デジタルデトックスとは?効果や実践方法、おすすめの過ごし方を解説!

デジタルデトックスとは?効果や実践方法、おすすめの過ごし方を解説!
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デジタルデトックスは、現代の人類にとって避けて通れない問題といえます。

現代は、子どもから高齢者まで、誰もがスマホやパソコンを使っている時代であり、ほぼ全世界の人々がデジタルデバイス(スマホ、タブレット、パソコンやそれらと接続して使う装置の総称)と無関係ではない時代です。

数年前には考えられなかった便利な時代を世界は迎えているだけではなく、その技術は日々進化を遂げています。しかし、その便利なデジタルデバイスにより、人間の生活、さらに言えば生き方そのものが変化しています。

そこには、良い面もありますが悪い面もあります。悪い面について考え、見直すのがデジタルデトックス。その具体的な内容や方法について解説します。

デジタルデトックスとは?

デジタルデトックスとは?

デジタルの悪い面を排除することがデジタルデトックスと呼ばれますが、改めて詳しい内容について振り返っていきましょう。

デジタルデトックスの定義と概念

2014年、日本デジタルデトックス協会が発足しています。すでに10年以上前から、日本でもデジタルデトックスが問題となってきたことが、この協会の設立からわかります。

同協会は、デジタルデトックスを「一定期間スマートフォンやパソコンなどのデジタルデバイスとの距離を置くことでストレスを軽減し、現実世界でのコミュニケーションや、自然とのつながりにフォーカスする取り組み」としています。

つけ加えて、「デジタルデトックスは、デジタルを完全に手放して生きよう、というものでは」なく、「より健全にデジタルデバイスやインターネットと付き合っていくために行うもの」と記しています。

つまり、デジタルデバイスの良い面と悪い面を認識したうえで、人とデジタルのいい関係のつきあいを追求するのがデジタルデトックスの目的とされているわけです。

スマホやパソコン、SNSから一時的に距離を置くことの意義

デジタルデトックスの目的が、デジタルデバイスから距離を置くことでストレスを軽減することとありました。

デジタルデバイスによるストレスとして、まず挙げられるのは目の疲れや肩こり、頭痛など身体的な影響でしょう。これは多かれ少なかれ、誰もが経験しているはずです。

スマホやパソコンの使用を控えれば、これらの症状が軽くなることは簡単に想像できます。

また、これらの症状は睡眠不足や睡眠の質の低下、仕事や勉強の質の低下の原因ともなります。さらにストレスの増加や気分がすっきりしない、不安感に悩まされるなど精神的な面への影響も少なくありません。

一時的にでも、デジタルデバイスと距離を置くことは、身体的にも精神的にも、現代人の悩みを解決してくれるきっかけとなることは確かなことといえます。

近年のデジタル依存の現状と社会的な背景

近年のデジタル依存の現状と社会的な背景

ネットやスマホへの依存症を治療するネット依存症の専門外来は、10年以上前から登場しています。多様化、複雑化するデジタルデバイスやSNS等の環境により、デジタル依存の内容はより深刻化しているのが現状です。

特に問題となっているのはSNS依存です。他者からの承認を求める、いわゆる「承認欲求」が大きな特徴で、「いいね」がないことが不安につながる「きずな依存」や「つながり依存」は、ここ数年の問題となっています。

情報収集や情報発信などの、本来であればSNSの便利な側面が、いつの間にか同調圧力を生じさせ、SNSから抜けられなくなり、膨大な時間を費やしてしまうという負の側面を進行させてしまう。

