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少子高齢化による労働人口の減少を背景に、新卒採用は年々難しくなっています。初任給の引き上げや福利厚生の拡充に取り組んでいるにもかかわらず、最後の一歩で辞退され、頭を悩ませてしまう企業も少なくないでしょう。
2026年現在、学生が企業を選ぶ視点は昔と比べて確実に変わっています。給与や待遇は比較の前提であり、その上で企業が何を大切にし、自分の仕事が社会とどう結びつくのかを見極めている現状があります。
特にサステナビリティ。上場企業であればCSR活動に精力的な会社は多いですが、その一方でサステナビリティに固執するあまり、見せかけの「グリーンウォッシュ」となってしまう可能性も否めません。
そこでこの記事では、学生が企業のどこを見ているのか、そしてどんな瞬間に「この会社は違う」と感じてしまうのかを採用ブランディング観点で解説します。自社でどのように採用活動の企画をすればいいのか悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。

現在就活に励んでいる学生たちは、給与面はもちろんのこと、その企業が社会課題に対してどのような姿勢を示しているかも重要視しています。以下で詳しく見ていきましょう。
ある調査では、就活生の約8割が「企業のSDGsへの取り組みを知ると志望度が上がる」と回答しています。これは、社会課題への姿勢が単なるイメージではなく、企業選びの判断材料になっていることを明確に示しています。
この背景にあるのが、いわゆるZ世代特有と言われている価値観です。デジタルネイティブである彼らは、SNSを通じて環境問題やダイバーシティを身近なテーマとして捉えてきました。そのため企業を見る目は本質的です。
自身の仕事が社会に与える影響(加担度合い)を見極めているといえるでしょう。
ここで人事が注意すべきは、彼らが「企業が掲げる理念」と「実際の事業内容・働き方」の整合性を驚くほど冷静に見ている点です。
SNSや口コミ、インターン生の生の声など、複数の情報源を駆使して実態を調べる彼らに対して、表面的な綺麗事は通用しません。企業のパーパス(存在意義)がどれほど立派でも、現場の事業や働き方に結びついていなければ中身が伴っていないと見切られてしまいます。
いま人事に求められているのは、単にCSRの施策を増やすことではありません。 自社の本業(事業)が社会にどう貢献し、どんな未来を描こうとしているのかを、「誠実かつ具体的に言語化し、発信できる状態を整えること」です。
給与や福利厚生は、今でも母集団形成において重要な要素です。しかし、それだけでは優秀な学生から選ばれ、定着してもらうことは難しくなっています。
学生は「この会社で自分は何を成し遂げられるのか」を知りたがっています。採用活動のあらゆるフェーズ(説明会、面接、スカウトなど)において、自社の在り方(パーパス)と日々の仕事のつながりを人事の言葉で語れるかどうかが、これからの採用競争力を決める鍵となるでしょう。

サステナビリティに関する発信は、企業の信頼や採用力を高める強力な武器になります。しかしその一方で、社会課題に対して真摯に向き合おうとするあまり、理念と実態のわずかなズレから、意図せず「グリーンウォッシュ(実態の伴わない環境・社会配慮)」と受け取られてしまうケースが少なくありません。
環境配慮やサステナビリティの取り組みを求職者へ魅力的に伝えたいと思うのは当然のことです。しかし発信の仕方を一歩間違えると、企業の本気度が裏目に出てしまうことがあります。
たとえば、以下のようなケースです。
これらは決して騙そうとしているわけではありません。しかし、SNSや口コミなど複数の情報源を駆使して企業の実態を調べる学生から見ると「言葉だけが先行している」と映り、信頼が揺らぐ原因になってしまうのです。
サステナビリティを語る上で本当に必要なのは、完璧な成果だけではありません。現在の目標・進捗、「今どんな課題に直面しているか」までを包み隠さず示す、透明性のある情報開示です。

学生たちのサステナビリティ志向は、単なる「イメージ重視」から「実態の精査」へとシフトしています。では、彼らが「この企業は誠実だ」と確信し、入社意欲を高めるためには、具体的にどのような発信を行えばよいのでしょうか。人事・採用担当者が押さえるべき、2つの重要ポイントを解説します。
きらびやかなスローガンよりも、客観的なデータが信頼されます。複数の企業を比較し、サステナビリティレポートなどを読み解く彼らに対しては誠実な開示姿勢そのものがアピールになります。まず大切なのは、目標を具体的な数値で示すことです。たとえば「環境負荷を削減する」ではなく「2030年までにCO₂排出量を〇%削減する」といったロードマップを提示すること。
さらに、単年の実績だけでなく数年の推移を示し、「ここはまだ達成できていない課題です」というプロセスの可視化を行う。このオープンネス(開かれ方)こそが、企業の「本気度」として学生に伝わります。
学生が求めているのは「社会貢献はしているけれど、利益は出ていない」というボランティアではありません。社会価値の創出と、ビジネスとしての事業収益がどのように結びついているか(トレードオン)です。
理念が立派であるからこそ「それがどうやって持続可能なビジネスとして成り立っているのか」を人事の言葉でロジカルに語る必要があります。

どれだけ素晴らしい取り組みを行っていても、届け方を一歩間違えると、その価値は半減してしまいます。学生との間に確かな信頼関係を築くための、具体的な採用広報のアプローチを解説します。
自社サイトでどれだけ熱心に事実を伝えても、自社発信ばかりでは「広告(アピール)」として受け取られやすくなります。 ここで重要なのは、専門性のある第三者媒体やメディアの視点を取り入れることです。「自社がこう言っている」から一歩進み、客観的な文脈で取り上げられることで、サステナビリティへの姿勢に確かな信頼の裏付けが生まれます。
数字や制度を開示するだけでは学生の心は動きません。必要なのは「なぜこの事業で社会課題に挑むのか」という背景、そして現場でのリアルな葛藤や試行錯誤のストーリーです。 完成された成功事例だけでなく課題に向き合う道のりが見えることで、学生は初めて「この環境で働く自分」をリアルにイメージし、強い共感を抱くようになります。
近年、多くの企業でサステナビリティの情報開示が進んでいます。しかし、その奥にある想いや葛藤、そして現場のリアルな温度感までを伝えきれている企業はまだ多くありません。
earth-ismは、企業の取り組みを単なる数字や実績の紹介では終わらせません。コーポレートサイトだけでは見えにくい取り組みの背景、経営層の決断、そして現場の社員が抱く迷いや挑戦のプロセスまでを丁寧に取材し、言語化します。
成果だけを切り取るのではなく、サステナビリティに真摯に向き合うからこそ生じる「試行錯誤の意思」にこそ、企業の本質と魅力が宿ると考えています。
社会課題に実直に向き合い、その歩みを進める企業の皆さまからの掲載・取材のご相談をお待ちしています。

サステナビリティは、もはや付加的な社会貢献活動ではなく、企業の姿勢や将来性を判断する重要な基準です。どれだけ優れた取り組みを行っていても、背景や想いが正しく伝わらなければ、選ばれることはありません。
earth-ismは、企業の理念・事業・人を結び、その本質を社会へ届けるサステナビリティ特化メディアです。数字だけでは語りきれない本質を丁寧に可視化し、価値観で企業を選ぶ人材との出会いを創出します。
パティシエの経験からホテルや専門店でのサービス、保育園の調理員、そして子ども食堂の立ち上げなど、15年以上にわたり食の現場を経験。調理師免許・薬膳コーディネーター・HRS(ホテルレストランサービス技能検定)3級を保有。
