Allbirdsと歩むサステナブルな未来|足元から世界は変えられる

Allbirdsと歩むサステナブルな未来|足元から世界は変えられる
FASHION

ファッションは、少なからず地球環境へ大きな影響を与えています。ここ数年でSHEINやQoo10などの格安通販サイトからファストファッションの問題点が提起されるようになったこともあり、衣類が環境にもたらす問題には認知度も高まっているでしょう。

「サステナブルファッション」という言葉は、ふつうに聞かれるようになりました。衣服などのリサイクルも当たり前のこととなってきています。

お気に入りのブランドを思い浮かべても、環境への取り組みを前面に打ち出しているようになってきていることでしょう。

いまや、さまざまなブランドが、製品を売るだけではなく、社会活動を行っていることで消費者の共感を得ることは一般的です。中でも、数年前から大胆な発想で世界に注目されているブランド「Allbirds」について、この記事では解説していきます。

サステナブルファッションとは?ファッションでできるサステナブルな取り組み
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サステナブルファッションとは?ファッションでできるサステナブルな取り組み

サステナブルは「足元」から。Allbirdsという選択

サステナブルは「足元」から。Allbirdsという選択

引用元:Allbirds

シューズ&アパレルブランドAllbirds(オールバーズ)。2016年にアメリカで生まれたブランドです。

ファッションと環境の両立は難しい?

Allbirdsを紹介する前に、まずはファッションと環境の関係性について触れておきましょう。

環境省はホームページ内で「サステナブルファッション」や「ファッションと環境」など、さまざまなタイトルの紹介記事を掲載しています。そこに記されているのは、ファッション業界は世界で第2位の汚染産業であるということ。

「温室効果ガス排出量は合計12億トンのCO2に相当し、国際航空業界と海運業界を足したものより多い」「毎年、500万人が使う分の水を使用」「世界の工業用水汚染の20%は、繊維の染色と処理に起因」など、その内容は想像以上にショッキングなものです。

これらのことから、衣類を生み出すプロセスにおいて土壌や水質、また私たちの日常にまで侵食するファッション業界の社会課題は、SDGsで掲げられている目標を相性が悪いと思われる方も多いのではないでしょうか。

Allbirdsが生まれた理由とコンセプト

Allbirdsのシューズが生まれるきっかけをつくったのは、ニュージーランド出身のティム・ブラウンさんです。かつてプロサッカー選手だった彼は、多くのシューズがプラスチック製品であることに疑問を感じていました。

素材からシューズを見直そうと考えたブラウンさんが目をつけたのが、ニュージーランド産のメリノウール。一般的なウールより繊維が細く、なめらかな肌ざわりが特徴の高品質素材です。

シューズの試作を重ねていたとき、ブラウンさんは、サンフランシスコ在住の投資家でありバイオテクノロジーのエンジニアだったジョーイ・ズウィリンジャーさんと出会います。

二人は、環境への負荷をできるだけ減らし、しかも商品としてすぐれたシューズの開発を始め、Allbirdsを立ち上げました。

シンプルで美しく、環境にやさしいシューズの魅力

Allbirdsのシューズの詳細は後述のとおりですが、自然素材でつくられたシューズはどれも軽くてやわらか。デザインはシンプルです。

「カジュアル」と「ランニング」の2つに大きくカテゴライズされているシューズは、現在30種類以上販売されています。ほぼすべてのシューズがインソールと靴ひもを外せば洗濯機で洗うことが可能です。

長く、清潔に使っていくことができるシューズの履き心地は、アメリカの『TIME』誌で「世界一快適」と紹介されています

Allbirdsが実現する3つのサステナブル素材革命

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では、それほど快適な自然素材のシューズとは、いったいどのようなものなのでしょうか?SDGsへの貢献とあわせて見ていきましょう。

