選択的夫婦別姓を解説。夫婦別姓を取り入れている海外の事例と日本の現状

選択的夫婦別姓を解説。夫婦別姓を取り入れている海外の事例と日本の現状
SOCIETY

みなさんは「選択的夫婦別姓」制度をご存じですか?

日本では結婚した時に女性が姓を変えるのが当たり前になっていますが、海外では違います。

ジェンダー平等の促進の一環として「女性にも姓を選ぶ権利を」という考え方から年々、姓の選択が自由な国が増えています。

今回は、すでに海外で浸透している「夫婦別姓」について解説していきます。

夫婦別姓の現状。海外では当たり前?

外国の家族

自分の姓を自由に選択できるようになっている国も多い海外。

「夫婦が同性にしなければいけない」という制度自体がない国もあります。

多くの先進国では夫婦別姓が進んでおり、夫婦同姓を義務としている国は、現状日本だけです。

日本は遅れてる?夫婦別姓における海外と日本の違い

夫婦

海外における夫婦別姓について述べてきましたが、日本ではどうでしょうか。

日本に関しては、民法750上で夫婦どちらかの姓に統一するよう(夫婦同姓)に規定がされています。

夫婦別姓に対する意見

国内でアンケート調査をした結果、3割が選択的夫婦別姓に賛成、3割は反対。

夫婦同姓を維持した上で、旧姓の通称使用を許可してほしいという意見は4割ほどいました。

参考サイト:選択的夫婦別姓めぐり 内閣府が世論調査 質問内容を一部変更

海外の場合、国の施策として夫婦別姓を取り入れてるのが大半のため、かなり広範囲に取り入れられています。

しかし、現在の日本の法律では夫婦が異なる姓のままでいたい場合の選択肢としては「事実婚」しかありません。

さまざまな理由で事実婚ではなく、法律婚を望む夫婦もいます。

そのため、姓は変えたくないけれど仕方なく法律婚をしているという夫婦も少なくありません。

選択的夫婦別姓を取り入れた国の事例

外国の夫婦

海外で選択的夫婦別姓を取り入れた国は、どのような制度なのでしょうか。

いくつか例を紹介していきます。

アメリカ合衆国

規定する法律は特にありません。

そのため、規則により婚姻時に同じ姓にしなければいけないといったことはありません。細かい規定は州によって異なりますが、どの州も選択の自由があります。

ヨーロッパ

ヨーロッパも姓の選択に関して自由度は高いです(細かい規定は国によって異なります)

ただしドイツでは、婚姻締結時にどの姓で生活するのか決める必要があります。

またオーストリアでは、特に姓の指定をしない場合は、自動的に夫の姓になります。

アジア

どの国も基本的には自由です。

しかし、インドやイスラエルなどは宗教的観点から、夫の姓を称しますが、姓の変更は自由になっています。

サウジアラビアに関しては、祖父の名前をミドルネームに取り入れることも可能だそうです。

韓国では姓の変更が元々禁止されているため、夫婦は別姓となっています。

タイは日本と同じ状況ですが、2003年頃から、姓の変更に関する裁判が行われ続けています。

国によって制度は違いますが、自由を重んじている国がほとんどです。日本の制度が世界的に珍しいことが分かりますね。

選択的夫婦別姓に対する世論の反応

妊婦と夫婦

世論の反応はさまざまです。

夫婦別姓の制度が”法律”によって定められないと、結局、活用する方は増えないでしょう。

結婚を考えている時は夫婦2人だけの問題ですが、子供のことを考えると家族の在り方についてさらに深く考える必要があります。

家族の姓が同じではないことは、暮らしていく上で不自由を感じることがあるかもしれません。

プラスの意見

そもそも姓を変えない一番のメリットは、変更手続きをせずに今まで通りの生活ができるということでしょう。

銀行の通帳や運転免許証、職場の名義変更など、面倒な手続きが不要になります。

仕事で付き合いのある方への連絡や、名前の知られている研究者の方は、姓が変わると同一人物と認識してもらい辛いという状況に陥ります。

選択的夫婦別姓が取り入れられていれば、上記のようなことは起こりません。

マイナスな意見

ネガティブな声としては、安易な結婚や離婚が増える可能性がある点です。

生まれた子供に夫と妻どちらの姓をつけるのか、話し合いがスムーズにいかない可能性があります。

子供には必ずどちらかの姓をつけなければいけないので、子供や子供の友人・家族は2種類の姓を覚えることになります。

また、家族内で別姓のため、家族間で適用されるサービスを受ける場合、家族だと証明する書類が必要になる場合もあります。

夫婦別姓が日本で認められる日は来る?

喜んでいる花嫁

現在、選択的夫婦別姓制度は国会にて議論の最中です。

自民党を除く主要政党は、選択的夫婦別姓制度の導入には賛成の意向を示しています。

以前は反対していた自民党も、現在は岸田首相を含め、夫婦別姓制度の早期実現を呼びかけています。

しかし、世論としては、夫婦別姓問題を自分事として捉えている人が少ないのが現状です。

夫婦同姓に慣れてしまっている上に、単純に手続きに手間がかかるので、仮に法が改正されたとしても、元の姓に戻す人は少ないだろうと予想されています。

夫婦別姓に強く意を唱えているのは未婚の男性、女性がほとんど。

姓が選択性ではなく、強制的に同一の姓にされている点に疑問を感じている人が多いようです。

近い将来、結婚を控えている方が気持ちよく結婚できるようになるため、法の改正が行われると良いですね。

まとめ

結婚式場

なかなか複雑な問題である夫婦別姓ですが、一番重要なことは家族を思いやる気持ちです。

仮に夫婦別姓が法的に可能になったとしても、お互いの意思を尊重し合った上で、家庭内で姓をどうするか決めることが重要だと筆者は考えます。

結婚はゴールではなく、新たなスタートです。

長い人生で、お互いストレスなく暮らせて、さまざまな選択ができる世の中が来ることを筆者は祈っています。

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