ヴィーガンバターとは?体に悪い?原料や種類、バターとの違いを解説
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近年、フードダイバーシティの浸透から注目が高まっている「ヴィーガン」。皆さんもこの言葉を目にする機会が増えたのではないでしょうか。たまたま手にした美味しそうな食品がヴィーガン向けの食品だった、ということもあるかもしれません。
動物由来の製品を避けるヴィーガン食は温室効果ガス排出の低減、動物の命の尊重、慢性疾患のリスクを低減などの効果が見込めるため注目されています。最近ではアイスクリームやチョコレートなどのスイーツだけでなく、ハンバーガーやラーメンなどもヴィーガン対応のお店や商品が増えてきました。このように注目されているヴィーガン食のなかでも、今回はヴィーガンバターについて紹介します。
ヴィーガンバターとは
一般的なバター(以下、動物性バター)は牛乳を原料にしていますが、ヴィーガンバターは動物由来の食材を使用せずに作られています。
そのため牛乳・乳製品アレルギーの人々にとっても食事の幅を広げるアイテムのひとつとして重宝されています。
少し前までは、動物性バターの代替品になるようなものは見当たりませんでしたが、最近では味わいや食感などが動物性バターに近いものも登場しています。
またヴィーガンバターとひと口にいっても、さまざまな原料から作ることができるためその種類は豊富です。動物性バターに近いものもあれば、食感や香りが特徴的なものもあるので、好みや使用用途によって選ぶ楽しみがあります。
ヴィーガンバターの種類を紹介
ヴィーガンバターの種類は豊富ですが、今回は手に入りやすく初心者でも使いやすい4種類のバターを紹介します。
豆乳バター
大豆から作られたバターで、動物性バターに似たクリーミーさがあります。
ヴィーガンバターが初めての人や、動物性バターに近い味や口当たりのものを探している人には豆乳バターがおすすめです。
お菓子やパン作り、料理など幅広い用途に使用できます。
ココナッツバター
ココナッツの果肉をすりつぶしてペースト状にしたバターで、ほのかなココナッツの香りや甘さを楽しめます。
同じような食品にココナッツオイルがありますが、これは果肉からオイル部分だけを抽出しているのでバターとは異なる食品です。
ココナッツバターは食物繊維やビタミンなど、果肉に含まれる栄養素も摂取できるので、ヘルシーな食材としても注目されています。トーストに塗るバターとして、クッキーなどのお菓子作りの材料としても相性が良いです。
アーモンドバター
アーモンドを細かく砕いてペースト状にしたバターで、ナッツの香ばしい風味が特徴です。
なめらかなペースト状のものや、砕いたアーモンドのザクザクした食感を楽しめるものもあるので、好みに合わせて選ぶとよいでしょう。
トーストやパンケーキに塗ったり、焼き菓子の材料に使ったりするのがおすすめです。
カシューナッツバター
カシューナッツから作られたバターで、まろやかさやクリーミーさが特徴です。
料理のコク出しや、マスタードやレモン汁などと合わせてドレッシングにも使用できます。
もちろんパンやクラッカー、パンケーキに塗っても美味しくいただけます。乳化剤を使用していないナッツ系のバターはオイルと分離するので、しっかりと混ぜてから使用してください。
ヴィーガンバターは体に悪いって本当?
