルエルティフリー。これは単なる流行ではなく、倫理・環境・消費者意識の変化がこの動きを後押ししています。
動物実験への倫理的な疑問
クルエルティフリーへの関心が高まる最大の理由は、動物実験に対する倫理的な違和感です。
多くの人が、化粧品や日用品の安全性を確かめるためにウサギやマウスが苦しむ現状に疑問を持つようになっています。動物に苦痛を与えることなく、安全性を確認できる代替技術があるなら、そちらを選ぶべきという考えが広がっています。


消費者の価値観の変化
近年、消費者は「安いから買う」から「意味があるから買う」へと価値観をシフトさせています。
環境や人権、動物福祉を重視するライフスタイルが浸透し、「自分の選択が社会に与える影響」を意識する人が増えているのです。クルエルティフリー製品は、そうした価値観とマッチします。
法規制と企業の対応
EUやカナダ、オーストラリアなど、動物実験を禁止・制限する国が増えています。これに合わせて企業も方針を見直し、クルエルティフリーの製品ラインを強化しています。また、「クルエルティフリー認証マーク」の存在により、消費者は安心して選べるようになりました。
SNSと情報の透明性
SNSの普及により、企業の裏側も可視化される時代になりました。動物実験に関する事実がシェアされるたびに、多くの人が衝撃を受け、考えを改めています。
透明性を求める声が高まり、企業にも「動物実験をしていない」と明言することが求められています。
信頼できるクルエルティフリー認証とは?日本での実情も
クルエルティフリー製品を購入する際は、認証マークの有無をチェックしてみるのが良いでしょう。ここでは、代表的な3つの国際認証について解説します。
代表的な国際認証一覧
- Leaping Bunny(CCIC)
アメリカとカナダの動物愛護団体によって設立されたCCICが認定している、世界的にも認知度が高い認証マークです。
化粧品や日用品を対象として、厳しい条件を満たした商品に与えられています。
- PETA認証「Beauty Without Bunnies」
PETAは、アメリカで生まれた世界最大規模の動物愛護団体です。
「動物実験をしない」「動物由来成分不使用」などが認証基準となっています。
- Choose Cruelty Free(オーストラリア)
動物実験反対を唱えるオーストラリアの非営利団体であるCCFが認証するマークです。製造過程に限らず、食肉など別産業の副産物だとしても動物が犠牲となっている成分は使用禁止というルールを定めています。
認証の取得基準と違い
クルエルティフリー認証には、自社だけでなく委託製造業者や原料メーカーに至るまで動物実験を行っていないことが求められます。
世界的に見るとクルエルティフリーの考え方は広まっており、海外では動物実験禁止を法的に規制している国もあります。EUでは、2013年に化粧品における動物実験と動物実験を行った化粧品の販売を一切禁止としました。
現在では、アメリカの一部の州やインド、韓国、ブラジル、オーストラリアなど多くの国でも化粧品の動物実験禁止の政策が進められています。
日本国内での法的背景と限界
世界でクルエルティフリーへの関心が高まっている反面、日本では動物実験を禁止する法制度は整っていません。
しかし、国内においても独自に動物実験廃止の取り組みを行っている企業もあり、今後さらに拡大していくことが期待されます。
クルエルティフリー製品が買える!おすすめブランド
クルエルティフリー製品を展開するおすすめブランドを紹介します。
日本国内で手に入るクルエルティフリーブランド
まずは、日本国内で購入できるクルエルティフリーブランドを見ていきましょう。
MiMC(ミネラルコスメ):ナチュラル志向と動物実験フリーを両立
2007年の創業以来、ミネラルや植物、果実といったこだわりの天然成分のみを使用した製品がラインナップされているMiMC。最後まで新鮮な状態で使い切れるエアレスタイプの容器を採用したミネラルリキッドリーファンデーションが人気商品です。
MiMCのメイクアイテムは、すべて石鹸でオフ可能。クレンジング要らずなところがポイントです。
ラッシュ(LUSH):強い反動物実験ポリシーで知られる英国発ブランド
カラフルで可愛らしいバスボムで有名な、英国発ナチュラルコスメブランドのLUSH。
「動物実験なしでも、素晴らしい商品を製造・販売できる」という強いポリシーを掲げており、製品の安全性を社員の肌でもチェックしています。
LUSHは、世界から動物実験を無くすために、動物保護団体などと協力してさまざまな活動を行っています。
エトヴォス(ETVOS):敏感肌にも優しい、日本発ミネラルコスメ
ETVOSは、創業者自身が肌トラブルに悩んでいたことから、同じ悩みを持つ人々を手助けしたいという思いで作られました。
敏感肌にも優しい成分が使われているのが特徴で、エイジングやホワイトニングなど、求めるケアに応じてライン使いできるスキンケア製品が展開されています。MiMC同様、メイクアイテムは石鹸とお湯のみでオフ可能です。
海外で人気のクルエルティフリーブランド
次に、海外で人気のクルエルティフリーブランドを見ていきましょう。
The Ordinary(カナダ):PETA認証・成分シンプル・高コスパ
The Ordinaryは2016年にカナダで誕生し、2024年には日本にも上陸しました。PETAからヴィーガン認証を受けており、肌悩みに合わせてアプローチできる成分重視のスキンケアブランドです。
広告やパッケージにお金をかけない分、高品質の成分を手に取りやすい価格で販売しています。
Pacifica(アメリカ):100%ヴィーガン&クルエルティフリー
アメリカ・カリフォルニア州生まれの100%ヴィーガン&クルエルティフリーコスメブランドのPacifica。ボディケアやスキンケア商品を展開しています。
目を引くカラフルな商品パッケージも魅力的です。
e.l.f. Cosmetics(アメリカ):プチプラでフルヴィーガン
e.l.f. Cosmeticsは、フルヴィーガン・クルエルティフリーでありながら低価格で高品質と評判の自然派コスメブランドです。
スキンケア製品だけでなくメイクアップ製品も豊富に取り揃えられています。


まとめ|あなたの「やさしさ」が、世界を変える
動物実験を無くすために、まずはクルエルティフリーへの理解を深めることが大切です。
化粧品や日用品を購入する際は「クルエルティフリー」であるかを選択基準にしてみませんか?
あなたがクルエルティフリー製品に関心を持ち、そして日常に取り入れるという「やさしさ」は、世界の動物実験廃止に繋がる貴重なアクションとなるでしょう。