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つわりが始まると環境がガラッと変わり、今までは少しの無理でもできていたことが出来なくなり、ストレスやイライラを感じる方も少なくありません。
「火を使うのもしんどい」
「包丁を持つのもつらい」
「冷蔵庫を開けた瞬間のにおいで気分が悪くなる…」
そのような日が、妊娠初期から中期にかけて続くことがほとんどと言っていいでしょう。
妊娠中はおなかの子どものために「ちゃんと食べなきゃ」「栄養バランスを考えなきゃ」と考え、普段以上に慣れない食生活を頑張る方は多いはず。中には冷凍食品を選択することで、自分のことを怠惰だと責めてしまう方も居るかもしれません。
ですが、つわり中の食事において冷凍食品は手抜きではなく、自身と子どものための最善の選択といえます。
この記事では、つわり中でも比較的食べやすかった冷凍食品のジャンル、選ぶときのポイントなどについて、妊婦さん本人だけでなく、共に暮らすパートナーや家族側の視点、また調理師免許を保持する筆者の視点も含めて解説します。
また、もし今まさに妊娠中で、何か頼れるサービスが欲しい・知りたいという方は、下記の記事もぜひご覧ください。

つわりのつらさは日によってだけでなく、同じ一日の中でも大きく変わります。
朝は大丈夫でも夕方に急に気分が悪くなったり、昨日は食べられたものが今日は受け付けなかったり、体調が数時間のうちに変わることも珍しくありません。
においや温度など少しの変化によって体調が変化し、食事だけでなく、日常的なことも高いハードルになります。そのため、冷凍食品があることで、「いつでも手軽に食べられるものがある」という安心感につながります。この安心感は、妊婦さん本人だけでなく、家庭全体にとっても大きな支えです。
つわり中は「今は食べられそう」と思った瞬間を逃すと、その後しばらく何も口にできなくなることもあります。
冷凍食品があれば、準備に時間をかけず、体調の変化に合わせてすぐ行動できるのも大きな利点です。
意外にも「自炊しないといけない」というモヤモヤが、妊婦の特別な立場からするとストレスになる可能性もあります。例えば調理をすると切りものや炒め物など、食材の匂いを感じる機会が多く、においに敏感な時期は辛いです。
その点、冷凍食品ではキッチンに立たずに電子レンジのボタン一つで調理が完了します。数分で温められるため、食べたいと思ったタイミングでラクに味を楽しめるため「今なら食べられるかもしれない」という一瞬のタイミングを逃しにくいのも大きなメリットです。
つわり中は、空腹すぎても気持ちが悪く、満腹でも気持ち悪いという難しい状態になりがちですが、冷凍食品は保存が効き少量ずつ用意しやすく、身体の変化に合わせやすい存在です。
何も作れない日があっても、「それでいい」と思える逃げ道があること自体が、妊婦さんだけでなく、パートナーを含めた家族全体の心身の負担を減らします。

つわり中は、「これなら食べられるはず」と思って用意したものが、いざというときに受け付けないこともあります。
そのため、あらかじめ正解を決めようとせず、いくつか選択肢を用意しておくことが大切です。冷凍食品は保存がきくため、体調に合わせて選べて心の余裕が生まれやすいです。ここでは、冷凍食品を選ぶ4つのポイントを紹介します。
揚げ物やにんにく・スパイスが前面に出るものは、温めた瞬間に匂いが広がるだけでなく、食べ終わった後も部屋ににおいがこもりやすく、つらくなりやすい傾向があります。
脂っこさや刺激は、吐き気を悪化させやすい要因になるため「あっさり」「だし系」「素朴」といったキーワードを目安にすると選びやすくなります。
つわり中は味覚が変化しやすいため、なるべく後味が残らない素朴な味のものを選ぶのがおすすめです。
またつわり中は、突然好みの味が変わることもあるので、味変できるシンプルなものを選ぶと、食べるタイミングが増えます。
「せっかく用意したのに食べられなかった」と感じると、体調だけでなく気持ちまで落ち込んでしまうこともあります。
最初から少量で済むものを選んでおくことで、食べきれなかったときの心理的な負担も減らせます。
そのため、一口ずつ食べられる、小分けできるなど、全部食べなくてもいいものを選ぶことで、食品ロスだけでなく罪悪感も減らすことができます。
つわり中の食事は、「完食」を目標にしなくて大丈夫です。
「冷凍食品=栄養がない」と思われがちですが、つわり中の食事では、そもそも栄養を完璧に整えようとしなくて大丈夫です。
冷凍野菜などは、収穫後すぐ加工・冷凍されるため、生野菜よりも栄養価が保たれている場合もあります。
つわり中は栄養バランスよりも、食べやすさやにおいなど、自分が食べられると感じるものを優先しましょう。
冷凍食品は、食べやすい形状に加工されているものも多く、調理の手間やにおいの負担を減らせる点もメリットです。
もし自炊が難しいほど体調がつらい場合は、外食も手です。下記の記事では妊婦さんの身体にもやさしいチェーン店をピックアップしているので、ぜひお読みください。