ここまでヴィーガンバターについて紹介してきましたが、体に悪いという話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
基本的にヴィーガンバターは植物性由来の素材を使っているため、カロリーが少ないのが特徴です。
また、バターよりも飽和脂肪酸が少なく、肥満や心臓病リスクの改善につながる不飽和脂肪酸が多くなっています。
そのため、健康やダイエットのためにヴィーガンバターを選ぶ人も増えてきています。
では、なぜ体に悪いと言われることがあるのでしょうか。
その理由は、市販のヴィーガンバターの中には、ヘルシーとは言い難い乳化剤や着色料、人工的な味が多く使われているものがあるためです。
ヘルシーで栄養価の高いヴィーガンバターですが、購入する際にはよく成分を確認する必要があると思います。
この記事の下部では、実際に購入する際におすすめのヴィーガンバターを紹介しているので、ぜひ最後まで確認してみてください。
動物性バターとの違いは?実際に比べてみた
実際に動物性バターと比べてみました。今回検証したのは豆乳クリームバター「ソイレブール」です。50年以上も大豆を研究している不二製油会社が、大豆本来のうまみを引き出す技術で作った豆乳クリームバターです。ソイレブールには低塩タイプ(食塩含有量0.2%)もありますが、今回は通常の有塩タイプ(食塩含有量0.5%)を使用しています。
★保存方法
動物性バターは冷蔵保存が一般的ですが、ソイレブールの保存方法は冷凍です。使う分だけ取り出して、残りは再度冷凍庫で保存できます。ちなみに動物性バターも使いきれない場合は、酸化を防ぐように密閉して冷凍保存すると長持ちします。
★見た目
動物性バターは黄色味があるのが特徴ですが、ソイレブールの見た目は白いです。質感は動物性バターと同様にマットでしっとりしています。
★かたさ
まずは冷凍庫から取り出した直後にナイフでカットしてみました。どちらのバターもカットするには少しだけ力が必要でした。カットしたバターをスプーンですくうと、ソイレブールのほうが若干滑らかでバニラアイスをすくっているような感覚でした。その後、15分ほど常温で置いておいたところ、動物性バターは引き続きかたく、ソイレブールは指で軽く押すと跡が残るくらい柔らかくなっていました。柔らかくなっていたものの、溶けるほどではありません。
★香り
大豆特有の香り、大豆臭さなどは感じられませんでした。油特有の香りは感じられますが、動物性バターよりも強くありません。
★味・コク
何も加えない、そのままの状態で味見をしてみたところソイレブールのほうがまろやかで、口どけが早くあっさりとしています。また、動物性バターよりも少ないもののコクも感じられました。ヴィーガンバターにコクは期待できないと思っていたので驚きました。また、動物性バターの食塩含有量は1.6~1.9%のため、塩味は動物性バターのほうが強く感じます。
★トーストに塗る
トーストに塗ってみました。ソイレブールのほうが柔らかく塗りやすかったです。溶けやすく、トーストにも早くしみ込みました。あっさりとした味わいで、香りやコクなどは動物性バターと異なると実感しますが、マーガリンのような口当たりでパン好きの筆者もおいしくいただけました。
★バターソテーを作る
2つのバターの違いが分かるよう、シンプルにほうれん草のバターソテーで検証してみました。ほうれん草2束に対してバター10gで炒め、その他の味付けはしていません。出来上がったソテーを比較してみると、動物性バターのほうが塩味とコクが際立ちます。ソイレブールのバターソテーはクセがない分、ほうれん草の旨味を感じられました。また塩味が薄いので好みの味付けを調整しやすいです。こってりした料理が苦手な方はソイレブールのほうがおすすめです。
実際に購入する際におすすめのヴィーガンバター商品3選
ヴィーガンバターを食べてみたくなった方におすすめの商品を3つご紹介します。どれもAmazon等のネットショッピングでも購入できるので、ぜひ挑戦してみてください。
マリンフード 芳醇植物バター
動物性原材料不使用にもかかわらず、乳製品のバターに劣らない濃厚さがある植物バターで、濃厚な味わいと旨みがあり、軽い風味が特徴です。
詳細:芳醇植物バター 450g
植物油脂 ソイレブール 不二製油 豆乳クリームバター
豆乳クリームのバターで、生乳の分離法に近い方法で大豆を分離する世界初の特許製法であるUSS製法で作られています。丸大豆の成分をそのまま損なわずに分離するので、安心・安全面でも注目されている新素材です。
詳細:植物油脂 ソイレブール 不二製油 豆乳クリームバター
ナチューリ プラントベース 有機スプレッド
有機プラントベースは植物性原料だけで作られているのに、バター代わりに使うと、同じく植物由来のマーガリンやオリーブオイルなどよりもコクが出て美味しくなるそうです。スムースタイプで塗りやすいのも特徴です。
詳細:ナチューリ プラントベース 有機スプレッド
まとめ
今回はヴィーガンバターについてご紹介しました。
牛乳を原料にした、一般的なバターとは違い、ヴィーガンバターは動物由来の食材を使用せず作られています。
植物由来の食材を使用しているため、カロリーが少なく、肥満や心臓病のリスク改善につながる不飽和脂肪酸が多く使用されていますが、市販のヴィーガンバターの中には、着色料や人工的な味が使われているものもあります。
地球にやさしい行動の一つとして、原料や製品ラベルを確認しながら、自分の好みに合ったヴィーガンバターを探してみてはいかがでしょう。