予防接種の記録の保存期間はいつまで?新型コロナワクチンの「5年」延長と記録の残し方

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予防接種の記録の保存期間はいつまで?新型コロナワクチンの「5年」延長と記録の残し方

新型コロナワクチンの接種記録は、これまで「接種から5年」で消えてもおかしくないものでした。2021年春に1回目を打った人の記録は、2026年春に期限を迎える計算です。ただ、この5年ルールは2026年に見直されました。国が保存期間を延ばし、記録が長く残る仕組みに切り替えています。

とはいえ、制度が変わったから安心とは言い切れません。「接種証明書をなくしたけど再発行できる?」という疑問は残りますし、インフルエンザなどの任意接種は今も5年で消える可能性があります。

この記事では、予防接種の記録の保存期間が今どうなっているのかを整理し、記録をなくしたときの対処法と、自分で記録を残しておく方法までまとめて解説します。

予防接種の記録の保存期間は「5年」から延長された

予防接種の記録の保存期間は「5年」から延長された

結論から言うと、新型コロナワクチンの記録が5年で消える心配はなくなりました。国が2026年に施行規則を改正し、保存期間を延ばしたためです。何がどう変わったのか、順番に見ていきます。

これまでの保存期間は原則5年だった

もともと、市区町村が予防接種の記録を保存する義務は5年間でした。予防接種法施行規則で、定期接種や臨時接種を行ったときは記録を作り、接種を行ったときから5年間保存すると決められていたからです。

この記録は「予防接種台帳」と呼ばれ、氏名、生年月日、住所、接種日、ワクチンの種類などが登録されています。新型コロナワクチンも同じで、2021年2月17日から2024年3月31日までに行われた「特例臨時接種」の記録が対象でした。単純に計算すると、2026年2月以降、古いものから順に期限を迎えることになります。

新型コロナの記録は施行規則の改正で延長が決まった

そこで国は、期限が来る直前に制度を改めました。予防接種法施行規則の一部を改正する省令(令和8年厚生労働省令第6号)が2026年1月26日に公布され、2月1日から施行されています。

この改正で、新型コロナの特例臨時接種の記録は、接種を受けた人が亡くなった日の翌日から5年を過ぎた日、または市町村長が実施状況の情報提供を行った日のうち、どちらか遅いほうまで保存することになりました。

理由は、2026年6月1日から動き出す「予防接種等関連情報データベース」にあります。過去の接種記録をこのデータベースに移すには、5年で記録が消えてしまう前に保存期間を延ばす必要がありました。

定期接種も「死亡後5年」に変わっていく

定期接種も「死亡後5年」に変わっていく

この見直しは新型コロナだけの話ではありません。定期接種の記録についても、保存期間を「接種後5年」から「接種を受けた人の死亡後5年」に延ばす方針が、2025年7月2日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会で了承されました。2007年に施行規則で保存期間が決められて以来、初めての変更です。

延長が必要とされた理由は、主に3つあります。

  • 副反応の追跡調査や、健康被害救済制度の申請に過去の記録が要ること
  • 就職や海外留学のときに、本人が接種歴の証明を求められること
  • 記録を確認できず、必要のない接種を重ねる「過剰接種」を防ぐこと

費用の問題もクリアされ、予防接種事務のデジタル化が進んだことで、保存期間を延ばしても追加コストはあまり増えないと厚生労働省は説明しています。2026年度からは、マイナンバーカードを使って自分の接種記録をオンラインで確認できる仕組みも整いつつあります。

定期接種と任意接種で記録の保存期間はどう違う?

定期接種と任意接種で記録の保存期間はどう違う?

一方で、すべての予防接種の記録が同じように守られるわけではありません。定期接種か任意接種かで、記録の残り方はかなり違います。ここを知らずに「どこかに残っているはず」と思い込むと、あとで困ることになります。

任意接種の記録は自治体に残らない

定期接種の記録は、自治体が管理します。ヒブ、小児用肺炎球菌、麻しん風しん混合、B型肝炎などがこれにあたり、法律にもとづいて市区町村が行うので、記録は予防接種台帳に登録されます。今後は死亡後5年までの長期保存に移っていきます。

これに対して、任意接種の記録は自治体の台帳には載りません。インフルエンザ、おたふくかぜ、A型肝炎などが該当し、記録が残るのは接種した医療機関のカルテだけです。医師法でカルテの保存義務は原則5年間なので、5年を過ぎて病院が記録を捨てていても問題はありません。

その医療機関が閉院してしまえば、確認する方法はほぼなくなります。任意接種については、自分で持っていなければ記録は消えると考えておくのが現実的です。

接種記録が必要になる場面

昔の記録を使う機会は、意外とあります。よくあるのは次の3つです。

1つ目は、海外渡航や留学のときです。留学先の大学や語学学校から、英文の予防接種証明書(ImmunizationRecord)を求められることがあります。とくに麻しん、風しん、水痘、ムンプスの接種歴はよく確認されます。

