シリコンは人と環境に優しい?プラスチックとの違いや課題を解説

シリコンは人と環境に優しい?プラスチックとの違いや課題を解説
環境問題

地球温暖化や海洋汚染などの環境問題の対策として、使い捨てプラスチックの削減が期待されているのは多くの方がご存知だと思います。

さまざまな素材がプラスチックの代替品として活用されていますが、その一つにシリコン(シリコーン)があります。

みなさんのなかにもシリコン素材のアイテムを使われている方はいると思いますが、シリコンとは実際はどのようなものなのでしょうか。環境や体への影響も気になりますよね。そこで、この記事ではシリコンについて、プラスチックとの違いも合わせてゼロから解説します。

シリコンとは?シリコンとプラスチックの違い

用具

シリコンは様々な形で私たちの生活を支えています。例えば、テレビのリモコンのボタン、シャンプーなどのヘアケア剤、赤ちゃんの哺乳瓶の乳首などです。

さらに、耐熱性、耐冷性、撥水性に優れているという特徴を活かし、炊飯器やお弁当箱などのパッキン、まな板、鍋蓋、ヘラといったキッチン周りのアイテムにもよく使用されています。

このように私たちの生活になくてはならない存在のシリコンをプラスチックの仲間だと思っている人もいるかもしれませんが、実は違います。

シリコンは酸素(O)や水素(H)などと同じ元素のひとつ、ケイ素(Si)をもとに作られています。
シリコン(silicon)はケイ素の別名で、石や岩の中など、自然界にあるケイ素を加工し、人工的につくられたものを指します。厳密には、元素をシリコン、人工的化合物をシリコーン(silicone)といいます。

そのため、私たちが使っているのはシリコーンということになります。この記事の中では、多くの方に馴染みのある「シリコン」の表記で記載しています。一方、プラスチックは主に石油からできています。ポリエチレンや塩化ビニルなどはプラスチックの一種です。

このように、シリコンとプラスチックは原料が異なります。

人と環境に優しい?シリコンのメリットとデメリット

鉱石の画像

では、プラスチックの代替品としてシリコンは人や環境に優しい素材なのでしょうか。
シリコン素材のメリット・デメリットを見ていきましょう。

シリコンのメリット

耐久性がある

シリコンは耐久性にも優れているため、ひとつひとつの道具が長持ちします。そのため、買い替える機会が減り、ゴミの排出量を減らすことができます。

耐熱性、耐寒性がある

シリコンは200度以上の温度に耐えられる素材です。例えば、食品用ラップはプラスチックの一種であるポリ塩化ビニル製で130度、ファスナー付きのプラスチック・バッグはポリプロピレン製で140度のため、シリコンの耐熱性が高いことが分かります。

電子レンジだけでなくオーブンでの調理に利用できるのも嬉しいポイントです。また耐寒性にも優れ、製品にもよっては-70度の温度にも耐えられます。

人体への毒性がなく安全性が高い

プラスチックの安全性に関する研究の一部では、原料に使用される添加剤の毒性・有害性が報告されているため、使用して大丈夫なのか心配している人も多いでしょう。

一方、シリコンは現在まで人体に危険な毒性は知られていません。誤って食べてしまっても体内に吸収されずアレルギー反応も少ないと考えられており、医療の現場でも多く使用されています。

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二酸化炭素排出量を削減できる

シリコンは炭素をほとんど含んでいないため、燃焼時の二酸化炭素排出量が少ない素材です。製造時には二酸化炭素が排出されてしまいますが、プラスチックと比較すると温室効果ガスの排出量が少なく、環境への負荷が低いといえるでしょう。

シリコンのデメリット

丈夫で人に優しい素材であるシリコンですが、デメリットや注意点もあります。

匂いがつきやすい

シリコン製の調理器具や容器などは、ガラスや陶器などに比べて匂いがつきやすいのが難点です。
また、食材からの匂い移りだけでなく、シリコンを固めるため使われる硬化剤の匂いが気になる場合もあるようです。

お湯に酢重曹を加えたものや、洗剤でつけ置きすることで匂いの軽減が期待できます。

化学物質が漏出する可能性は0ではない

メリットで安全性の高さを解説しましたが、加熱などによる化学反応で化学物質が漏れだす可能性は0ではないと考えられています。

近年の研究によると、シリコン製器具で調理した食品にシリコンの原料が移行したという報告もあるようです。今後、安全性についての研究が進むことが期待されています。

生分解性がない

生分解性とは、微生物によって無機物に分解され最終的に自然界に循環されることです。生分解性が高いほど環境に優しい素材で、天然素材の綿や麻などは生分解性が高く、プラスチックは生分解性が低いと言われています。シリコンは生分解性がないため、適切なごみ処理が必要です。

まとめ

プラスチックスプーンの画像

シリコンとプラスチックの違いについて、またシリコンのメリット、デメリットについてご紹介しました。

プラスチックの使用を0にするというのはなかなか難しいことです。しかし、シリコンを含め様々な素材の特徴を知りながら、自分のライフスタイルに合った代替アイテムを見つけていくアクションが、持続可能な未来を創り出すために必要になります。

この記事が皆さんにとって無理のない、自分にも環境にも心地よい選択の手助けになれば幸いです。プラスチックフリーな生活や、またプラスチック問題について身近でどのようなことが起きているのかを詳しく知りたい方は、下記の記事も併せてご覧ください。

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