ボディポジティブとは│ボディポジティブへの違和感と自分の受け入れ方
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「痩せた体型」が美しいとされる従来の価値観に縛られず、すべての人が自分を愛せるようになろうというムーブメント「ボディポジティブ」
注目される一方で、ボディポジティブの考えに違和感を感じるという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ボディポジティブに対してどのように向き合ったらよいか、自分らしく生きるためにどのように考えたらよいか、解説していきます。
ボディポジティブの広がり、そして違和感
ボディポジティブは、2012年にInstagramやFacebookなどのSNSで「#BodyPositive」をつけたムーブメントとして急速に広がっていきました。
SNSだけでなく、メディアや広告などでも扱われるようになり、大きなトレンドとなったボディポジティブ。
ファッション業界では、ボディポジティブの影響で取り扱う商品サイズを拡大するなど、多様性のある社会へと進んでいきました。
しかし、急速にボディポジティブの考えが広まると同時に、人々には様々な違和感が生まれました。
ボディポジティブ=プラスサイズの賞賛?
メディアや広告などで取り上げられるようになり、「ボディポジティブ=プラスサイズの体型を賞賛する」といった形で広まってしまいました。
「プラスサイズが素晴らしい!」といった、一部の体型の人を賞賛する運動であると誤解されるようになり、ボディポジティブ本来の理念が失われてしまいました。
ボディポジティブとは、自分の身体を肯定しようという考えです。
しかし、プラスサイズではない体型の方にとって「痩せたスタイルの否定」「プラスサイズが新しい美の価値観に追加されただけ」などの違和感を残してしまいます。
ダイエットは悪いこと?
理想を持ってそれに向かって努力することはいいことじゃないの?という違和感もあります。
理想の体型に近づきたいと考え、行動している人たちにとって、ボディポジティブは言い訳に聞こえてしまったのかもしれません。
また、ダイエットなどを含めた体型の変化は「ありのままの体を愛していない」「ボディポジティブではない」とする批判がされるようになりました。
「ボディポジティブとは自堕落に生きること?」
「理想の体を目指すことは良いことではないの?」
上記のような違和感を持つ人が増えてしまいました。
ポジティブに考えられない
自分の体をポジティブに考えること自体に疑問や違和感を持つ人もいます。
長年自分の体にネガティブな感情を抱いていた人にとって、ポジティブに「自分のありのままの体を愛すること」は難しいです。
ずっと否定的に考えてきていたものを、急にポジティブに考え直すのは力がいります。
ポジティブに考えようとするあまり、ポジティブにならなければならないという強迫観念に陥ってしまう人も出てきました。
ボディポジティブの変化
SNSを中心に広がってきたボディポジティブは、現在も広がりを見せています。
ムーブメントが広がる中で様々な違和感や誤解を生んでいたボディポジティブですが、少しづつ変化をしています。
自分の身体について「考えない」という考え方
「イエロージャケッツ」というドラマに出演するメラニー・リンスキーは、体型について考えないことが重要であるとムーブメントを発信しています。
メラニーは撮影時、制作陣に痩せるようにプレッシャーをかけられましたが、痩せないと決意しました。
痩せないと決めた背景には、視聴者の女性たちの存在があります。
様々な体型を新たな美としてとらえることは、一見ポジティブなように見えます。
しかし、新たなレッテルを貼り付けることは、本当にありのままの体型を愛することなのでしょうか。
最も大切なのは、体型を考えずに、ありのままに過ごせることです。
体型をポジティブにも、ネガティブにも見ることなく、ありのままの体型でいれることが大切だというメッセージが、メラニーの演技にはこもっています。
あらゆる体型の方が自分のことを肯定できるように、体型について「考えない」という形で差別をなくそうとするムーブメントが現れ始めました。
ありのままの姿のために
世界的なシンガーであるアデルの劇的な減量が話題になりました。
アデルはアメリカの特別番組「Adele One Night Only」で、体型の変化に対して怒りや裏切りを感じたファンがいると語りました。
ファンの発言に対してアデルは「私は今も昔もボディポジティブ。」と話し、自分の体型をポジティブにとらえるのは自分だけだというメッセージを発信しています。
ありのままとは、決して変わらないことではありません。
アデルの考えは、誤解されていたボディポジティブ界隈に刺激を与えています。
ボディニュートラルの誕生
ボディポジティブの派生として「ボディニュートラル」という考えが出てきました。
ボディニュートラルとは、自分の体に対してポジティブに愛するのではなく、自然体でいようという考えです。
「自分の体を愛せなくてもよい」「自己否定や強迫観念に陥らないことが大切である」という考えです。
自分の体にポジティブになれない方や抵抗がある方に支持され、SNSなどを通じて広がっています。
ボディポジティブのムーブメントは本来の理念を大切にしながら、時には形を変えて現在も広がっています。
正しいボディポジティブの考えを広めるには
ボディポジティブに違和感が持たれてしまったのは、正しい理解がされなかったことが原因です。
ボディポジティブは体型の差別やプレッシャーをなくして、ありのままの自分を愛するためのムーブメントです。
理念に沿った正しいボディポジティブが広まり、自分の体型を誰もが愛せる世の中にするにはどうしたらよいでしょうか。
自分を愛するためにできること
正しいボディポジティブの考えを広めるには、ボディポジティブの考えを実践していくことが近道です。
ボディポジティブを実践していく方法を紹介します。
コンプレックスと向き合う
体型のコンプレックスと向き合うことは、ボディポジティブの考えを受け入れることにつながります。
過去に他人からの批判や中傷で自分の体型にコンプレックスを持ってしまった場合、他人の判断基準で自分の体型をジャッジしてしまいます。
誰かの判断基準ではなく、自分自身の判断基準で体型の見方を変えていくことで、自分の体をポジティブにもしくはニュートラルに考えられるようになります。
実践方法がわからない場合は、自分のコンプレックスと向き合うことから初めて見てください。
自分の好きなことを知る
自分は何が好きなのか日々の生活で見つけてみましょう。
他人との比較をやめ、自分の好きなことを知ることが大切です。好きなことを探していくことは、自分を見つめ直すことにつながります。
他人との比較ではなく、過去の自分と新しい自分の比較を行いましょう。
普段食べているもの、使っているものなど、何が自分の好きなもの、ことなのか探してみてください。
ロールモデルとしてさまざまな方を起用する
ボディポジティブのロールモデルとして、さまざまな方を起用することが大切です。
これまでメディアや広告でボディポジティブのムーブメントが取り上げられる時、ロールモデルとしてプラスサイズの方が起用されることが多くありました。
メディアや広告で扱われている内容に関わらず、ボディポジティブとプラスサイズの方がセットで扱われることが多かったため、「ボディポジティブ=プラスサイズの賞賛」と誤解されてしまったと考えられます。
体型そのものに注目するのではなく、ボディポジティブは「自分の体を愛するための考え方」だと伝えていくことが大切です。
まとめ
ボディポジティブのムーブメントは、現在大きな広がりを見せています。
ボディポジティブという考えが広まっていく中で、ボディポジティブ=プラスサイズの賞賛といった誤った認識で広まってしまうなどの違和感が生まれてしまいました。
新たな違和感を生まないために、正しくボディポジティブを理解し、実践していくことが大切になります。
自分を受け入れ、自分らしくのびのびと生きていくために、ボディポジティブの考えを取り入れていきましょう。