ソーシャルビジネスとは?社会課題解決と利益追求を実現するSDGsを解説

ソーシャルビジネスとは?社会課題解決と利益追求を実現するSDGsを解説
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みなさんは「ソーシャルビジネス」という言葉を聞いたことがありますか?ソーシャルビジネスは、近年注目されている事業形態のことです。

ソーシャルビジネスという言葉自体は耳にしたことがあっても、どのような活動をしているかまではイメージがつかない人も多いかと思います。

そこで本記事では、ソーシャルビジネスの特徴について事例も併せてご紹介します。

ソーシャルビジネスとは?

ソーシャルビジネスとは?

まずはじめに、ソーシャルビジネスの定義や従来のビジネスとの違いについてご紹介します。

ソーシャルビジネスの定義と特徴

ソーシャルビジネスの定義は国や人の考え方によって違いますが、ソーシャルビジネスの父と呼ばれるムハマド・ユヌス氏は「ソーシャルビジネスの7原則」として次のものを挙げています。

①ユヌス・ソーシャル・ビジネスの目的は、利益の最大化ではなく、貧困、教育、環境等の社会問題を解決すること。

②経済的な持続可能性を実現すること。 

③投資家は投資額までは回収し、それを上回る配当は受けないこと。

④投資の元本回収以降に生じた利益は、社員の福利厚生の充実やさらなるソーシャル・ビジネス、自社に再投資されること。

⑤ジェンダーと環境へ配慮すること。

⑥雇用する社員にとってよい労働環境を保つこと。

⑦楽しみながら。

引用元:一般社団法人ユヌス・ジャパン

社会課題の解決を目的とした事業

ソーシャルビジネスで最も重要なことは、地域や社会が直面している問題をビジネスによって解決することを目的とした事業ということです。

社会問題といっても内容はさまざまで、環境、子育て、ジェンダー、貧困、障がい、まちづくりなど分野は多岐に渡ります。

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経済的自立と持続可能性

社会問題の解決というとボランティアを思い浮かべる人が多いかと思います。

ボランティアは助成金や寄付金を活動資金に充てていますが、ソーシャルビジネスはそれらのみに頼るのではなく、自社で利益を生み出すことで経済的に持続可能な事業を行っていくことも特徴の1つです。

利益の再投資と社会貢献

ソーシャルビジネスでは事業活動によって生まれた利益は自社のために再投資されています。ソーシャルビジネスの最大の目的は社会問題の解決であり、利益の拡大ではないことがポイントです。

ソーシャルビジネスと従来のビジネスとの違い

ソーシャルビジネスと従来のビジネスとでは、どのような点が違うのでしょうか。3つの違いを例に挙げてみてみましょう。

利益の追求 vs 社会的インパクトの創出

まず、ソーシャルビジネスと従来のビジネスの最も大きな違いは「事業目的」です。一般的なビジネスは自社の利益を追求し事業を継続・拡大させることを目的としています。

一方でソーシャルビジネスは、社会が抱える問題の解決を最重要に考えます。事業活動を通して、社会に好影響をもたらすことをソーシャルビジネスでは追求しているのです。

株主への配当 vs 利益の再投資

多くの会社では、事業活動によって得た利益の一部を株主へ配当しています。しかし、ソーシャルビジネスでは投資家への配当は行いません。

ソーシャルビジネスでは、利益を上げた場合には従業員の福利厚生の充実や自社への再投資にまわしています。

競争 vs 連携・協働

一般的な企業では他社と競い、自社の商品やサービスをより良いものにしていくことで他社と差別化を図り、売り上げを伸ばしていきます。

対してソーシャルビジネスでは、行政やNPOなど多様な団体と互いに協力し合って社会問題の解決に尽力しています。

ソーシャルビジネスの事例

ソーシャルビジネスの事例

ここでは、国内と海外における具体的なソーシャルビジネスの事例についてみていきましょう。

国内のソーシャルビジネス事例

株式会社マザーハウス

株式会社マザーハウスは2006年に「途上国から世界に通用するブランドをつくる」というスローガンのもと、バングラデシュから事業が始まりました。

現在、マザーハウスでは生産国が6カ国、販売国は3カ国にまで事業が拡大しています。

生産地の伝統技術や特有の素材を生かしたモノづくりが行われています。また労働環境の整備を最優先事項として、福利厚生を充実させ働き手にとって安心できる職場を目指しています。

