手作り味噌で暮らしを豊かに。初心者でも失敗しない作り方と失敗しないコツを解説
フード・食生活
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忙しい毎日のなかで、少しだけ手間をかける余白を持つ。そのような時間の楽しみ方ができるのが「味噌作り」です。
日々の食事に欠かせない日本の伝統調味料である味噌。スーパーで気軽に購入できますが、実は自宅で手軽につくることができます。大豆と麹、塩を混ぜて仕込み、あとは自然の発酵にまかせるだけ。特別な道具や技術はいりません。
さらに、手作り味噌を食べることはサステナブルな効果もあります。地元でとれた素材を使えば地産地消に、食べきれる分だけ仕込むことでフードロス削減にもつながります。受け継がれてきた日本の食文化を日々の食卓に取り入れることで、気軽に社会貢献が可能に。
この記事では実際に手作り味噌に夢中になっている筆者が、手作り味噌を通して楽しむ、サステナブルで豊かな暮らしの豆知識をご紹介します。
実は簡単!手作り味噌の始め方

味噌作りは手間がかかって難しそうなイメージを持つ人も多いでしょう。しかし、材料は大豆・麹・塩の3つだけ。ゆでた大豆をつぶして混ぜ、容器に詰めたらあとは寝かせて発酵を待つだけで、ぬか床のように毎日混ぜる必要もありません。思っている以上に手軽に作れます。
また忙しい日々のなかでは時短やタイパを重視しがちですが、少しの手間をかけることで得られる豊かさもあります。時間を効率化する代わりに、ゆっくりと完成を待つ楽しみが味噌作りにはあり、過程そのものが暮らしを見つめ直すきっかけになります。
実は、筆者は10年ほど味噌を手作りしています。始めたきっかけは「市販のものより美味しいのだろうか」という好奇心でした。実際に作ってみると美味しくできるときもあれば、失敗することもあり、より美味しくつくるための試行錯誤が今も続ける理由になっています。
現代人の脳は常に時間やタスクに追われていますが、豆がゆで上がるのを待つ時間や大豆をつぶす単純作業の時間は、漂ってくる匂いとともに、意外にもリラックスできるひとときでもあります。
味噌作りで実践できる3つのサステナビリティ

さらに手作り味噌はちょっとした工夫や意識で暮らしにやさしい選択につながります。
地産地消
国内産、できれば住んでいる地域で生産された大豆や米麹、塩を使うことで、地域の農家や生産者の支援が可能です。輸送距離が短くなるためCO₂排出量が減り、環境負荷を抑えた食生活につながります。また身近な素材を使うことで地元ならではの味わいを楽しめます。
フードロスの削減
つくる量を自分で調整できるため、使い切れる分だけ仕込めば無理なくフードロスを削減できます。捨ててしまいがちな大豆のゆで汁は、スープの出汁などに利用可能です。大豆が余った場合はゆで汁と一緒に冷凍庫で保存し、別の料理の食材にするとよいでしょう。
伝統文化に親しむ
味噌作りは何世代にもわたって受け継がれてきた日本の発酵文化です。購入するばかりで作り方を知らなければ、昔ながらの知恵や発酵の技術は次の世代へ伝わりにくくなります。手づくりすることで、味だけでなく文化や暮らしの知恵も一緒に未来へつなげることができるのです。
冬に仕込むのがコツ!味噌作りの時期と熟成期間

味噌は仕込んでしまえばその後はほとんど寝かせて発酵を待つだけなので、最初の仕込み以外はそれほど大変ではありません。仕込みも材料や工程が少なく取り組みやすいです。初心者であれば味噌作りキットで始めたり、ワークショップに参加したりしてみると無理なく始められます。
味噌は一年中仕込むことはできますが、春から夏にかけては気温や湿度が高く雑菌が繁殖しにくいため、冬の寒い時期に仕込む寒仕込みがおすすめです。実際に冬に仕込むようになってから失敗することが減りました。現在では1、2月に仕込むことが多いです。
熟成期間の目安は6~8カ月といわれています。仕込みから半年ほどたったら、一度味を確かめてみましょう。塩味をまろやかにしたいのであればさらに数カ月寝かせて待ちます。味噌の種類や塩分濃度、保存環境によって発酵の進み具合は変わるので、好みに合わせて調整してください。
材料は3つ!手作り味噌のレシピ

