ゴミから作る繊維?再生繊維のメリット・デメリットと活用ブランドを紹介します

ゴミから作る繊維?再生繊維のメリット・デメリットと活用ブランドを紹介します
LIFESTYLE

近年サスティナブルな取り組みはファッション界でも活発な動きを見せています。その中で、再生繊維を使用して洋服をつくるブランドも急増中です。

本記事では、再生繊維がどのようなものかという基礎的から、メリットやデメリット、再生繊維を使って洋服をつくっているブランドまで紹介します。きっと記事を読んだあとには、再生繊維を使った洋服が着たくなるはずです。

再生繊維の特徴

再生繊維の特徴

再生繊維とは、プラスチックや木材、綿などゴミとなるものをリサイクルしてつくった繊維のことです。再生繊維の歴史は100年ほどで、まだ新しい繊維の一つです。

コットンやシルクなどの天然素材のような肌触りのよさが再現されている上、天然素材と比べると耐久度が高く、長持ちするというメリットを持つ素材です。

その代表に1982年に発明された「レーヨン」があります。

再生繊維と合成繊維の違い

再生繊維と合成繊維の違い

再生繊維は人工的に合成された化学繊維の一種で、化学繊維にはその他合成繊維と呼ばれるものが存在します。

再生繊維と合成繊維の主な違いは原材料にあります。

  • 再生繊維:木材、プラスチックなど植物性素材や廃棄物から抽出された素材が使用されたもの。
  • 合成繊維:ポリエステル、ナイロン。アクリルなど化学合成された原料からつくられたもの。

合成繊維は再生繊維に比べ、安価で丈夫、速乾性があるというメリットがありますが、製造過程や廃棄物の処理で環境への悪影響をもたらす可能性もあります。

再生繊維のメリット

再生繊維を用いる一番のメリットは、環境に配慮できることです。自然由来のものや、ゴミを再利用してつくられる地球にやさしい素材といえます。

そもそもリサイクルでゴミを減らせるのはもちろんですが、焼却しても有害物質が出にくかったり、吸湿性や放湿性に優れていたりなど、活用することで地球環境の保護に貢献できるのです。

再生繊維のデメリット

再生繊維のデメリットは、天然素材に比べれば丈夫ですが、その他の素材に比べると耐久性の低さや水に弱い点が挙げられます。

また、品質にばらつきがあるという特徴もありますが、どのブランドもその特性を理解した上で洋服をつくっているため過度な不安は不要です。

取扱の説明をよく読み、それに従った方法でお手入れをするように心がけましょう。

再生繊維の種類

レーヨン

再生繊維の代表的なものの一つに、セルロースがあります。セルロースは、植物や木材などの植物性の素材から抽出される食物繊維の一種。

食物繊維というと芋やごぼうなど食物を思い浮かべる方が多いかと思います。しかし、食物繊維の中には、人間が消化できるものとできないものがあり、できないものがセルロースです。

セルロースの繊維には以下のものがあります。

レーヨン

セルロースの中で最も有名であり、すべての化学繊維の中で一番はじめに誕生したといわれているのがレーヨン。レーヨンは、絹に似た光沢と滑らかでひんやりとした手触りが特徴で、通気性にも優れています

一方、シワになりやすい、水に弱いため洗濯に気をつけなければいけないなどの繊細さも持っています。

キュプラ

レーヨンと同様にセルロースを主成分とする人工繊維の一種で、より絹に似た風合いを求めてつくられた繊維です。実綿から綿花を取り除いた後に残る短い繊維を原料としています。

また、キュプラはレーヨンより細くしなやかですが、強度や吸水性はレーヨンよりも優れ、シワになりにくい性質も兼ね備えているのも特徴です。

とはいえ、やはり水洗いすると縮みやすい・摩擦に弱いなどのデメリットもあります。

ポリノジック

ポリノジックはレーヨンの欠点を改良してつくられた繊維です。高級なレーヨンというと想像しやすいでしょうか。

一般のレーヨンよりも強度が高く、洗濯時の形状も安定しています。

リヨセル

リヨセルはヨーロッパで開発されたサスティナブルな繊維。その他の繊維と同様、やわらかで光沢があり、着ていて気持ちのよい肌触りが特徴です。

ユーカリを原料としており、環境に負担をかけない方法で繊維化されています。さらに、自然に還るため近年注目を浴びているエコ素材の一つです。

再生繊維を利用した商品を展開するブランドを紹介

クローゼット内の服

最後に、サスティナブルな再生繊維を利用したアイテムを販売している注目のブランドを2つ紹介します。

WRINN

WRINNは、今回紹介したテンセルなどのリサイクル素材やオーガニックコットンなど環境に配慮した素材を積極的に取り入れているブランドです。

ゴミを軽減するために在庫を持たない・生産工程でのCO2削減・国内生産などエシカルな視点に重きを置いて活動しています。

ブランド名であるWRINNには以下の意味が込められています。

  • W(Wastes)…ゴミを出さない
  • R(Recycle)…資源を無駄にしない
  • I(Improve)…改善する
  • N(No more Animals)…動物の毛皮を使用しない
  • N(Nature)…土壌を守る

O0u

Oouは「着る人、つくる人、そして社会や地球環境に対して、いつも誠実でいたい」という想いからつくられたブランドです。

「自分らしくありながら、ちゃんと社会とつながりたい」そんな人を、アパレルを通じて応援しています。廃棄ペットボトルからつくられている日本の繊維メーカーの再生繊維を積極的に採用しています。

まとめ

私たちが毎日身にまとう洋服。それらはあまりにも身近にあり、また価格の安い製品もあふれています。

しかし、その素材に目を向けることで「何を選ぶか」という選択肢は変わるかもしれません。地球環境にやさしい繊維を、身にまとってみませんか?

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