海外のソーシャルビジネス事例

グラミン銀行

グラミン銀行は、先述したムハマド・ユヌス氏が設立したバングラデシュの銀行です。

経済的に困窮している人々に無担保で少額融資を行う方法であるマイクロクレジットを提供し、貧困層の経済的自立を促す活動に取り組みました。

この支援の功績が認められ、2006年にムハマド・ユヌス氏とグラミン銀行はノーベル平和賞を受賞しました。

しかし、ユヌス氏は労働者に支払われるはずの配当が支払われていない、などにおいて2024年初頭に労働法違反の事例があったと認定され、禁固刑が言い渡されています。

参照:日本経済新聞「『グラミン銀行』のユヌス氏に禁錮刑 バングラデシュ

ソーシャルビジネスの未来と可能性

ソーシャルビジネスの未来と可能性

ここでは、ソーシャルビジネスがもつ可能性についてみていきましょう。

テクノロジーとイノベーションの活用

まずは、革新的な技術の活用について紹介します。

AI、ブロックチェーンなどの技術活用

今後、ソーシャルビジネスではAI(人工知能)やブロックチェーン(暗号技術によって取引を記録しデータの不正や改ざんを防ぐ)の活用が期待されます。

これらの新しいテクノロジーを用いることで、働き手の負担を減らし効率よく活動を進めていくことができるでしょう。

クラウドファンディングやソーシャルインパクトボンド

ソーシャルビジネスは自社で利益を上げると先に述べましたが、ビジネスのスキル不足のため活動資金が集まりにくいという側面があります。

そのためクラウドファンディング(インターネットを通じて不特定多数から支援金を集める)を活用することもあります。

また自治体や民間事業者などが連携して社会的な課題解決を目標とする、ソーシャルインパクトボンドという仕組みも注目されています。

SDGs達成への貢献

現在、世界ではSDGs(持続可能な開発目標)達成のためにあらゆる取り組みが行われていますが、ソーシャルビジネスは目標達成のためにどのようなかたちで貢献できるのでしょうか?

2つ例を挙げてみていきましょう。

持続可能な社会の実現に向けて

SDGs達成のためには、ゴミの分別やフードロス削減といった個人での取り組みも重要ですが、SDGsで掲げられた17の目標は社会が一丸となって取り組むべきものが多いです。

例えば、貧困やジェンダーの問題は個人の活動では実現が難しいですが、ソーシャルビジネスの活動により問題解決のための糸口になっていくでしょう。

企業の社会的責任(CSR)との連携

企業はCSRの活動の一環として、社会問題解決のためにさまざまな活動をしています。

営利ビジネスとソーシャルビジネスが新たに繋がりを持つことは、お互いの強みを生かし既存事業以外に活動の幅を広げるきっかけにもなります。

ソーシャルビジネスとCSRを掛け合わせて、新たな事業を始めた企業もあります。

earth-ismでは、企業のサステナブルな取り組みやCSR活動を紹介しています。詳細はこちら

まとめ|ソーシャルビジネスでより良い社会を

まとめ|ソーシャルビジネスでより良い社会を

現在、環境や貧困など社会が抱えているあらゆる問題は深刻化しています。私たちが住む街や社会がより良いものになるよう、ソーシャルビジネスの活動は行われているのです。

SDGsに対する人々の意識が高まっている昨今、ますますソーシャルビジネスの活動は必要とされ、広まっていくことでしょう。

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