飲食店の危機から生まれた竹製食器ETHICLE(エシクル)。循環型社会と食の温もりへの取り組み – 有限会社シンビ
飲食店やホテル向けのメニューや備品などの提供を主力事業としている、1964年創業の老舗である有限会社シンビ。現在も同事業が売上の約90%を占めていますが、新型コロナウイルスの流行という危機を契機に、新たな挑戦を始めました。
それが、竹製食器を扱う「ETHICLE(エシクル)」です。この記事ではETHICLE(エシクル)誕生の背景から、環境に配慮したエコサイクルの取り組み、そして教育・介護分野への広がりと今後の展望について紹介します。
コロナ禍における飲食・ホテル業界の苦境から生まれた新規事業

同社のメイン事業は、飲食店やホテル関係のメニューや備品の提供。しかし、コロナ禍により主要顧客である飲食店やホテルは営業制限等で大きな打撃を受けました。具体的には、飲食店が営業の休止(クローズ)に追い込まれたり、ホテルが宿泊制限を行わざるを得なくなったりするなど、非常に厳しい状況だったのです。
その状況下で新しい事業の柱として進むことを決めたのが「食器」の分野です。コロナ禍以前にサイゼリヤで木の食器を導入した経験があり、それが現在のETHICLE(エシクル)事業の原点となっています。
ETHICLE(エシクル)の食器は成長の早い「孟宗竹(もうそうちく)」や原料を抽出しつくした「ラバーウッド(ゴムの木)」などを原材料として使用。竹は非常に成長が早く、わずか6ヶ月で成木へと成長します。竹は割り箸などによく使われますが、食器として活用されることは多くありませんでした。そこで同社は「森林伐採に繋がらず、資源の有効活用ができる」という点で、竹やラバーウッドを活かすことに着目しました。
ETHICLE(エシクル)の強みは、業務用食洗器対応可能な耐久性と、軽さ・優れた洗浄性&速乾性

ETHICLE(エシクル)の最大の強みは、業務用食器洗浄機の強い水圧や高温にしっかりと対応している点にあります。一般向け製品とは異なり、飲食店の忙しい環境でも耐えられるよう作られています。サイゼリヤでは1日2〜3回洗浄しても約4年間使用できる高い耐久性が実証されています。
さらに、店舗側にも多くのメリットがあります。食器が非常に軽量なため、従業員が一度に運べる量が増え、往復回数を削減できます。また、汚れがつきにくく漂白が不要で、水切れが良くすぐに乾くことも魅力。これまで70個の在庫が必要だった店舗が50個で済むようになり在庫削減・省スペース化に成功。また食器の破損で悩んでいた施設様は破損率が下がりコストダウンにも大きく貢献しています。
幼稚園から介護施設まで。ETHICLE(エシクル)がもたらす「食」へのポジティブな変化

ETHILCE(エシクル)は、飲食を行う環境を提供する施設であればどこでも使用できます。例えば給食がある保育園・幼稚園や、三食を共にする高齢者施設などが挙げられます。幼稚園や保育園には約3年前から導入を進めており、「温かみのある食器を子どもたちに使わせたい」という意図で選ばれるケースが多く、導入実績が初年度の1施設から40施設(2026年3月時点)になり、導入いただける施設様が増えてきております。
ETHICLE(エシクル)の機能性や見た目を愛用して導入し続けている幼稚園からは陶器を使用していた時に比べ「食器の破損率がゼロになった」という驚きの報告も。また、温かい食事を素早く提供できるようになったことで保護者からの満足度も上がり、園児たちも給食をより楽しみにするようになったという声もあるそうです。
介護業界で先行導入した施設では、これまで食事の細かった高齢者の方が、竹製食器に変えたことで完食するようになった事例も報告されています。また、施設にいくつか置いている竹製のコップを「これを使って飲みたい」と順番待ちをする方もいるようです。
そのほか、社員食堂や大学の学食といった学術機関にも導入が進んでいることも忘れてはいけません。物価等々の影響を受け食材などの価格が上がる中で、食事を値上げする際、顧客に対する提供価値を高める一環としてETHICLE(エシクル)を採用いただいている施設様も多くあります。
やむを得ない値上げ、というだけの説明に留まらず、新しい顧客体験も提供したそうです。
今後の展望と、市場投入を控える新たな挑戦

同社が持っている展望は、まずは多くの企業・飲食店にETHICLE(エシクル)を知ってもらい、実際に使ってもらう機会を増やすこと。耐久性の高さやオペレーションの効率化、光熱費の削減といったトータルでのメリットはもちろんのこと、視覚的な変化+人工素材の食器には無い温もりと手触りで食事のひとときを豊かに彩り、「食べる」という行為をより楽しい時に変えていきたいと考えています。
また、現在、新たな試みとして「木製のペット用食器」の開発も進めており、某施設への導入も決定。引き続き市場投入に向けて調整を行い、今後も同様にさまざまな業界へ、温かみと実用性を兼ね備えた食器を届けていくでしょう。