700~750gの味噌の分量を記載しました。プラスチックの容器で売られている味噌の容量は、750gから1kgが一般的です。こちらを目安にしながら、つくる量を調整してください。
材料
- 乾燥大豆 250g
- 乾燥米麹 200g
- 塩 110g
- 焼酎 少々
作り方
- 大豆を3倍の量の水に一晩浸しておく
- 麹をほぐし、塩とまぜる。塩や麹の固まりをほぐしならまぜる
- 大豆を柔らかく煮る。1.の水を切り、鍋に大豆と、大豆が十分にかぶる程度の水を加えて強火で火をかける。沸騰したら火を弱めて、指でつぶせるくらいに柔らかくなるまで煮る。アクが出てきたら取りのぞく。ゆで汁は少し残しておく
- 大豆をマッシャーなどでつぶす。つぶし残しがあると、保存する際に空気が入りやすいのでなるべく小さくつぶす。ビニール袋にいれて手でつぶしてもOK
- 2.をつぶした大豆に加えてよくまぜる。ボソボソするようならゆで汁を少しずつ加える
- 大豆があたたかいうちに、空気を抜くイメージで団子状に丸め、容器に投げるように入れて空気を抜く。いくつか団子を入れたらグーの手で押しつぶすように平らにしていく
- すべて入れたら表面を平らにして、焼酎を表面に塗り広げる。スプレーしてもよい
- 表面にラップしてフタをし、冷暗所で保管する
- 3か月たったら、容器から大きめのボウルにすべてうつしてよく混ぜる。そして6~8を繰り返す(天地返し)
我が家の味噌は塩味のきいた辛めの味噌です。塩分が多い分、雑菌の増殖が抑えられます。慣れてきて甘さやまろやかさを足したい場合は、麹を増やしたり塩を減らしたりするとよいでしょう。
体験談|味噌作りで失敗しやすいカビの原因と対策

味噌作りの失敗には、発酵が進まない、酸味が出てしまうなどがありますが、なかでも一番多いのがカビの発生です。
筆者自身の経験でも、味噌作りを始めた数年はカビが生えてしまうことが多く、なかなか思うようにいきませんでした。容器の奥よりは、空気に触れやすい表面部分に発生していたのです。
カビにはいくつか種類があり、それぞれに影響にも違いがあります。
- 白カビ:人体や味への影響はほとんどなく、取りのぞけばそのまま使えることが多い
- 黒カビや青カビ:毒素を発生する場合があり、味噌全体に異臭がする場合はすべて廃棄する必要がある
筆者は青カビが発生したことがありましたが、原因は空気が混入したこと、表面に塗るお酒のアルコールの濃度が低かったこと。。
そこで材料をアルコール度数の高い焼酎に変更し、味噌の表面を平らにして空気を抜くように丁寧にラップをしました。また、春先に仕込んでいたのを、雑菌が発生しにくい冬に変更。これを実践してからは青カビ、黒カビが発生しにくくなりました。そのほかにも、容器の端に塩を盛るのも良いようです。
まとめ
味噌作りは決して難しいものではなく、工夫次第で失敗を防ぎながら美味しく仕上げることができます。市販品ですぐに購入できますが、あえて自分でつくるからこそ、好みの味に調整でき、環境にも身体にもやさしい選択ができます。
忙しい日々のなかに、少しの手づくり時間を取り入れてみてはいかがでしょうか。
手作り味噌に関するよくあるご質問(FAQ)
Q1. 手作り味噌を作るのに必要な材料は何ですか?
A. 基本の材料は、「大豆」「麹(こうじ)」「塩」の3つだけです。そのほかに、容器の消毒用として少量の焼酎(アルコール度数の高いもの)を用意します。特別な道具や高度な技術は必要なく、ご自宅で手軽に仕込むことができます。
Q2. 味噌作りは初心者でも簡単にできますか?
A. はい、意外なほど簡単に作れます。主な工程は「大豆を煮てつぶす」「材料を混ぜて容器に詰める」の2ステップです。ぬか床のように毎日かき混ぜる必要もなく、一度仕込んだらあとは直射日光の当たらない場所で発酵を待つだけなので、忙しい方でも無理なく続けられます。
Q3. 味噌作りに最適な時期はいつですか?
A. 一年中仕込むことは可能ですが、おすすめは1月〜2月の「寒仕込み」です。冬の寒い時期は空気中の雑菌が少なく、ゆっくりと発酵が進むため、失敗のリスクを抑えて美味しく仕上げることができます。
Q4. 食べられるようになるまで、どのくらいの期間が必要ですか?
A. 熟成期間の目安は6カ月〜8カ月です。仕込みから半年ほど経ったら一度味を確認し、さらにまろやかな味わいにしたい場合は、お好みの味になるまで数カ月寝かせて調整してください。
Q5. 手作り味噌が「サステナブル」と言われるのはなぜですか?
A. 主に以下の3つの理由があります。
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地産地消: 地元の材料を使うことで輸送によるCO₂排出を抑え、地域の生産者を支援できます。
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フードロス削減: 必要な分だけ仕込めるほか、大豆のゆで汁を料理に活用するなど、ゴミを出さない工夫ができます。
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伝統文化の継承: 日本古来の発酵技術を次世代へつなぐこと自体が、豊かな社会づくりへの貢献となります。
Q6. もし味噌の表面にカビが生えてしまったら、どうすればいいですか?
A. 表面にできた「白カビ」は、人体に影響がないことが多いため、その部分を取り除けば残りの味噌は食べられます。ただし、異臭がする場合や、黒・青色のカビが全体に広がっている場合は廃棄してください。カビを防ぐには、仕込み時に空気をしっかり抜き、表面に度数の高い焼酎を塗る、または塩を振るなどの対策が有効です。






