エコな洋服の素材とは|地球にやさしい洋服の素材をわかりやすくご紹介
エコな洋服の素材をご存知ですか?
アパレル業界は地球に負担をかけている業界と言われています。日本では衣料廃棄物が年間50万トンを超え、多くが焼却または埋立処分されています。持続可能とは言い難い状態です。
エコな素材に注目が集まっています。素材によっては、埋め立てられても土に分解されたり、生産の過程で排出する二酸化炭素の量が少なかったりします。
今回はアパレル業界が地球にかけている負担と、その解決の鍵となるエコな素材についてご紹介します。
アパレル業界は地球に負荷をかけている
アパレル業界は環境に負荷をかけている産業の一つです。世界のアパレル業界で使用される水の量は毎年930億㎥、石油300万バレルに相当するプラスチック素材を海洋に放出しています。より具体的に見てみると、服一着を作るのに、約2,368ℓの水が必要です。浴槽約11杯分に相当します。
環境に負担をかけて作っていますが、日本の衣料廃棄物は年間50万トンを超え、そのうちの90%が焼却・埋立処分されているそうです。
この問題を解決するには、消費者が問題意識を持ち、購買スタイルを変える必要があります。
今回ご紹介する素材は、生産される際に地球への負荷が少なかったり、原材料を作る人の健康に配慮されていたりします。ぜひ参考にしてみてください。
エコな洋服の素材とは?
エコな洋服の素材とは地球に負担をかけないものを指します。主に「天然素材」と「リサイクル素材」の2種類です。
天然素材はコットンやヘンプなどを指し、ゴミとして排出されても生分解されて土に還るので、地球への負荷が少ないと言われています。
一方でリサイクル素材は、破棄される予定だったものを再利用して作った繊維。ペットボトルを再生、再利用したリサイクルポリエステルが有名です。化学繊維の元になる石油の使用量を減らし、二酸化炭素排出量の軽減につながります。
エコな素材の種類
エコな素材には次の種類があります。
- オーガニックコットン
- リネン
- テンセル
- リサイクルポリエステル
- ヴィーガンレザー
順番に見ていきましょう。
オーガニックコットン
オーガニックコットンは、3年以上農薬や化学肥料を使われていない農地で育てられたコットンのこと。殺虫剤や除草剤を使わずに育てるため、土壌に負担をかけません。
またコットン栽培にはしばしば人体に悪影響のある農薬が使われています。農薬はコットン生産者の人体に健康問題を引き起こします。オーガニックコットンの栽培には農薬が使われていないので、コットン生産者の健康被害を引き起こしません。
リネン
リネンは肥料や農薬を使わなくても、ぐんぐん育つ、とても強い植物です。しかもコットンと比べて成長に必要な水の量は少なく、短い間に勢いよく成長します。
リネンの良さは、着る人にもメリットがあります。なんと言っても着心地の良さが抜群です。さらっとした肌触りで、肌に触れて気持ちがいいと感じるのはリネンならでは。通気性と保温性のバランスがよく、暑い時は余分な水分と熱を逃し、寒いときは熱を保ってくれます。
さらに丈夫な素材なので長く着用可能。「リネンは10年後がいちばん美しい。」とも言われ、使い込むと、柔らかさと光沢感が増します。着続けると愛着のある洋服に育ちます。
テンセル
テンセルは木材パルプを精製して作られます。木材パルプは植林管理された森の木を使い、溶剤で溶かして紡ぎ出されます。溶剤はしばしば有害である場合がありますが、テンセルに使用される溶剤は自然や人体に無害です。
テンセルは土に埋めると微生物に分解され、土に還ることができます。土に還ることができない素材と違い、自然の循環に馴染む素材と言えるでしょう。
テンセルの素材は光沢感があり、高級感があります。特別な日の装いにぴったりです。
リサイクルポリエステル
リサイクルポリエステルはリサイクル繊維の一種です。
リサイクル繊維は、ペットボトル、工場から出る廃プラスチック・合繊、裁断くずなどを原料にした素材です。破棄されるはずだったペットボトルやプラスチックを細かく砕いて洗浄し、熱で溶かして繊維にします。ポリエステル・ナイロン・ポリプロピレンに再生可能です。
リサイクルポリエステルは形状安定性に優れているのでシワになりづらいのが特徴です。光を透過しづらく、紫外線を防ぐのもメリット。そのため学生服や会社のユニフォーム、スポーツウェアに使われています。
ヴィーガンレザー
ヴィーガンレザーとは動物の革を使用しない素材です。革製品は動物の革で作られていることが多く、動物愛護や環境保全の点で問題になっています。生きている動物を革製品のために屠殺したり、革製品の色付けに使われる物質が環境や人体に有害だったりする場合があるからです。ヴィーガンレザーは動物の屠殺がなく、環境や生産者に配慮した素材を指します。
ヴィーガンレザーは人工皮革、合成皮革、天然由来のヴィーガン材料の3種類があり、どれも本革より軽く、お手入れが簡単というメリットがあります。
まとめ
今回は「天然素材」と「リサイクル素材」の2種類の地球にやさしい洋服の素材を紹介しました。
「天然素材」は破棄されても生分解されて土に還るので、地球への負荷が少ない点でエコと言えるでしょう。「リサイクル素材」は破棄される予定のペットボトルなどをリサイクルして作るので、生産の際に必要な石油や、排出される二酸化炭素を減らすことができます。
洋服を選ぶ際は、エコな素材に注目してみてください。