最悪の場合は、自律神経の不調をきたし、頭痛や吐き気といった身体的な変調が現れ、うつ状態になる例も報告されています。

誰もが気軽にアプローチできるデジタルデバイスの世界は、一歩間違えると誰もが気づかないうちに深みにはまりこんでしまう一面を持っているのです。

デジタルデトックスのメリット

デジタルデトックスのメリット

デジタルデトックスは、そのようなデジタルデバイスの負の側面から身体的、精神的に回復するだけでなく、人間本来の生活のリズムを見直すというメリットもあります。

メンタルヘルスの改善

近年は、厚生労働省などもメンタルヘルスの大切さについてホームページで取り上げています。

メンタルヘルス、つまり心の健康状態は、デジタルデバイスだけに関わる問題ではありませんが、デジタルデバイスが大きく影響していることは否定できません。

デジタルデバイスは、一瞬で世界とつながることができる便利な道具ではありますが、前述のように、誰もが簡単につながることができるということは、同時に危険とも簡単につながってしまうことを意味しています。

それは相手が危険ということだけではなく、デジタル世界の深みに自らはまり込んでしまうこともあるということです。そこで感じるストレスは、日常生活のストレスとは異なる独特のものといえます。

デジタル世界特有のストレスから逃れるには、まずはデジタル世界から離れることです。デジタルデトックスにより、メンタルヘルスは改善することができます。

睡眠の質の向上

寝る前にスマホを見てしまう人は少なくないのではないでしょうか。

SNSやゲームなど、寝る前の長時間のスマホ操作は、睡眠時間を短くするだけではなく、光の刺激によって眠りに入りづらい状態を作り、睡眠の質を低下させます。

質の良い睡眠をとるためには、就寝時間の1時間前からデジタルデバイスの使用を控えることが大切だといわれます。

寝室にはスマホを持ち込まない、寝る前に返信はしない、通知は切るなど、寝る直前にデジタルデバイスとの接触を避けるように工夫することで、睡眠の質の向上を目指しましょう。

集中力・生産性の向上

睡眠の質が向上すると、当然、日常生活や仕事での集中力も高まり、生産性は向上します。

日中、休憩として、スマホやパソコンなどを使うことがあるかもしれませんが、この場合でも、脳や身体の疲れにつながることがあります。

「スマホ首」などと言われるように、デジタルデバイスを使うときの姿勢のゆがみは、身体全体が不自然な緊張状態となり、集中力の低下や思考の鈍化などの影響をもたらします。

長時間のデジタルデバイスの使用の際には、こまめに姿勢に気をつけて休息を取り、このような身体の影響が極力出ないようにしましょう。

デジタルデトックスの実践方法

デジタルデトックスの実践方法

では実際、どのようにデジタルデトックスを行えば良いのでしょうか。今はさまざまなスマホの機能や関連グッズなどが登場していますが、基本的ないくつかの方法について紹介していきましょう。

スマホの使用時間を減らす工夫

まず何よりも、自分がどれだけスマホを使っているのかを把握することが大切です。

iPhoneであれば「設定」の中にある「スクリーンタイム」、Androidの場合は「設定」の中にある「Digital Wellbeing」の機能で、スマホの使用時間を確認することができます。いずれも使用時間のほかに、どのアプリをどれだけ使っているかということも確認できます。

これらの機能を使い、自分が一日どのくらいスマホを使っているのか、どのような使い方をしているのか、可視化して確かめることで、改めてスマホの使い方を考えるきっかけとなるはずです。

重要度の低いアプリの通知をオフにする、就寝数時間前におやすみモードに設定する、スケジュール管理をスマホから手帳にする、など、スマホの使用時間を減らす方法が見つかるのではないでしょうか。

デジタルデバイスを使わない時間を作る

週末にはスマホの電源を切る時間帯を作るといったルールを決めるのもおすすめです。思い切って「ノーデジタルデー」を設定してみるのも、いいかもしれません。

寝る前にスマホを遠ざけることは前に触れたとおりですが、食事の間もスマホから離れてみるのは、いかがでしょうか。

いずれにしても、最初はなかなか決心がつかないかもしれません。

しかし、実行してみると、デジタルデバイスを使わなくても、意外と生活や仕事に支障がないことに気がつくのではないでしょうか。もちろん、仕事で忙しいときなどはスマホやパソコンでの連絡が必要かもしれませんが、そのような日ばかりではないはずです。

