米不足の今その価値を見直そう。栄養を捨てない玄米生活の始め方

フード・食生活
米不足の今その価値を見直そう。栄養を捨てない玄米生活の始め方

2024年夏以降、「令和の米騒動」とも呼ばれる米不足や価格高騰が話題になりました。市場POSデータによると、米の価格は5kgあたり約4,400円と高止まりが続いています。

私たちの主食である米が手に入りにくい状況を経験し、米の価値を考え直すタイミングに来ているのかもしれません。

改めて米そのものの価値や、無駄なく活かす食べ方に向き合う際に注目したいのが玄米です。精米時に失われる栄養をそのまま活かせる玄米は健康面だけでなく、持続可能な食生活という観点からも注目したい選択肢です。

本記事では玄米の価値や栄養、取り入れ方のポイントについて、実体験も交えながら紹介します。「本当においしい?」「体にいい?」といった疑問を感じている方に向けて、メリットや注意点も分かりやすく解説します。

令和の米騒動で見直される米の価値

令和の米騒動で見直される米の価値

2024年夏頃から天候不順や生産コストの上昇などが重なり、米不足や価格高騰が相次ぎました。令和の米騒動とも呼ばれるこの出来事が起こるまで、米は安価で身近で、当たり前に食卓に並ぶ存在でした。

しかし供給が不安定になり、2025年12月時点でも米の価格は高止まりしていました。「高くて国産の米が買えない」「代わりにパスタやうどんを食べる機会を増やした」という声もあるなか、主食としての米の重要性に目が向けられるようになっています。

米を無駄なく大切にいただく。そうした視点が求められる今、改めて見直したい選択肢のひとつが玄米です。精米で失われる部分を活かす玄米は、健康面に加えて資源の有効利用の観点からも注目したい食べ方です。

玄米とは

玄米とは

玄米とは稲からもみ殻を取り除いた、精米前の状態の米のことを指します。ぬか層や胚芽を削り落としていないため、プチプチとした食感や独特な香りがあります。また、米本来の栄養が残っているのも特徴のひとつです。

白米、発芽玄米との違い

普段私たちが食べている白米は玄米を精米したもの。精米とは玄米の表面にあるぬか層や、成長すると芽になる胚芽を取り除くことです。白米は柔らかく食べやすいですが、精米の過程でビタミンやミネラル、食物繊維など多くの栄養素が失われてしまいます。

また、発芽玄米は玄米をほんの少しだけ発芽させたもので、その過程でアミノ酸の一種であるGABA(ギャバ)が増加し、玄米よりも栄養価が高くなるといわれています。さらに、発芽させることでデンプンやたんぱく質が分解され、普通の玄米よりも柔らかく食べやすいのも特徴です。一方、一般の玄米よりも価格が高く、保存性が低い点に注意が必要です。

玄米 もみ殻だけを取り除いた状態。プチプチした食感、独特の香り。ぬか層や胚芽を含み、栄養価が高い
白米 ぬか層や胚芽を取り除いた精米後の米。食べやすく消化が良い一方で、精米の過程で一部の栄養素が失われる
発芽玄米 玄米をわずかに発芽させ、栄養価と食べやすさを高めたもの。価格が高く、保存性が低い

可食部分を最大化し、フードロス削減に寄与

玄米はぬか層や胚芽を削り落とさず米を丸ごと食べるため、食物繊維やビタミン、ミネラルなどの栄養を無駄にせず摂ることができます。

現在、精米で削り落とされる部分は米油の原料や家畜飼料として利用されていますが、食べられる部分を最大化するという観点では、玄米を食べることはフードロス削減の一助となります。

また玄米は保存環境を整えることで、味の変化を抑えながら長く保管することが可能です。白米よりも古くなった際の違和感が出にくいと感じる人も多く、最後までおいしく食べ切りやすい点も魅力です。

便秘や疲れやすさの改善にも効果的

便秘や疲れやすさの改善にも効果的

玄米は健康によい食材として注目されていますが、その大きな理由のひとつが豊富な栄養素です。

玄米には白米より多くの食物繊維やビタミンB群、鉄などが含まれています。食物繊維は腸内環境を整える働きがあり、便通の改善などが期待できます。ビタミンB群は糖質や脂質の代謝を助け、エネルギーを効率よく使うために欠かせない栄養素です。十分に摂ることで疲れにくく、集中しやすい状態につながります。