ウール(ニュージーランド産メリノウール)で自然と共存

ブラウンさんが目をつけたウールは、ニュージーランドの主要産業のひとつであったものの、市場では安い合成繊維に押されているのが現状でした。

素材として着目したウールですが、ビジネス面でのイノベーションも必要だとブラウンさんは感じていたといいます。高品質のメリノウールをアッパー(シューズの甲の部分)やインナーに使って試作を重ね、Allbirdsのシューズを誕生させます。この素材のため、通気性や保温性にすぐれたシューズが完成しました。

ウールを活かしている点、SDGsでは、目標15「陸の豊かさも守ろう」に貢献しているといえます。

サトウキビから作ったミッドソール

シューズのソール部分は、石油に由来する素材が使われることが一般的です。天然素材の代替品を見つけるのは難しいことでした。

Allbirdsが独自開発したのは、サトウキビを原料にした新しいソール。製造過程でのCO2排出量とサトウキビが吸収するCO2を比較すると、排出量が少なくなっています。持続可能な消費と生産のパターンを確保する目標12「つくる責任つかう責任」に貢献しているといえるでしょう。

ユーカリ繊維のアッパー素材

アッパーには、メリノウールのほかに、ユーカリの繊維を使ったシューズもあります。「Treeシリーズ」として人気です。

絹のようになめらかなユーカリの繊維をニット構造のメッシュに仕上げたシューズは、通気性がより高まり、心地好い涼しさが特徴。素足で履いても歩きやすいなどの点で、女性人気一位のモデルとされています。

ユーカリは急成長し、CO2の吸収能力が高いとされますが、その一方で単一栽培をすると、地域の生態系に悪影響を及ぼし、土壌劣化と生物多様性の損失をもたらすといわれます。

SDGsでは目標13「気候変動に具体的な対策を」に貢献しているといえるでしょう。

SDGsの視点で見るAllbirdsのすごさ

SDGsの視点で見るAllbirdsのすごさ

続いて、製品だけではなく、Allbirdsの取り組みについて、SDGsの面から見ていきましょう。

カーボンフットプリントを「表示」するシューズ

カーボンフットプリントはAllbirdsにおいて欠かせない言葉だといえます。

カーボンフットプリントとは、「製品の素材調達・製造・廃棄に至るライフサイクル全体で排出されるGHG(温室効果ガス Greenhouse Gas)の排出量を、CO2排出量に換算した数値」(2023年サステナビリティレポート)のことを指します。

つまり、カーボンフットプリントが大きいとCO2の排出量が大きく、環境への負荷も大きいことになり、小さいと環境への負荷は少ないことになります。カーボンフットプリントの計測方法はAllbirdsが独自に開発していますが、その方法はオープンになっていて、他社も利用できるようになっています。

Allbirdsは、カーボンフットプリントの数値をすべてのシューズのかかと部分に表示。ブラウンさんは「カーボンフットプリントを食品のカロリー表示のように広げていきたい」と語っているのです。

SDGsでは、目標13「気候変動に具体的な対策を」に貢献しているだけではなく、企業の取り組みの透明性、そしてその重要性についても大きな示唆を与えてくれます。

カーボンフットプリントとは|数値を使った日本企業の取り組み事例と個人でも測定できるアプリをご紹介
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再生可能エネルギーを使った製造プロセス

Allbirdsの生産過程ではウールなどの再生型農業が実施され、再生可能な天然素材が使われています。これらはカーボンフットプリントとして数値に表れています。

2023年の段階で製品ごとのカーボンフットプリントを2025年までに半減させ、2030年までにほぼゼロにするという目標が掲げられていますが、順調な成果を上げているようです。また、海上輸送の割合は2023年時点で96%。空輸は海上輸送の約30倍といわれるので、この成果も見逃せません。

パッケージもエコ。段ボール1枚で発送完了

消費者の手元に商品を届ける際のこともAllbirdsは考慮しています。シューズボックスは上に2つ穴が開いており、そこに予備の靴ひもを通すことでショップバックのように持ち帰ることができるよう工夫されています。