仕事から離れて休暇を取るように、たまにはデジタルデバイスを休んでみる。それが、ふつうにできれば、すでにデジタルデトックスを実践できていることになります。

代わりに楽しめるアナログな活動

代わりに楽しめるアナログな活動

デジタルデバイス以外に楽しみを見つけるのも、手っ取り早い方法のひとつです。

例えば読書。仕事をしていると、なかなか本を読む時間がないというのは多くの人が抱える悩みではないでしょうか。しかし、デジタルデバイスに費やしている時間を読書の時間に変えると考えれば、時間のやりくりは案外簡単にできるかもしれません。

日記を書くのも、生活に変化を生むことでしょう。長い文章を書く必要はありません。一日の出来事を箇条書きにするだけでも、その日を振り返る習慣になります。手書きであれば、より新鮮な経験となるはずです。

森林浴や散歩をするなど、自然の中で過ごすのもリフレッシュになり、デジタルの世界を忘れさせてくれます。

デジタルデバイスは、身体や心を凝り固まらせることで、人にさまざまな悪影響を与えます。自然の中で心身ともに解放されれば、なによりも効果的なデジタルデトックスとなります。またアート活動などの創作活動を行うのも良い刺激となり、デジタルデバイスの世界とは異なった体験が味わえます。

デジタルデトックスができる環境を整える

自分でデジタルデトックスを実践するのが難しい場合は、デジタルデトックスができる環境に飛び込んでみることもおすすめ。環境を変えるのには旅行が最適です。といっても、旅行に出ればスマホで写真を撮ったり、それをSNSで発信したりするかもしれません。

最も良いのは、電波の届かない、デジタルデバイスが使えない場所への旅行ですが、それはハードルが高いことでしょう。

真剣にデジタルデトックスを考えている人におすすめなのは、冒頭で紹介した日本デジタルデトックス協会などが行っているイベントやツアーに参加することです。

最近ではJALのプランや宿泊施設のプランなども登場しています。

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デジタルデトックスを継続するためのポイント

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旅行などの場合を含め、家族や友人と一緒にデジタルデトックスに取り組むというのは、成果を上げるひとつの方法です。

何事も、人は一人だけではなかなか実行することができないもの。同じ目的を持った仲間がいれば、互いに励ましながら、そして楽しみながら、デジタルデトックスにチャレンジできることでしょう。

大切なのは、完全を求めないことです。日本デジタルデトックス協会が記していたように、「デジタルを完全に手放す」ことがデジタルデトックスではありませんし、それはいまや不可能なことです。

デジタルに関わる生活をやめるのではなく、その関わりを減らすという意識を持ち、無理のない範囲で少しずつ実践するのが、デジタルデトックスを継続するためのポイントであり、デジタルデバイスと仲良くつき合っていくコツとなります。

まとめ:デジタルデトックスで心身をリフレッシュしよう!

まとめ:デジタルデトックスで心身をリフレッシュしよう!

これまでデジタルデトックスについて紹介してきましたが、その方法はダイエットに似ているかもしれません。おいしいものを食べ過ぎて太ってしまえばダイエットが必要になりますが、急に食事をやめるわけにはいきません。

いろいろなダイエット方法はあるものの、無理な食事制限や運動がリバウンドにつながるだけでなく、身体にも悪影響をもたらすことは誰もが知るところです。

デジタルデトックスでも無理をしてしまうと、長続きはしないことでしょう。

食事もデジタルデバイスも人間には必要不可欠。それぞれの人に合ったつきあい方がなによりも大切です。

食べ過ぎたり、デジタルとのつきあいが過剰になったときは、ダイエットやデジタルデトックスに取り組まなければなりませんが、いずれも心身のリフレッシュを一番が大切。くれぐれも無理はしないようにしましょう。

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