カーボンフットプリントとは|数値を使った日本企業の取り組み事例と個人でも測定できるアプリをご紹介
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近年、認知度が高まりつつあるカーボンフットプリント。
環境問題に関心のある方であれば1度は聞いたことがあり、また日常生活でも意識して見てしまうものでしょう。
一度知識を身につけておけば、環境問題への理解度が高まるはずです。
そこで本記事では、カーボンフットプリントの基礎知識をはじめ、CO2排出量削減のための取り組みやカーボンフットプリントを測定できるおすすめのアプリなどを紹介します。
カーボンフットプリントとは
環境省によると、カーボンフットプリントとはCarbon Footprint of Productsの略で、「商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算して、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組み」です。
この章ではそもそもカーボンフットプリントとは何かについて詳しく触れていきましょう。
概念
上記のように、カーボンフットプリントとはいわば「その商品やサービスを生み出すためにどれくらいのCO2が使われているか」を表す指標です。
最近では「CFPプログラム参加マーク」と呼ばれる取り組みもあります。
これまではCO2排出量を表示させるのみだったところを、CO2排出の削減に積極的に取り組む事業者の証とする見方も展開されています。
目的
カーボンフットプリントを商品やサービスに明記することによって、CO2の排出を削減する活動に対する気づきを共有し、情報を見える化、また事業者がより低炭素な社会を実現できるように意識改革を促します。
測定方法
カーボンフットプリントを測定する方法は大きく3段階に分けられます。
まず各商品の製造工程を精査し、次に工程ごとのCO2排出量を算定します。
そのあとにすべての各工程で算出されたCO2排出量を合算するという流れです。
例えば上記の図でいう缶飲料であれば、原材料調達から廃棄・リサイクルまで5工程に分けた結果、合計の排出量が123gと計算されています。
参考:グリーン購入セミナー
CO2排出量の現状
年々平均気温が上昇していることもあり、二酸化炭素が増えて地球温暖化が進んでいると思っている方も多いのではないのでしょうか。
しかし、年度別で見れば二酸化炭素の排出量は年を追うごとに減少しつつあります。
2021年度の温室効果ガスの排出・吸収量は11億2,200万トン(二酸化炭素(CO2)換算)で、前年度比2.0%(2,150万トン)の増加となり、2013年度比では20.3%(2億8,530万トン)の減少という結果が出ています。
このように、企業努力などによってCO2の排出量は減らすことが可能なのです。
日本でのCO2排出削減へ取り組み
前章でCO2の排出量削減が実現できていることが分かるように、CO2削減には企業の力が必要不可欠です。この章ではカーボンフットプリントに積極的に取り組んでいる企業の事例を紹介します。
Panasonic
パナソニックのデザインスタジオである「FUTURE LIFE FACTORY」によって「Carbon Pay構想」が発表されました。
Carbon Pay構想とは、自分自身が出したCO2排出量がわかるシステムです。
日常生活におけるCO2排出量を数値化することによって、排出量をどのように減らせるかの行動を起こせる仕組みになっています。
イオン
国内有数のショッピングモールを展開するイオンでもカーボンフットプリントの取り組みが注目されています。
多くの商品にマークの表示があり、さらには2025年までに全てのイオンモールの使用電力を100%再生エネルギーに変更するなど、脱炭素に向けて取り組んでいる姿勢が見られます。
カーボンフットプリントだけではなく、企業の義務としてのサステナブルな取り組みにも消費者を巻き込む形で行っています。
カーボンフットプリントを測れるおすすめアプリ・ブラウザ
最後に、カーボンフットプリントを測れるおすすめのアプリやブラウザを紹介します。日常生活でも意識してCO2の排出量削減に貢献したい、と考えている方はぜひ参考にしてみてください。
FOOTPRINT CALCULATOR|WWF
環境保護団体として世界的に活動を行っているWWFによって提供されているWebサイト「FOOTPRINT CALCULATOR」。
アンケートに回答することによって、自分が日頃どんな風に・どのくらいの量のCO2を排出しているかがシミュレーション形式で分かるようになります。
じぶんごとプラネット|Code for Japan
「気候変動をじぶんごとにする」というコンセプトをもとに、Code for Japanによって提供されている「じぶんごとプラネット」もあります。
質問に答えていくことによって二酸化炭素の排出量が分かるようになり、環境問題への関心をより高めるきっかけになります。
まとめ
この記事ではカーボンフットプリントの基礎知識や取り組み事例を中心に紹介しました。
二酸化炭素は企業と消費者が力を合わせて努力すれば減らせるものです。
なかなかハードル高く感じるものですが、まずは今回紹介したようなアプリやブラウザを使って、遊び感覚で自身の日常生活にカーボンフットプリントを取り入れてみると良いでしょう。