オンラインショップでは、シューズボックスにそのまま伝票を貼って配送。余計な段ボールを使うことはありません。

実際どうなの?Allbirdsを履いてみた人の声

実際どうなの?Allbirdsを履いてみた人の声

では実際にAllbirdsを履いた人たちの感想はどのようなものでしょうか。SNSなどから意見を見てみましょう。

サイズ感には注意すべき

唯一の注意点と思えるのはサイズのようです。公式サイトにも記載がありますが、プラス1~1.5㎝くらいのものを選ぶようにするのがおすすめです。

「ほかのシューズに比べて値段が高い」という意見は見られますが、同時に背景や履き心地を考えると妥当という感想も添えてあり、単純にデメリットとまとめることはできないのが分かります。

静電気が起きやすいという指摘もありますが、こちらも一般的な静電気対策で対処でき、実際に、その書き込みをしている人も同様に対処していました。

メリットは、とにかく履き心地のよさ

「シューズが足の一部みたいにフィットする」「靴下を履いているような気分」「はだしで履いてもすごい履き心地のよさ」「とにかく履き心地がいい。やわらかく肌に密着する感じがお気に入り」

メリットについては、履き心地に触れた意見が数多く見られます。さらに印象的なのは、ブランドの姿勢に対する声。

「まわりの人がこれほど喜んで買っていくブランドはないのではないか」「天然素材でやりきる強い意志に驚いた」「意思表示になるシューズ」

履き心地が絶賛されるのはわかりますが、Allbirdsそのものに対しての驚嘆や絶賛も目立ちます。この点だけを見ても、Allbirdsへの評価が実感できます。

私たちにできることは?足元から始めるSDGsアクション

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Allbirds体験者の声を見て、より関心を深めた人も多いはずです。シューズの魅力だけではなく、SDGsの行動についても気持ちを新たにしたことでしょう。

ファッション選びも「投票行動」になる

さまざまな声の中でも「意思表示になるシューズ」という意見に新鮮さを抱いた人もいるのではないでしょうか。商品そのものだけではなく、その商品を提供する企業がどのような取り組みを行っているかということに注目するエシカル消費が最近では一般的になっています。

商品を選ぶことは、その企業の取り組みを支持するという意思表示であり、投票行動にもなっているのです。

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サステナブルブランドを選ぶ、応援する

SDGsに関心が高く、具体的な取り組みを行っているサステナブルブランドがあれば、ぜひ積極的に選びたいものです。

「値段が高い」などの点が気になるかもしれません。しかし、どのような活動を行っているか、自然環境などに配慮しているかなど、商品だけではないブランドの背景も考慮すべきでしょう。

ただ単純に自分と商品のことだけではなく、世界のこれからを見渡した広い視野が必要になっています。

履かなくなった靴はリサイクルへ

リサイクルの点を考えることも現代の常識です。衣服をリサイクルするブランドやプロジェクトはよく見かけるようになっています。

シューズは衣服に比べて多くの部品や素材からできているため、リサイクルしにくいといわれています。しかし、Allbirdsはシューズを回収し、循環させる「ReRunプログラム」を行っています。履かなくなったAllbirdsを店頭に持っていくと、1000円分のギフトカードがプレゼントされ、シューズは再生の道を進んでいきます。

まとめ|Allbirdsと歩むサステナブルな一歩

まとめ|Allbirdsと歩むサステナブルな一歩

冒頭で記したとおり、ファッション産業は地球環境へ大きな影響を与えています。

環境省のデータによると、「サステナブルファッションに関心はあるが、日常生活の中で具体的な行動は起こしていない」という人が51%を占めています。しかし、何度か触れてきたように、ファッションと環境の関係は大きく変わりつつあり、具体的な取り組みを行うブランドも多く見られるようになってきました。

中でもAllbirdsはリサイクルへのハードルが高いとされたシューズ分野で、革新的なチャレンジを多岐に渡って実践しています。

サステナブルファッションに関心はあるが行動に移せていないと自覚する人も、関心が低いという人も、ぜひAllbirdsに注目しましょう。

サステナブルへの取り組みがわかりやすく情熱的で革新的なブランドは、なかなか見つからないはず。サステナブルな一歩をともに歩みたくなるのが、Allbirds最大の魅力なのです。

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