関連記事
毎年10月31日、渋谷の街は仮装した若者たちで溢れかえり、独特かつ熱狂的な雰囲気に包まれます。
しかし、この一大イベントの裏側では深刻なゴミ問題が発生しています。本記事では、渋谷ハロウィンが直面するゴミ問題の実態と、その解決に向けた取り組み、そして一人ひとりができることについて考察します。持続可能な祭典を目指す渋谷という街の現在から、私たちが学べることは何か、見ていきましょう。

渋谷ハロウィンの華やかさの裏側には、深刻なゴミ問題が潜んでいます。過去のハロウィンでは、イベント終了後の渋谷の街が文字通りゴミの海と化す光景が見られました。仮装衣装や小道具、タバコの吸い殻などといったポイ捨てが横行し、お酒やスナックの容器が至る所に散乱していました。
渋谷区によれば、2023年にはハロウィン期間で発生したごみの量は昨年から約1割減の3684キロとのことでした。しかし、11月1日早朝には200人以上のボランティア「渋谷ごみゼロ大作戦2023」が早朝にゴミ拾いプロジェクトに参加しており、かつ31日当日にも200人以上の警備体制を敷くなどといった対策を行っているため、区がかけているコストは大きいといえます。
このゴミ問題は、単なる街の美観の問題にとどまりません。渋谷区やボランティア団体による清掃活動に多大な負担をかけるだけでなく、環境への悪影響も懸念されます。さらに、ゴミの山は衛生面でのリスクを高め、渋谷の街のイメージを著しく損なう結果となっています。

なぜ渋谷ハロウィンでゴミ問題がここまで深刻化するのでしょうか。その主な要因として、参加者一人ひとりの環境意識の低さが挙げられます。イベントの熱狂に我を忘れ、ゴミの適切な処理への意識が薄れてしまうのです。
ゴミ箱の母数が不足していること、そして、仮にゴミ箱があったとしても、分別収集のための明確なシステムが確立されていないことも、この問題を深刻化させています。ゴミを捨てたくても、どこに捨てればいいのか分からない、あるいは分別方法が分からず、結局は放置してしまうような状況が、渋谷の街をゴミで埋め尽くす一因となっているともいえます。
さらには「ゴミを拾うのは誰かの仕事」という意識が根底にあるのかもしれません。自分が出したゴミの責任を、他者や社会に転嫁している可能性があります。また、自分が購入した商品や、自分が手に取った商品に対する所有意識が希薄なのかもしれません。自分の所有物ではないという意識が、ポイ捨てを誘発している可能性も否定できないでしょう。
行政によって毎年改善の対策が刷新されていますが、渋谷ハロウィンにおけるゴミ問題は、参加者も一体となって取り組むべき大きな課題といえるでしょう。

行政が対策を講じるだけでは、問題の根本的な解決には至りません。最も重要なのは、参加者一人ひとりの意識改革を行うことです。
上記のことは簡単なことではありますが、日常的にも、特に渋谷ハロウィンのようなイベントに参加するにおいては出来ていないことが多いでしょう。ボランティアが必要なくなるようにするために、サステナブルな楽しみ方をするようにしましょう。

今年の渋谷ハロウィンは、単なるお祭り騒ぎではなく、持続可能な社会への第一歩となる可能性を秘めています。ゴミ問題を克服し、誰もが心から楽しめるハロウィンを実現するため、私たち一人ひとりができることを考え、行動に移しましょう。
今年のハロウィンは、参加者一人ひとりの意識によって、より有意義で楽しいものにすることができます。環境に配慮しつつ、イベントの楽しみを最大限に味わいましょう。
早稲田大学文学部社会学コース卒業。「環境」と「教育」を軸に暮らしと社会の接点を紡ぐフリーランスライター/ディレクター。メディア記事の執筆だけでなく、企画設計や構成、インタビュー、編集ディレクションまで一貫して手がける。ジェンダーやケア、感情のグラデーションといったテーマにも関心が深く、「誰かの違和感をことばにする」ことを大切にしている。
