今見るべきジェンダー映画5選!日本・海外問わず多様な視点を身に着けよう

SOCIETY

多様性が尊重される社会へと変化する中、ジェンダーについての理解を深めることは非常に重要です。映画は私たちに新しい視点を提供し、社会の課題を考えるきっかけを与えてくれます。

本記事では、ジェンダーについて学んで考えるための映画5作品を紹介します。これらの作品を通じて、多様性という観点に対して新たな発見があるはずです。国内・海外を問わずおすすめポイントとともに解説します。

そもそもジェンダーとは

ジェンダーとは、社会的・文化的に形成された性別のことを指します。生物学的な性別とは異なり、ジェンダーは社会の中で学習され、形成されていくものです。ちなみに、ジェンダーはセクシュアリティ(性的指向)とは別の概念です。セクシュアリティは誰に性的魅力を感じるかを表すのに対し、ジェンダーは自分自身をどのような性別として認識するかを示します。

現代社会では、男性・女性の二元論にとどまらない多様なジェンダーのあり方が提示されています。例えばノンバイナリーやジェンダークィアなど、従来の性別の枠に当てはまらないアイデンティティを持つ人々もいます。

映画を通してジェンダーについて考えることは、私たちの固定観念や偏見に気づき、多様な生き方や価値観を理解する上で非常に有効です。映画は、現実社会では経験できないような状況や人物の内面を描くことで、私たちに新たな視点を提供してくれるのです。

【厳選】ジェンダーに関するおすすめの映画5選

本章では、ジェンダーに関するおすすめの映画を5つ紹介します。それぞれ予告編とともに紹介するので、気になる映画があったらぜひチェックしてみてください。

彼らが本気で編むときは

彼らが本気で編むときは(監督:荻上直子)は、リンコ(生田斗真)という自身のジェンダーアイデンティティに悩みながらも、トランス女性として生きる道を選んだ人物が主人公の物語です。

趣味の編み物サークルで出会った定年退職したサラリーマン・恭二(門脇麦)との交流を通じて、お互いが自分らしさを見出していく姿が描かれます。

日本社会におけるLGBTQ+の人々の日常が、偏見や困難とともに、温かな人間関係や希望も含めてリアルに描かれています。特に、トランス女性が直面する就職の困難や家族との葛藤など、当事者の経験が丁寧に描写されているのが特徴です。

ミッドナイトスワン

ミッドナイトスワン(監督:内田英治)は、長年トランス女性として生きてきた凪沙(草彅剛)が、虐待を受けていた少女・一果(服部樹咲)と出会い、バレエを通じて互いに成長していく物語です。凪沙自身のトランジション経験や、社会での立ち位置、一果との絆形成が細やかに描かれます。

有名俳優である草彅剛さんの繊細な演技を通じて、トランス女性の内面的な葛藤や喜びが表現されています。また、バレエという芸術を通じての自己表現や、非血縁家族の形成過程が美しく描かれているのが特徴です。

チョコレートドーナツ

チョコレートドーナツ(原題:Any Day Now、監督:トラヴィス・ファイン)は、1970年代のアメリカを舞台に、ゲイカップルのルディ(アラン・カミング)とポール(ギャレット・ディラハント)が、ダウン症を持つ少年マルコ(アイザック・レイヴァ)を引き取り、家族として生きようとする姿を描いています。

当時の同性カップルが直面した法的・社会的な障壁が赤裸々に描かれるのが特徴です。LGBTQの人々が直面する偏見や差別、特に子育てや家族形成に関する困難が、リアルに描かれています。同時に、愛情と絆で結ばれた家族の姿が、心を打つ形で表現されているシーンを、ぜひ堪能してみてはいかがでしょうか。

君の名前で僕を呼んで

君の名前で僕を呼んで(監督:ルカ・グァダニーノ) は、1983年の夏、イタリアの田舎町で17歳のエリオ(ティモシー・シャラメ)と24歳の大学院生オリバー(アーミー・ハマー)の間に芽生える恋を描いた作品です。

同性愛者として自己を認識していく過程や、周囲の反応への不安、純粋な恋心が繊細に描かれます。 主人公たちの繊細な感情の機微が美しい映像と音楽、そして俳優たちの卓越した演技によって表現されています。同性愛者としての自己受容や、社会規範との葛藤が、青春期特有の繊細さと共に描かれています。 

プリシラ

プリシラ(原題:The Adventures of Priscilla, Queen of the Desert、監督:ステファン・エリオット)は、ドラァグクイーンであるティック(ヒューゴ・ウィーヴィング)とアダム(ガイ・ピアース)、トランス女性のベルナデット(テレンス・スタンプ)が、オーストラリアの砂漠を横断しながら、自分たちの生き方を見つめ直す姿を描いたロードムービーです。

ドラァグカルチャーの華やかさと、LGBTQの人々が直面する偏見や暴力が対比的に描かれています。主人公たちの友情や連帯、そして自己受容の過程が、ユーモアを交えつつ感動的に描かれているのが特徴です。

 

ジェンダーをテーマにした映画の選び方

ジェンダー映画を選ぶ際は、自分の興味や関心に合わせて選ぶことをおすすめします。例えば以下が挙げられます。

  1. LGBTQ+をテーマにした作品:セクシュアルマイノリティの生活や経験に焦点を当てた映画
  2. トランスジェンダーをテーマにした作品:性別越境者の生き方や苦悩を描いた映画
  3. フェミニズムをテーマにした作品:女性の権利や社会的地位について考えさせる映画

自分が知りたいテーマや、共感できそうな物語を中心に選ぶことで、より深い学びや気づきを得ることができるでしょう。

ジェンダー映画を見た後に実践してみてほしい3つのこと

最後に、ジェンダー映画を見た後に行いたい3つのことを紹介します。映画をただ鑑賞するだけではなく誰かと一緒にコミュニケーションを取ることによって、さらに映画への理解を深めてみてください。

感想を友人・知人と交換してみる

映画の感想を共有することで、新たな視点や気づきを得ることができます。また、ジェンダーについての対話を始めるきっかけにもなります。

ジェンダーについてさらに深く知るために情報収集する

映画をきっかけに興味を持った点について、書籍やインターネットで更に詳しく調べてみましょう。知識を深めることで、より豊かな視点を持つことができます。

イベントやコミュニティに参加してみる

ジェンダーやLGBTQ+に関するイベントやコミュニティに参加することで、実際の経験や声に触れることができます。オンラインイベントも多く開催されているので、気軽に参加してみましょう。

まとめ

ジェンダー映画は、私たちに新しい視点や気づきを与えてくれる素晴らしいツールです。本記事で紹介した5作品を入口に、ぜひ多様なジェンダー表現や生き方について考えてみてください。

映画を通じて得た学びを、日常生活や社会の中で活かしていくことで、より包摂的で豊かな社会の実現に貢献できるはずです。一人ひとりの小さな気づきや行動が、大きな変化につながっていくのです。

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