ただし、これらの効果は即効性があるものではありません。玄米は日々の食事に継続的に取り入れることで、体調を底上げしていく食材と言えるでしょう。

玄米 白米
エネルギー 346kcal 342 kcal
食物繊維 3.0g 0.5g
ビタミンB1 0.41mg 0.08mg
ビタミンB6 0.45mg 0.12mg
2.1mg 0.8mg

可食部100g当たりに含まれる成分

出典)文部科学省「日本食品標準成分表(八訂) 増補2023年

胃腸が弱い人は注意。玄米の注意点

このように栄養価の高い玄米ですが、すべての人にとって万能というわけではありません。

取り入れる前に知っておきたい注意点として、ぬか層や胚芽が残っているため玄米は白米に比べて消化に時間がかかるという特徴があります。胃腸が弱っているときには、重たく感じる場合があります。

また玄米はよく噛んで食べることが前提の食材です。噛む回数が少ないと消化不良を起こしやすく、不快感や便通への悪影響につながることもあります。早食いが習慣になっている人は、玄米を食べる際はよく噛むことを心がけるとよいでしょう。

浸水時間は長めがポイント。炊飯器での炊き方

浸水時間は長めがポイント。炊飯器での炊き方

「玄米は白米よりも炊くのが難しいのでは?」と考えている人もいるのではないでしょうか。玄米は白米に比べて硬さが残りやすいですが、炊飯器の玄米モードがあれば、白米と同じように炊くことができます。

炊飯前の下準備

・ゴミやほこりをとるため、玄米を軽く洗う

・手のひらにすくい、もみ洗いすると表面に傷がついて吸水しやすくなる

・ 2~3回、水をとりかえて洗う

・浸水させる。夏場は6〜8時間、冬場は8~12時間が目安。

浸水は必須ではありませんが、米が十分に水分を吸うことで炊き上がりがふっくらします。筆者も時間がない時は浸水なし、もしくは1時間の浸水で炊飯器の玄米モードで炊くことがありますが、やはり浸水させたほうが美味しく感じます。

炊飯器に玄米モードがない場合は、通常炊飯でも問題ありません。その際は水を白米の1.3~1.5倍に調整すると炊きやすくなります。炊き上がったら10〜15分ほど蒸らすと芯が残りにくくなります。

玄米食を5年続けた体験談

玄米食を5年続けた体験談

筆者は玄米を食べ始めて約5年になります。きっかけは「健康によさそう」という漠然とした理由でした。

正直なところ、最初は白米のほうが美味しいと感じていました。そのため、3分づき、5分づきと徐々に玄米に近づけていき、数年がかりで慣れていきました。

慣れたとはいえ、毎食玄米にしているわけではありません。時々白米も食べたくなりますし、白米のほうが相性の良い料理もあるので、気分やメニューに合わせて食べ分けています。

時間が経ってもおいしい。習慣化して分かった玄米の魅力

玄米を食べ始めて実感した変化が便秘の改善です。劇的な変化というよりも、続けるうちに「そういえば便秘しなくなっている」と気づくような、ゆっくりとした変化でした。

また、意外だったのが古米になったときの差です。令和の米騒動の際に古米を購入したところ、白米はパサパサしていると感じました。一方、玄米は古米でも白米ほどの変化は気になりませんでした。

そしてもうひとつ感じたのが、冷めたときの違いです。個人差はあると思いますが、お弁当など炊きたてではない場面では、玄米のほうが美味しいと感じます。冷めても味が変わりにくい点も玄米のメリットではないでしょうか。

まとめ

令和の米騒動をきっかけに、私たちは「米はいつでも気軽に手に入る」という前提を見直すことになりました。そんな今だからこそ、米そのものの価値や、無駄なく活かす食べ方に目を向けることが大切なのかもしれません。

白米は玄米の1割を削ると言われています。精米によって失われがちな栄養を摂れるだけでなくフードロス削減の視点でも、玄米は注目したい選択肢です。

週に一度、3分づきから試すなど、少しずつ取り入れることで無理なく続けられます。今の暮らしに合わせながら、玄米生活を始めてみてはいかがでしょうか。

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