フェムテックとは?テクノロジーで誰もが生きやすい社会を作る
みなさんは「フェムテック」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?
現在、女性の社会進出が進んだこと、SDGsの目標で「ジェンダー平等を実現しよう」があることから「フェムテック」という分野が注目されています。
今回は、フェムテックとは何なのか、なぜ必要とされているのか、解説していきます。
フェムテックとは?
フェムテック(FemTech)=女性(Female)+技術(Technology)
ドイツの月経管理アプリ「Clue」の代表が自分たちのビジネスカテゴリーとして作った言葉です。
「フェムテック」に決まった定義はなく、「月経」「妊活・不妊」「妊娠」「更年期」など、女性の身体を持つ人特有の健康課題をテクノロジーで解決、手助けしようとする製品やサービス全般のことを指します。
女性の身体を持つ人特有の健康問題
「月経」「妊活・不妊」「妊娠」「更年期症状」など、女性の身体を持つ人特有の悩みや健康問題はライフステージ毎で存在します。
月経一つにしても、多くの悩みがあります。
- 眠気、疲労感、頭痛、肩こり、腹痛、貧血
- 生理不順
- 情緒不安定になる
- 肌荒れ
- 下痢、便秘になる
- 食欲不振、食欲増進になる
- 生理用品、ピル代が高い
- 出血量、経血の色が正常か不安
- 予定が立てづらい
- 着る洋服に気を遣う
上記はほんの一部ですが、このような悩みを解決していくために「フェムテック」の需要が高まりつつあります。
フェムテックの認知率・利用率
女性ならほぼ全ての人が知っている月経管理アプリも「フェムテック」に含まれます。しかし、「フェムテック」という言葉自体を知っている人は少ないのが現状です。
20〜60代の女性1,000人に「フェムテックという言葉を知っていますか?」と聞いたところ、認知率はわずか1.9%
引用元:Women's Labo
認知は全く進んでいないが、月経管理アプリなど女性特有の健康問題をケアするテクノロジーサービスの利用有無について聞いたところ、「使っている」と回答した女性は全体の26.4%
引用元:Women's Labo
フェムテック、なぜ必要?
タブー視されてきた特有の健康問題なので、今まで大々的に取り上げられ、解決しようとされてきませんでした。
でも実際は、我慢し、隠されてきただけで、上記のような悩みをほぼ全ての女性が抱えています。
全ての人が生きやすい社会を作るために「フェムテックが注目されること」は、解決の糸口になると言えます。
働く女性の健康問題
特有の健康問題が原因で離職に繋がるなど、企業側にもネガティブな影響が出るため、企業側も全ての人にとって働きやすい職場環境にすることが必要です。
働く側としても、キャリア、プライベートのライフプランを考える上で、選択肢が広がる制度があると安心ですよね。
実際に、女性が働きやすい環境を作るため、企業側もフェムテックを含むサポートや取り組みを始めています。
日本企業での取り組み例
- 治療や受診のための休暇制度
- 生理休暇(有休)
- 柔軟な働き方ができる勤務形態
- テレワークの実施
- 婦人科受診の支援
- 子宮頸がん、乳がんの検査費用補助
- 低用量ピルの費用負担
- 健康診断の内容の見直し
海外企業はより積極的で、Facebookは2014年から福利厚生として卵子凍結費用のサポートを開始しました。卵子凍結費用サポートは、Apple、Google、Netflix、Uberなどのシリコンバレーの企業を筆頭に導入が進んでいます。
日本ではメルカリが2021年5月より卵子凍結保存を補助する社内制度を試験導入し始めました。
しかし、残念ながら、上記のような取り組みを行っている企業は、日本全体で見るとごくわずかです。
女性アスリートの健康問題
スポーツの現場でもフェムテックが役に立つとされています。
試合と月経が重なると満足のいくパフォーマンスが出せない、体脂肪を減らしすぎて月経異常になる、生理中は怪我をしやすくなるなど、女性アスリートにも様々な悩みがあります。
女性アスリートの4割が月経が止まるなどの異常を抱え、骨折やひざのじん帯のけがは、男性より大幅に多くなっています。
引用元:クローズアップ現代|NHK
月経周期を考慮したトレーニングを行い、監督と選手が気軽に話し合える環境を整えることで、女性アスリートのパフォーマンスを高められるのではないでしょうか。
まとめ|フェムテックとは?
最重要なのは、自分の健康のために定期的な婦人科検診を行うことです。
そこにプラスアルファの選択肢として、「フェムテック」が注目を集めています。
事実、大手アパレルブランドのジーユー(GU)は、洗って何度も繰り返し使える生理用の吸水ショーツの販売を開始しました。
敷居が高く、一部の人にしか知られていなかった「フェムテック」も、世の中に広まりつつあります。
「定期的な婦人科検診」「フェムテック」「企業などの社会の取り組み」で生きやすい社会を作ることが出来ます。
性別関係なく、全ての人が、社会全体で解決していこうと思うことが大切です。