つわり中の妊婦さんでも食べやすい冷凍食品もあります。ここでは調理のプロの視点から、おすすめの冷凍ジャンルを紹介します。
うどんやそばは、温・冷どちらにも対応でき、のどごしがよく食べやすいです。味付けもだしのあっさりとしたシンプルな味わいなため、比較的刺激が少なく、体調が不安定な時期にも助かります。
麺が食べられなくても、汁だけでも空腹を和らげられるのも安心ポイントです。
ごはんはにおいが立ちにくく、少量でエネルギー補給ができ、腹持ちもよいため、つわり中でも比較的取り入れやすい主食です。量を自分で調整しやすく、「一口だけ食べたい」というときにも向いています。
余った場合は冷凍で小分けにしてストックしておくと、食べたいタイミングですぐに用意できます。
ただ、長期間保管しておくと冷凍庫のにおいが移りやすいため、ジップロックなどでしっかり密閉しましょう。
先ほども紹介しましたが、冷凍野菜は栄養価が高いことも多く、数種類ストックしておくと安心です。
冷凍ほうれん草やかぼちゃ、野菜ミックスなど、クセが少なく他の料理と組み合わせやすいものを選ぶと無理なく取り入れやすくなります。
ごはんや野菜が食べられない場合に備えて、冷凍フルーツや氷菓タイプのデザートも用意しておくのもおすすめです。
食事は食べられなくても「果物なら食べられた」という何かを食べた経験があるだけで、気持ちが少し楽になります。

つわりの症状や感じ方には個人差がありますが、冷凍食品の中には体調によって、つらさを感じやすい傾向がある場合があります。
にんにくやスパイス、魚介のにおいが強いものは、においが部屋や食器に残りやすい傾向があります。また、揚げ物やこってり系の冷凍食品は、体調によっては胃もたれやムカつきを感じやすいです。
また、冷凍食品の中には、食べる前にしっかり温め直す必要があるものもあります。電子レンジ加熱中のにおいや、加熱後の湯気がつらさを強めてしまうことがあるため、体調が不安定な時は負担に感じる場合もあります。
つわり中はにおいに敏感になりやすいため、調理後に気分が悪くなってしまうこともあるかもしれません。
普段は問題なく食べられるものでも、つわり中は少量でも重く感じることがあるため、様子を見ながら選ぶのがおすすめです。

つわりの時期は、体調のつらさに加えて「ちゃんとできていないのでは」という不安が重なりやすい時期でもあります。
だからこそ、食事を頑張るのではなく、母子が健康でいられるように乗り切るための手段として、冷凍食品に頼ることが大切です。
つわりの時期は、体調が不安定なうえに、気持ちも揺れやすくなります。
「できていないこと」ではなく、「今日できたこと」に目を向ける意識も、心を守るためには大切です。
「ちゃんと作れない」
「冷凍ばかりでいいのかな」
といった気持ちが湧くかもしれませんが、つわり中は体を守ることが最優先です。冷凍食品を選ぶことは、怠けでも手抜きでもありません。体の負担を減らすための立派な選択です。
その日の体調に合わせて選択することは、自分の体だけでなく、おなかの子どものためでもあります。不安や罪悪感が出やすい時期だからこそ、少しでも心が楽になる選択を重ねていけると安心です。
この時期は家族やパートナーにも理解を得て、誰かが我慢しないように、支えあっていきます。
A. 冷凍食品が連日続いても大丈夫です。大切なのは食べられないより、食べられることです。体調が落ち着いたら、少しずつ日常生活に戻せば問題ありません。
A. 気になる場合は、原材料表示を見て選びましょう。あまり神経質になると負担になるため、無理に避ける必要はありません。
A. 無理に食べなくても大丈夫です。水分が取れていれば十分ですが、気になる場合は野菜ジュース等で手軽に栄養を摂るといいでしょう。
A. パートナーに献立を選んでもらうのではなく、好みの冷凍食品を数種類ストックしておくのがおすすめです。辛い時期は、しっかり頼ってゆっくり休んでコンディションを整えておきましょう。

つわり中の食事に「正解」はありません。症状には個人差があるため、自分が一番ラクだと思える選択をしましょう。
冷凍食品は、怠けや手抜きではなく、身体の声を聞いた結果としての立派な選択です。この時期はパートナーにも協力を求めて、無理しないようにしてください。
「今日はこれでいい」
そう思えた日が、あなたと赤ちゃんを守ってくれます。
何もしなくていい選択肢があるだけでも、気持ちがぐっと楽になります。冷凍食品は献立を考える、買い物をする、調理する、といった大きなメリットがあり、食事全体の負担を減らしてくれます。
パティシエの経験からホテルや専門店でのサービス、保育園の調理員、そして子ども食堂の立ち上げなど、15年以上にわたり食の現場を経験。調理師免許・薬膳コーディネーター・HRS(ホテルレストランサービス技能検定)3級を保有。
