企業も健康経営に取り入れるマインドフルネス。おすすめ書籍5冊

企業も健康経営に取り入れるマインドフルネス。おすすめ書籍5冊
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日本における労働環境は、長時間労働やハラスメント、人材不足などさまざまな問題を抱えており、疲弊している労働者は少なくありません。厚生労働省によると2022年にメンタルヘルス不調により1カ月以上の休職、または退職した従業員がいた事業所の割合は13.3%で、前年の10.1%を上回りました。

こうした状況を受け、従業員の心身の健康を経営課題と捉える健康経営に取り組む企業が増えており、ストレス対策としてマインドフルネスを導入する企業も増えつつあります。本記事では、企業におけるマインドフルネスの活用事例と、マインドフルネスの基本を学べる書籍を5冊厳選して紹介します。

情報過多でストレスの多い現代社会で働く人々にとって、心を整えるヒントになるので最後まで読んでくださいね。

大手企業や自治体がマインドフルネスを導入

大手企業や自治体がマインドフルネスを導入

マインドフルネスは、2007年にアメリカに本社を置くGoogleが企業研修に導入したことで広く知られるようになりました。国内では2010年代後半にSansanやヤフー(現LINEヤフー)が先駆けて導入し、その後もメルカリやトヨタ自動車などの大手企業へと広がっていきました。

さらに2022年に東京都日野市が市職員向けに、2025年には福岡県大木町が妊産婦を対象に、マインドフルネスのオンラインプログラムの提供を開始しています。このようにマインドフルネスは企業だけでなく自治体でも活用の場が広がっています。

企業にもたらすマインドフルネスの効果

マインドフルネスとは目の前のことに意識を向け、「今ここ」「今この瞬間」を大切にする心の状態を意識的につくり出すことです。仏教の瞑想に由来していますが科学的な研究も進み、心身の健康に役立つセルフケアの方法として注目されています。

なかでも企業研修として導入されているのは、以下のような効果が期待できるからです。

生産性の向上

目の前の仕事に集中して取り組めるようになり、従業員の生産性の向上が見込まれます。

ストレスの軽減

マインドフルネスは脳にある扁桃体と呼ばれる部位に影響を与え、ストレス反応を抑える効果があります。また自分の気持ちを客観的に受け止められるのでストレスへの過剰反応を軽減できます。

職場の人間関係・コミュニケーションの改善

「今ここ」に集中する習慣が身に付くことで、相手の話を冷静に受け止められるようになるほか、自分の感情の変化に気づきやすくなるので落ち着いてコミュニケーションをとれるようになります。

これらの効果は従業員の健康を経営的な視点から考える健康経営の推進にも貢献します。マインドフルネスの導入は、企業にとって従業員の健康と生産性を両立させる有効な方法といえるでしょう。

マインドフルネス初心者におすすめの書籍5冊

マインドフルネス初心者におすすめの書籍5冊

マインドフルネスは仕事だけでなくプライベートでも睡眠の質の向上、ストレス耐性の強化、感情コントロールなど多くのメリットがあります。これからマインドフルネスに取り組みたい初心者の方向けに、おすすめの書籍を5冊ご紹介します。

頑張りすぎない休み方/荻野淳也

「マインドフルネスって聞いたことはあるけどよく分からない」という初心者の方におすすめの書籍。難しい言葉は使わず、やさしい表現でマインドフルネスがどんなものか解説しています。紹介されている実践方法はどれも簡単で、今日から実践できるものばかりです。

例えばエレベーターに乗っている間だけ、信号待ちしている時だけ、食事の最初のひと口だけといった、わずかな時間でできるアイデアが豊富に詰まっていました。仕事や育児、恋愛など、毎日がんばっている女性に寄り添う一冊です。

世界のエリートがやっている最高の休息法/久賀谷亮

マインドフルネスにスピリチュアルなイメージを抱き、苦手に感じる方がいるかもしれません。しかし本書では科学的な根拠に基づいてマインドフルネスの効果を解説しているため、納得しながら読み進めることができます。

ストーリー仕立てになっているので小説を読むような感覚で理解を深められるのも特徴です。書籍の前半部分に脳が疲労する仕組みや、呼吸法をはじめとする脳を休息させる方法が解説されているので、まずはここだけでも読んでみるとよいでしょう。

サーチ・インサイド・ユアセルフ ― 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法/チャディー・メン・タン

Googleのマインドフルネス・プログラム「Search Inside Yourself(SIY)」の開発者による著書で、マインドフルネスを科学的かつ実用的に解説しています。マインドフルネスが日本で注目されるきっかけのひとつにもなった書籍です。

専門用語や科学的な表現も登場しますが、読み進めるうちに理解が深まっていきます。初心者でも取り組みやすい簡単な実践法からより本格的な方法まで幅広く紹介されており、段階的に学びたい方に最適です。また、SIYはリーダーシップやコミュニケーション向上を目的にしているので管理職やリーダー的立場の方へのヒントも詰まっています。

1分で整う いつでもどこでもマインドフルネス/中村悟

ヤフーの企業内大学「ヤフーアカデミア」でマインドフルネス研修を立ち上げた著者が、図やイラストを交えてやさしく解説している一冊です。

マインドフルネスと言えば瞑想を思い浮かべる人が多いと思いますが、ここで紹介されている48個の実践方法は一杯のラーメンと向き合う、寝るときに身体に意識を向けるなど、通勤中や食事中、入浴中などの日常の中に取り入れられる方法ばかりです。それぞれの方法に体験談や実践した感想が記載されているのも参考になります。

究極のマインドフルネス/メンタリストDaiGo

科学的根拠に基づいたマインドフルネスの実践法が、日常生活に無理なく取り入れられるようにまとめられた書籍です。多くの論文や研究データが紹介されており、内容には説得力がありました。

著者自身が知名度の上昇に伴うストレスや不調を経験し、それを乗り越えるために実践してきた考え方やテクニックが盛り込まれているため、理論だけでなく実体験に基づく実践的なアドバイスが豊富です。習慣化のコツも具体的に示されているので、これからマインドフルネスを始めたい人にも取り入れやすい内容となっています。

マインドフルネスを習慣化し継続するコツ

マインドフルネスを習慣化し継続するコツ

マインドフルネスの成果はすぐには感じにくく、8週間ほど続けることで効果が現れるという研究結果がありますしかし、日々仕事や家事などのやるべきことに追われ、実践の時間を確保しづらく、継続が難しいと感じることもあるでしょう。

継続するには、時間と場所を決めるのがおすすめです。朝起きたらすぐ寝室で、お風呂上がりのリビングでなど、時間と場所を決めておくと良いでしょう。シャワーを浴びながら、会社に行く途中といったいつものルーティンに合わせると習慣化しやすくなります。

まとめ

まとめ

企業がマインドフルネスを導入する事例や、初心者におすすめの書籍を紹介してきました。マインドフルネスは個人の心の安定だけでなく、企業の生産性や創造性向上にも効果が期待されています。日々の生活に無理なく取り入れることで、ストレスとの上手な付き合い方を身につけてみてはいかがでしょうか。

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