贈り物に樹を植えよう! 森づくりと地域振興を目指す「Present Tree」

贈り物に樹を植えよう! 森づくりと地域振興を目指す「Present Tree」

この取り組みを行っている企業・団体

認定NPO法人 環境リレーションズ研究所

認定NPO法人 環境リレーションズ研究所は2003年設立、東京都の認定を受けた認定NPO法人(※)です。
目指すのは、100年後の「活力ある日本、美しい日本」。日本の国土の7割を占める森林は、担い手不足により荒れてしまっています。
より多くの人たちに森の現状を伝え、興味を持ってもらうために、2005年に「Present Tree」プロジェクトを立ち上げました。

Present Tree(プレゼントツリー)とは

プレゼントツリーがなぜ自然に興味を持たせ続けるきっかけとなるのかを描いた図

Present Treeは、「大切な人へ、そして大切な地球へ。」をコンセプトに環境リレーションズ研究所が2005年に開始した取り組みで、森林再生と地域振興の同時実現を目指すプロジェクトです。
少子高齢化の進む全国各地の開発跡地や皆伐放棄地、被災林などに樹を植えて、首都圏の人たちがその樹の里親となり、自身の大切な記念樹を10年間、地元の人たちと交流しながらともに育てていくことで、森だけでなく地域も元気にしていきます。

どこに樹を植えるのか

日本には、全国に拡がる皆伐放棄地(※)や、台風や土砂災害などによる被災林、ゴルフ場や牧場が破綻した跡地など、森づくりが必要とされる土地が多くあります。環境リレーションズ研究所では、日本全国にある森づくりを必要とする土地でプレゼントツリーの取り組みを行っています。

※皆伐放棄地とは、皆伐した後にそのまま放置している土地のことで、皆伐とは、一定の範囲の木をすべて伐採してしまうことを言います。皆伐した後は、ササ類やシダ類などの植物が極めて密に生育し、それ以外の植物の発生を阻害することが知られています。また、シカなどによる食害も急増しており、自然の力で森に戻るまでには、100年以上かかると言われています。

植樹をすることで、禿地だった山に10年後には豊かな森が育ちます。10年の協定期間が満了した森は、所有者に返還されます。

植樹前後の森林を描いた写真で森林がよみがえった様子を描いている

支援は個人、そして企業にも広がる

Present Treeの呼びかけは「贈り物に樹を植えよう!」。自分や大切な人のために樹を植えて、地元とともに10年間森を育てていきます。
誕生日や記念日、結婚祝いや出産祝いなど、人生の中での大きなイベントに合わせて贈る方が多いそうです。樹の里親の期間は10年間なので、還暦(60歳)、古希(70歳)、傘寿(80歳)などのお祝い毎に両親に贈る方もいらっしゃいます。

植栽場所は日本全国から選べます(2024年1月現在では北海道~九州まで全7か所)。出身地や思い出の土地など、ご自身とゆかりのある場所を選ぶ方もいれば、被災地への支援や、まだ見ぬ土地に想いを馳せるという方もいらっしゃいます。

プレゼントには、環境リレーションズ研究所が発行する植樹証明書と一緒に、メッセージカードを添えることができます。

樹のプレゼントは、環境に関心の高い方への贈り物にはもちろん、環境に興味はあるけれどなかなか具体的な活動ができないといった方にも喜ばれます。
また、樹の里親になることで、その樹の植えられた土地に関心を持つきっかけになることも好評の理由の一つです。

植樹証明書・メッセージカード・植樹地カードの例を示したもの

活動内容が可視化できるPresent Treeは、個人だけでなく、企業の共感を得てCSR活動の一環にも使われています。
例えばユーザーのアクション件数に応じて植樹をしたり、キャンペーンの売上の一部を植樹に充てたり、顧客に樹をプレゼントしたり。プレゼントツリーで植えた樹のCO2吸収量の算定などもしています。