2つ目は、転職や就職のときです。医療、介護、保育、教育の職場では、採用時に抗体検査の結果や接種歴の提出を求められるのが一般的です。記録が見つからず、入職前に打ち直した例もあります。

3つ目は、大人になってからの追加接種です。過去の履歴がわからないと、必要のない再接種を受けることになりかねません。ワクチンによっては1回1万円を超えるものもあるので、費用の面でも負担になります。

予防接種の記録を自分で残しておく3つの方法

予防接種の記録を自分で残しておく3つの方法

制度が整うのはよいことですが、記録の管理を行政に任せきりにするのはおすすめしません。行政の記録は行政の事務のために管理されているもので、個人がすぐ取り出せるとは限らないからです。転居や自治体のシステム移行、医療機関の閉院があると、確認に手間がかかります。すぐできる方法を3つ紹介します。

1.母子健康手帳を保管しておく

まずは母子健康手帳を確保しましょう。子どもの頃のものと思われがちですが、大人になっても公的な証明力が高い記録です。

乳幼児期から中学生までの定期接種歴が一冊にまとまっているものは他にはありません。実家に置いたままなら、帰省のときに回収しておきましょう。接種記録のページをスマートフォンで撮っておけば、実物を持ち歩かなくても必要なときに提示できます。

2.マイナポータル(マイナンバーカード)で確認する

次に使えるのが、マイナンバーカードによるデジタル管理です。マイナポータルで自分の接種記録を確認でき、引っ越しをしても記録が引き継がれるのがメリットです。

これまでは転居のたびに前の自治体へ問い合わせる必要がありましたが、その手間が減ります。予防接種事務のデジタル化にともなって、確認できる範囲は今後広がる見込みです。まだ使っていない人は、一度ログインして自分の記録を見ておくとよいでしょう。

3.スマホで撮ってクラウドに保存する

いちばん手軽なのがこの方法です。接種を受けたその日に、接種済証や予診票の控えをスマートフォンで撮るだけです。

撮った画像は、GoogleドライブやiCloudなど機種変更しても消えない場所に「予防接種」というフォルダを作ってまとめておきます。家族の分も同じフォルダに入れておけば、子どもが大きくなったときにそのまま渡せます。健康管理アプリを使っているなら、そちらでもかまいません。

接種記録をなくしたときの再発行と確認方法

接種記録をなくしたときの再発行と確認方法

すでに記録が見当たらない場合も、確認できる方法は3つあります。次の順番で試してみてください。

自治体の窓口に再発行を申請する

定期接種や新型コロナワクチンの記録なら、まず自治体に問い合わせてください。接種した当時に住民票があった市区町村が申請先です。

申請方法は窓口、郵送、オンラインなど自治体によって違うので、公式サイトで「予防接種済証再発行」「接種履歴証明」といったページを探すのが早いです。基本的に本人確認書類が必要で、本人以外が請求するときは委任状を求められることもあります。

手数料の有無も自治体によります。すでに引っ越していても、当時住んでいた自治体に請求すれば対応してもらえます

医療機関にカルテが残っていないか確認する

任意接種やかかりつけ医で受けた接種なら、その医療機関に聞いてみましょう。カルテの保存期間内であれば、接種の事実を証明する書類を出してもらえる可能性があります。受診歴が残っていれば、診療録から接種日がわかることもあります。

記録が見つからないときは抗体検査という手もある

どうしても記録が見つからないときは、抗体検査という方法があります。過去に打ったかどうかはわからなくても、今の時点で免疫があるかどうかは調べられるからです。

麻しん、風しん、水痘、ムンプス、B型肝炎などが代表的な検査項目で、費用は1項目あたり3,000円から5,000円程度が目安です(自治体の助成がある場合もあります)。抗体が十分にあれば追加接種は不要と判断されることも多く、結果として費用や負担を抑えられます。就職前に接種歴の証明を求められて困っているなら、この方法が現実的です。

まとめ|予防接種の記録は自分でも残しておこう

まとめ|予防接種の記録は自分でも残しておこう

予防接種の記録の保存期間は、「接種から5年」から「死亡後5年」へと延びました。デジタル化も進み、長く記録を確認できる方向に向かっています。

ただ、いちばん確実なのは自分の手元に記録を持っておくことです。制度は今後も変わる可能性がありますし、行政から記録を取り寄せるには時間も手間もかかります。

まずは母子健康手帳や接種済証を探して、スマートフォンで撮っておくところから始めてみてください。1分もあれば終わりますし、数年後に必要になったときの手間がぐっと減ります。

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