エコスクールとは|事例と認定校をご紹介
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学校教育の現場にも、環境への取り組みが広まっている事例のひとつとして国の進める「エコスクール」があります。
エコスクール推進の背景には、気候変動に対応するために掲げられているいわゆる「2050年カーボンニュートラル」達成へ向けて学校の現場においても環境配慮型の施設建造物整備や次世代の担い手たちへ向けて環境教育が求められていることがあります。
今回は国内のエコスクールについて、実際の事例を交えて紹介していきます。
エコスクールとは
エコスクールとは、平成9年より文部科学省が中心となり取り組む環境を考慮した学校施設のことです。
施設自体に環境負荷を抑える工夫を実施する他、施設を中心に子どもたちの教育へ生かすことで地域の発信拠点とすることが期待されています。
エコスクールのポイント3つ
エコスクールの整備にあたっては、以下の3点に留意するべきとされています。
1 施設面への留意「やさしく造る」
- 学習空間、生活空間として健康かつ快適であること
- 周辺環境との調和
- 環境への負荷を低減させる設計、建設とする
2 運営面への留意「賢く・永く使う」
- 耐久性やフレキシビリティの配慮すること
- 自然エネルギーの有効活用
- 無駄なく効率よく使うこと
3 環境面への留意「学習に資する」
- 環境教育への活用
エコスクールプラスとの違い
エコスクールの中でも、特に先導的な取り組みを行う1,126校 がエコスクールプラスとして認定されています。(平成22年12月現在)。
市町村が対象となる公立学校をエコスクールとして整備するとき、基本計画の策定を行い文部科学省、農林水産省、国土交通省、環境省と協業し施設整備を進めます。
その後のライフサイクルでは維持運用を行いながら環境教育へ活用されるものです。
エコスクールプラスに認定されると、施設整備時に関係省庁による補助支援を受けることができる他、ZEB Readyに該当事業には文部科学省から単価加算措置(8%)の支援を受けることができます。
エコスクールプラス8つの事業タイプ
また、エコスクールプラスは大きく8つの事業タイプがあります。
- 太陽光発電型
- 太陽熱利用型
- その他新エネルギー活用型(風力、地中熱、バイオマス熱など)
- 省エネルギー・省資源型(断熱化・日よけ・省エネ型設備やエネルギー消費管理システムなど)
- 自然共生型(緑化)
- 木材利用型
- 資源リサイクル型
- その他(自然採光・換気)
これらの事業タイプを複合的に活用し新規建設や既存施設の整備が行われています。
認定校 をご紹介
エコスクールの概要が分かったところで、認定校の具体的な取り組み内容を見ていきましょう。
埼玉県狭山市立入間山小学校
太陽光、風力、水力エネルギー3つの利自然エネルギーを活用した設計が特徴。
自然豊かな入間川に隣接した立地を生かし湿地・草地のビオトープを形成していることで、生徒が植物や水生生物を身近に感じることができ関心を高めることができます。
宮崎県日向市立平岩小中学校
日向市の日照時間の多さを生かした太陽光発電や、豊富な地元木材を建材に取り入れるなど地域特性を生かした内容です。
太陽光発電による発電量やCO2削減量表示装置を生徒の見える場所に設置しています。
山形県山形市立第一小学校
自然共生型 を軸とし改築された同校では、毎月保護者や地域住民とともに行う資源回収など「一小エコプラン」を命名された児童たちによるアクションプランが展開されています。
廃油のバイオディーゼル活用などの環境学習も盛んです。
実際の事例と効果をご紹介
教材としてのエコスクール活用事例
愛知県瀬戸市立品野台小学校
山に囲まれた立地を生かした平屋建ての校舎には太陽光発電システムや雨水利用設備が採用されています。
特徴的なプログラム例として学校ビオトープとして整備された水田に田植えを行ったり、太陽光発電量を生徒がグラフ作成することなどが挙げられます。
福島県いわき市立中央台南中学校
いわきニュータウンの新設校として、モデル校となることを目標に建設されました。
中庭を中心とした配置や自然採光が採用されています。
雨水利用についての調査・発表や学校紹介ビデオに環境配慮設備の内容を紹介するなどの取り組みが生徒によって行われています。
福井県南越前町立南条小学校
太陽発電設備や風力発電機、水力発電や太陽熱給湯などの自然エネルギー教材や中庭のビオトープなど様々な教材へ利用可能な設備を備えています。
代表的なものは校舎の赤いレンガ。
生徒が回収したビンをリサイクルした建材です。
環境・エネルギー教育における事例
福岡県田川郡糸田町立糸田小学校
地熱、太陽熱、雨水の自然エネルギー利用を設備に盛り込んだエコスクールです。
エコシステム用電子掲示板を採用したことで、低学年から可視化されたデータを用いて効果を実感することができます。
低学年には図式化したグラフィックを用いた教育を、高学年にはエネルギーや木材利用・資源循環教育が行われています。
鳥取県日吉津村立日吉津小学校
太陽光発電や太陽電池を主力にエコスクール化を行ったことをきっかけとし、同校の環境教育が加速しました。
具体的には中国電力による新エネルギー、電気自動車などの内容を盛り込んだ出張授業、イオン店舗のエコ活動見学が行われた。
これらの知見を身に付けた生徒たちは、学校の消費電力についても学び節電を呼びかける活動へと発展しました。
滋賀県東近江市立箕作小学校
省エネルギー、資源リサイクル等を子ども視点でもわかりやすく・身近に感じることができるよう整備されました。
毎日使用する机椅子のセットに県産材を採用し、環境を考えるきっかけをつくる一例としました。
エコスクール事例について
エコスクール認定事例について紹介しました。
校舎や設備の工夫がなされているからこそできる、発電データの観測や自然体験などを通して生徒たちが具体的なCO2削減方法や自然との共生について学ぶことができる先進的な取り組みがなされています。
まとめ
大枠では低炭素社会へ向け、エコスクール事業は推進されてきました。
個人や企業に一層の努力が求められている中、学校においても施設面のCO2削減が必要な時代です。
学校ごとに地域の自然や立地などの特性を生かし、多様なエコスクール事業が普及しつつあります。
様々なステークホルダーと連携を持ちながら、社屋のエネルギー効率を向上し教育にも密着した学校作りがますます期待されますね。
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