Present Treeを支援する企業の業種は、多岐にわたります。
製造業や運輸業など、資源を大量に消費する企業だけでなく、小売業・金融業・通信業・サービス業など様々な企業がCSR活動やプロモーション活動として取り組んでいます。Present Treeのコンセプトに共感した役員や担当者が会社を動かし、Present Treeとコラボした新たなプロジェクトを生み出すことで本業の付加価値を高めている事例もあります。

具体的な企業の活用事例はこちらからご確認ください。

Present Treeで達成できるSDGs

SDGsに関しては、17のゴールのうち下記6つに当てはまります。

  • 6.水源を守る森づくり
  • 11.地域を元気にする森づくり
  • 12.持続可能な森づくり
  • 13.気候変動に対応した森づくり
  • 14.海を育む森づくり
  • 15.生物豊かな森づくり

地域と協力する森の管理体制

受け取り主が樹の里親でいる10年間、環境リレーションズ研究所が森の管理体制を担保する必要があります。

そのためPresent Treeでは、植樹する土地の所有者や植樹した木々を管理する地元の森林組合をはじめとする林業家の皆さん、行政、そして環境リレーションズ研究所の4者間で森林設備協定を結ぶことで、持続的な森林管理体制を整えています。

森林の土地所有者・森林の管理組合・行政の3者によって維持がなされていることを図で示したもの

Present Treeは、上図のような管理のもとで行われます。

植樹を行うと植樹証明書が発行され、植えた樹の一本一本には管理番号が振られます。
個人にとっては、その管理番号が振られた樹を自分の「里樹」として、愛着を抱くことができます。
企業にとっては、ステークホルダーに何処に何本植樹されたかを明確に示すことができ、寄付金の使途が可視化できるという効果もあります。

植えるだけではなく、その後森に育つまでしっかりと管理していくのもPresentTreeの特徴です。苗木が育ち、森として自走できるまでには約7年がかかると言われます。それまでの間、雑草が苗木の生育を邪魔しないように「下草刈り」をしたり、鹿やイノシシなどに食べられないよう「獣害対策」を施したり、ある程度樹が育ってきたら間伐や枝打ちといった作業も必要になります。地元の林業家と連携することで、こうしたきめ細かな森づくりが可能になります。

また、植樹には防災の面もあります。東日本大震災で津波被害があった福島県広野町の防災緑地への植樹・育樹を進めています。また、台風・豪雨の被害があった熊本県球磨村では、以前からPresent Treeの植樹を進めており、植樹を行ったエリアは土砂崩れなどが起こらず、現在では立派な森林へと育っています。

地元との交流で、人のつながりを育む

プレゼントツリー活動の集合写真

Present Treeの活動は森づくりだけでは終わりません。植樹することで生まれるつながりから、樹の里親になった方と植樹した地元を結びつける活動を行っています。
通常であれば植樹は地元の林業家が行いますが、Present Treeでは植樹体験ができるイベントを企画しています。
イベントでは植樹体験はもちろん、地元の人と交流し、地元の食材を使ったおいしい料理を食べる、地場産業や特産品に触れる、ワークショップに参加するといった体験を通じて、地域の歴史や地理・文化について知ることができます。
1泊2日の植樹ツアーでは、地元の宿に泊まり、温泉を楽しむなんてこともあります。

こういった活動によって、参加者はただ植樹するだけでなく、植樹した地域をもっと楽しみ、興味を持つようになり、地域のファンになるのです。
その結果、Present Treeの取り組みが地域の活性化に繋がっていきます。

植栽地の最新情報は以下リンクよりご確認ください。
詳細:現在の植栽地|プレゼントツリー

この取り組みをシェアする

TAGS

この取り組みを行っている企業・団体

認定NPO法人 環境リレーションズ研究所は2003年設立、東京都の認定を受けた認定NPO法人(※)です。
目指すのは、100年後の「活力ある日本、美しい日本」。日本の国土の7割を占める森林は、担い手不足により荒れてしまっています。
より多くの人たちに森の現状を伝え、興味を持ってもらうために、2005年に「Present Tree」プロジェクトを立ち上げました。

No related posts...