オリンピックで進むSDGs|観客も参加できる取り組みを紹介【2024最新版】

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4年に一度開催されるスポーツの祭典であるオリンピック。

SDGsとスポーツには深い関わりがあり、SDGsの目標達成には、スポーツが重要な役割を果たすといわれています。

オリンピックという世界中が注目する大規模なイベントにおいて、SDGsに配慮した取り組みを行うことは、人々が社会問題に関心を持つきっかけとなります。持続可能な社会への貢献のためにも、世界的な影響力を持つオリンピックでSDGsを発信していくことは、非常に重要です。

2024年には、SDGs先進国であるフランス・パリでオリンピックが開催されました。本記事ではパリ大会での取り組みにも触れつつ、オリンピックをさらに多様な角度から楽しめるよう、SDGsとオリンピックの関係性についてご紹介します。

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オリンピックにおけるSDGsの具体的な取り組み

オリンピックにおいてどのようなSDGsの取り組みが行われているかを紹介します。大きく分けて3つあるので、それぞれ詳しく見ていきましょう。

環境への配慮

オリンピックを開催するうえで、環境への配慮は欠かせません。

過去には、電気自動車・水素自動車の活用、ゴミのポイ捨て廃止キャンペーンや植林活動を行った大会もありました。このように、開催地に選ばれた都市は、大会がもたらす環境への影響を少なくするために多種多様な対策を講じているのです。

多様性と包容性

オリンピックには世界各国から選手や観客が訪れます。人種、肌の色、性別、言語や宗教などはさまざまですが、多様な個性を認め合い、お互いに尊重し合うことが大切です。

その取り組みの一つとして、選手村では、選手の食習慣や好みに合わせてベジタリアン向けのメニューや宗教上の食に配慮された食事が提供されています。

また、男女が平等に大会に参加できるよう、開会式の旗手は男女1名ずつで行うことが奨励されています。

地域社会への貢献

オリンピック開催中は、多くの人がボランティアとして活躍し、大会を支えています。ボランティア活動への関心の高まりは、地域社会に対する貢献意識の向上に繋がります。

大会後もボランティア活動を継続していくことで、地域の活性化や安心して暮らせるまちづくりにも発展していきます。

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過去のオリンピックでのSDGsの事例

過去のオリンピックでは、どのようなSDGsへの取り組み事例があったのでしょうか。東京2020大会とロンドンオリンピックを例にしながら紹介します。

東京2020大会


引用元:オリンピック競技大会公式サイト

東京2020大会は「Be better, together(より良い未来へ、ともに進もう)」を大会の持続可能性コンセプトとし、節電や燃費の良い車両の導入などといった多くの対策が実施されました。

また、新型コロナウイルス感染症の影響により、ほとんどの会場は無観客で試合が行われたため、CO2排出量は80万トン減少したといわれています。

さらに同大会では、日本全国より回収された小型家電から抽出した金属を利用し、リサイクル率100%で全てのメダルが製作されました。国民が気軽に参加できるメダルプロジェクトは、人々が環境問題に意識を向けるきっかけづくりの役割も果たしたといえるでしょう。

ロンドンオリンピック


引用元:オリンピック競技大会公式サイト

2012年には「オリンピック史上最も環境に配慮した大会」の実現を目指したロンドンオリンピックが開催されました。

競技場や関連施設が集中する予定となっていたエリアは、化学物質による土壌汚染が危惧されていましたが、当時最新技術を用いて浄化を行い、利用可能な土地へと再生されました。

また同大会で使用された食品用容器には、バイオプラスチックという堆肥化可能な素材が取り入れられるなど、環境に配慮した取り組みが行われました。これらの取り組みは世界から賞賛を集めています。

パリ2024大会|今後のオリンピックとSDGs


引用元:TEAM JAPAN公式サイト

パリ大会は、環境問題に配慮した持続可能な大会にすることを目標に掲げています。

今大会ではペットボトル飲料の販売は禁止されているため、マイボトルなどの持参が必須です。競技場で提供されるグルメも環境に配慮されており、リサイクル可能な食器の使用や包装は脱プラスチックなど、こだわりが感じられます。これらの取り組みは、ごみを減らし、CO2の排出量を抑えることを目的としています。

また、パリを含むオリンピック開催都市は、大会後の「レガシー(次世代に引き継ぐもの)」を重視しています。サステナブルな社会の実現のためにできることを一つずつ実践し、その想いを次世代の子どもたちに伝えていく考え方です。オリンピックはスポーツを通してSDGsの必要性を未来に継承していける絶好の機会、といえるのではないでしょうか。

スポーツは国籍、言語やジェンダーなどのあらゆる枠を超え、心を一つにできるものです。

スポーツのもつ力を活用し、一人ひとりが意識や行動を変えていくことが、SDGsの目標達成や今後の持続可能なオリンピックの実現にも繋がっていきます。

SDGsの達成のために私たちができること

私たちが観客としてSDGsに貢献する方法として、環境負荷の少ない公共交通機関を利用しての移動が挙げられます。また、エコバッグの持参や、会場ではゴミを分別してリサイクルすることも環境に配慮した取り組みといえます。

これらはオリンピック期間だけに関わらず、日常生活でも簡単に取り入れられます。オリンピックをきっかけにSDGsを身近なこととして考え、日頃の生活スタイルを見つめてみる機会にしてみるのはいかがでしょうか。

まとめ

オリンピックは、スポーツの祭典という側面のみならず、SDGsを達成するための大きな役割を担っています。

世界的なイベントゆえに社会や環境への影響も大きいですが、世界が抱える問題に目を向ける契機にもなります。

大会中は選手たちの熱い戦いから目が離せないですが、オリンピックを通して一人ひとりが持続可能な社会のためにできることを考え、小さなことからでもアクションを起こしていけたらよいですね。

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