SDGsに取り組んでいる女性に人気のファッションブランド4選
近年、多くのアパレル企業がSDGsを意識した洋服の生産を行っている他、独自の取り組みを展開しています。
その背景には、企業が抱く環境への負荷に対する懸念だけでなく、消費者意識の変化もあると考えられます。
そこで本記事では、ファッション業界が環境にどのような負担をかけているのか確認した上で、現代の女性たちの洋服の購入頻度やSDGsの取り組みを行っているファッションブランドなどについて見ていきましょう。
SDGsとファッション業界の関係性
ファッション業界は、環境に大きな負担をかけているといわれています。
その原因として、洋服の製造過程における資源の消費や、過剰在庫と破棄などが挙げられます。
原材料の調達ではコットンなどの天然素材の栽培で使われる化学肥料によって土壌を汚染し、膨大な量の水を消費しています。ポリエステルの製造では工場からCO2を排出しています。
また、在庫を多く抱えており、売り切れなかった洋服は破棄するブランドもあります。洋服を焼却処分する際にはCO2が排出されます。
現代女性は洋服をどのくらい消費している?
2017年5月、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社はTカードを利用する18~69歳の男女(1,600名)に「ファッションに関するアンケート調査」を実施しました。
この調査の結果によると、洋服の購入頻度が2~3カ月に一回と回答した人が男女ともに30~35%で最多に。
また、女性に関しては、月に一回の頻度で洋服を購入すると回答した人は20%以上でした。
同調査によると、男性の約30%が洋服を擦り切れるまで手放さないと回答している一方、擦り切れるまで洋服を手放さないと回答した女性は男性の半分程度でした。また、30%近くの女性が洋服を2~3年で手放していると回答しています。
この調査の結果から洋服をシーズン程度(春夏秋冬)や1年程度で手放す人は男女ともに少ない(5%以下)ものの、多くの人たちがたくさんの洋服を消費していることが分かります。
女性に人気のアパレルブランドもSDGsに取り組んでいる
女性に人気のアパレルブランドを5つ取り上げて、各企業のSDGsの取り組みを紹介します。
通勤着にも普段着にもなる洋服を取り扱っているブランドも紹介しますので、洋服を購入する際の参考にしてみてください。
銀座かねまつ
引用元:銀座かねまつ
国内各地に店舗があり、幅広い年齢層の女性が利用している靴屋です。
銀座かねまつは「捨てない。私のサステナブル #530(ゴミゼロ)」という取り組みを実施しています。この取り組みでは不要になった銀座かねまつの靴のリユース(フリマアプリへの出品など)をサポートしています。
顧客が履かなくなった銀座かねまつの靴を、一律2,000円(2,000 円OFFチケットを渡しているため実質無料)で修理します。
リユースでの購入者に対しても銀座かねまつはフォローしています。購入した靴が不要になったら最寄りの店舗で下取りを行います。このとき、メンテナンス証明書(下取りサービスチケット付き)を受け取ることができ、証明書を利用すれば新しい商品を500 円割引で購入できます。
ロンシャン
引用元:ロンシャン
ロンシャンは1948年にフランスのパリで創業したブランドです。
上品なデザインや優れた耐久性が支持され、日本でもロンシャンのバッグを使っている人は多いです。
ロンシャンは、メゾンで使用する全てのナイロンを2023年までにリサイクルナイロンに切り替えることを目標にしています。リサイクルナイロンを使用したバッグ、ル プリアージュ® グリーンはすでに国内の店舗やオンラインストアでも購入可能です。
バリー
引用元:バリー
バリーは上質なバッグや洋服などを手掛けるイタリアのブランドです。
日本においても百貨店やアウトレットなどに多数出店しており、サラリーマンやOLから特に人気を集めています。
バリーはBally Peal Outlookというプロジェクトの実施など、環境に配慮した製品の生産を目指しています。人々の地球温暖化に対する意識の向上を目指しており、リサイクル原料を用いたウェアやアクセサリーの他、環境にやさしい合成繊維を用いた手袋やマフラーなども取り扱っています。
テンドレ
引用元:テンドレ
テンドレは、ベイクルーズが運営するプラージュから新ラインとしてデビューしたブランドです。
残糸や残布をアップサイクルするプロジェクトを実施しているライテンダーに依頼し、商品の生産を行っています。ニットにはリサイクルウールやリサイクルカシミアなどがブレンドされています。
どこか遊び心を感じられるデザインのニットやシンプルで上品なニットなど、さまざまなデザインのニットを扱っています。
フォクシー
引用元:フォクシー
フォクシーは上質でエレガントなデザインを好む女性から愛されているアパレルブランドです。
上質な洋服を好む顧客が多いフォクシーの店頭にはカシミヤのニットや上質なファーがついたコートが並んでいます。
そうしたなか、ヴィーガン(シルクカシミヤ)ファーが付いたアイテムが今冬初めて登場。ホンモノ思考の顧客も納得のなめらかな肌触りです。
近年、ハイブランドの多くがエコファーに注目していますが、フォクシーもこうした流れにのっていると考えられます。
まとめ
近年、私たちのファッションに対する意識は大きく変化しているといえるでしょう。節約のために洋服を購入する頻度を減らしている人は多いです。また、動物たちのことを考えてリアルファーやレザーに嫌悪感を抱く人も増えています。
その他にも、洋服を購入する選択肢の一つにフリマーマーケットアプリが含まれるようになりました。
アパレルブランドの中には消費者の洋服に対する意識の変化に応じるかのように、地球環境や動物たちに配慮した製品を生産する企業や、環境保全に向けた取り組みを実施する企業も少なくありません。
今後、私たちには地球環境に配慮した上でファッションを楽しむことがより一層求められるようになると考えられます。