フェアトレード大学とは|認定基準や大学の事例を詳しく紹介

フェアトレード大学とは?認定基準や大学の事例を詳しく紹介
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フェアトレード大学を知っていますか?

フェアトレードタウン運動は「街ぐるみ」の活動ですが、一方でフェアトレード大学「大学ぐるみ」の取り組みです。街や大学など大きな枠組みでの活動は、フェアトレードの認知率を高めるのにとても有効です。

学生たちは企業と提携してフェアトレード商品を開発・販売したり、SNSで発信したり精力的に活動しています。

今回はフェアトレード大学について、実際の大学の活動を交えてご紹介します。

フェアトレード大学とは?

人の前に複数の本が積み重なっている様子

フェアトレード大学とは、大学全体でフェアトレードに取り組んでいることが認定されている大学を指します。

認定は一般社団法人日本フェアトレード・フォーラムが行っています。

目的は大学ぐるみでフェアトレードを普及すること。

実際に認定された大学では、フェアトレードのサークルが普及活動をしたり、フェアトレード商品を開発・販売したりなど、主に学生が主体となってフェアトレードの認知拡大に努めてます。

現在日本では5大学が認定されています。

世界で初めてフェアトレード大学として認定されたのはイギリスのオックスフォード・ブルックス大学です。

フェアトレード大学は、イギリスに12校、アメリカに53校あると言われています。

海外と比較すると日本のフェアトレード大学は少ないのが現状です。

日本のフェアトレード大学の認定基準

右にチェックリスト

一般社団法人日本フェアトレード・フォーラムが定めるフェアトレード大学の認定基準は次の通りです。

      1. フェアトレード普及を目指す学生団体が存在する。
      2. フェアトレードの普及を図るキャンペーンやイベント、並びにフェアトレードに関する研究・教育活動がキャンパス内外で行われている。
      3. 大学当局がフェアトレード産品を調達している。
      4. 複数のフェアトレード産品がキャンパス内で購入可能となっている。
      5. フェアトレードの理念を支持し、その普及をうたったフェアトレード大学憲章を策定し、学生自治会(ないし学友会などそれに準ずる組織)、FT普及学生団体、大学当局の三者が同憲章に賛同している。
        (一般社団法人日本フェアトレード・フォーラムより)

認定されるには学生、教員、大学が協力しあう必要があります。

フェアトレード大学の事例①青山学院大学

レンガ調の建物

青山学院大学は2021年に国内で4番目となるフェアトレード大学に認定されました。

学生が企業と提携しオリジナルのフェアトレード商品を開発・販売したり、SNSなどを通じてフェアトレードについて積極的に発信したりしています。

活動を主体的に行っているのは、総合文化政策学部の演習授業である「フェアトレード・ラボ」と、経営学部のボランティア団体である「経営学部学生リーダーズ」です。

フェアトレード・ラボは企業と提携し、インドのオーガニックコットンを使った学生デザインのエコバッグを作成しました。

フェアトレードの紅茶やはちみつ、石けん、タオルなどと組み合わせて「フェアトレード福袋」を販売。

売り上げの一部をフェアトレードを推進する団体に寄付したそうです。

フェアトレード・ラボのインスタグラムを見てみると、定期的にサークルで開発された食品が食堂などで販売されている様子が投稿されています。

可愛らしいラテや食欲をそそるハンバーガーなど、おしゃれなカフェのメニューのようで見ているだけでも楽しいですよ。

経営学部学生リーダーズはザンビアの有機バナナ畑で通常は捨てられてしまう茎の繊維を活用して作ったバナナペーパーで、付箋やメモ帳を開発し販売。

こちらも売り上げの一部をザンビアに寄付したそうです。

フェアトレード大学の事例②静岡文化芸術大学

テーブルの上に文房具が散乱している様子

静岡文化芸術大学は2018年に国内で初めてフェアトレード大学に認定されました。

様々な活動が学生主体で立ち上げられ、活動を続けているのが特徴です。

例えばフェアトレード学生団体である「りとるあーす」は活動の一環として、学生ラウンジにフェアトレード普及のためのPRブースを大学事務局と共同で設置しています。

またバレンタインデーに合わせてフェアトレードのチョコを学内で販売したり、大学祭でフェアトレードカフェを開いたり、精力的に活動しています。

さらにフェアトレードのチョコレートを開発・販売する「はままつチョコプロジェクト」が行われました。

なんとカカオの生産地であるフィリピンまで買い付けに行き、生産者から直接カカオの買い付けをしたそう。

さらにチョコレートの加工・製造、商品開発は地元・浜松の和菓子メーカーである有限会社春華堂と共同で行いました。

他にも地産の原材料を取り入れるため地元の農園のお手伝いをしたというから徹底しています。

約3年の活動期間を経て、地産地消を取り入れたフェアトレードチョコレート「ピナショコラ」が完成し、実際に販売されました。

他にも教職員の名刺や、卒業証書フォルダにフェアトレードのバナナペーパーが導入され、大学全体がフェアトレードを取り入れようとしているのが伝わってきます。

まとめ

学士帽を投げる大学生たち

フェアトレード大学について紹介してきました。

フェアトレード大学に認定されるには、青山学院大学や静岡文化芸術大学のように学生・教員・大学が一丸となって活動していく必要があります。

フェアトレードの認知率は若いほど高くなるので、これからもフェアトレード大学に関心がある大学生は増えていくでしょう。

ぜひこれからもフェアトレード大学に注目してみてください。

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