巨大企業GAFAが日本で行っているCSR活動とは
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世界を席巻している企業がどのようなCSR活動を行っているのか、皆さんは知っていますか?
企業規模が大きければ、その活動も私たちの思いつくCSR活動とは全く異なるのでしょうか。
それとも、日本の企業と意外と同じようなことをやっていたりするのでしょうか。
そんな疑問を抱いて、名前を聞いたことのあるグローバル企業のCSRを調べてみようと思って検索をかけたのですが、、、英語で書かれたCSR Report、ESG Reportしか見つかりませんでした。
DeepL翻訳を使えば、意味は取れるのでしょうが、それだけの労力をかけられずに断念。
ですので、今回はグローバル企業が日本で独自にどのような取り組みをしているか調査してみました。
今回、調べてみたのは米国のIT関連大手企業であるGAFAの4社です。
公表されているものを基にして、記事にしているので、ここに書かれた内容以外のこともやっている可能性はあります。
それでは、それぞれの取り組みを見ていきましょう。
デジタルを使って社会課題に取り組むGoogle
Googleの取り組みの特徴は、障がい者と人材育成です。
Googleでは障がい者の採用を積極的に行っており、今年7月には障がい者の方向けに、実際に働いている障がいを持った社員の方々が説明をする会社説明会を実施しています。
渋谷オフィスで行い、オンラインからも参加できるようになっていました。
また、説明会の後に、渋谷オフィスに参加した人たちには懇親会もあったようです。
さらに、視覚障がいのある人に向けて「Project Guideline – 誰もが自由に、思うままに走れるために。」も行っています。
これは、視覚障がいのある人がGoogle AIの力で、一人で走れることを目指すプロジェクトです。
日本では、日常的に運動をしている人は約6割と言われていますが、視覚障がい者に限ると約3割にとどまってしまいます。
このように、通常であれば、視覚障がいがあると走ることが難しいのですが、その課題をテクノロジーの力で解決しようという試みです。
実際に、このプロジェクトは成功をしており、6人のチームでデジタルタスキを繋ぐバーチャル駅伝レース「ASICS World Ekiden 2022」に、視覚障がいのあるランナーだけで参戦し、42.195kmを4時間29分44秒で完走しています。
一般の人でもマラソンを4時間台で走ることはトレーニングをしないと難しいことなので、6人で走ったとは言え、素晴らしいタイムだと思います。
人材育成では、日本リスキリングコンソーシアムを昨年6月に立ち上げています。同業のMeta(Facebook)やSalesforceなども参画する一大プロジェクトです。Google 1社だけでなく、他の民間企業のほかに、国や地方自治体も巻き込んだプロジェクトで、あらゆる人材のスキルを今後の社会/ビジネス環境が求めるものに“アップデート”する「リスキリング」を率先して進めていきます。
設立当初は、グーグルの日本法人など49団体で発足しましたが、現在では、会員6万人、180パートナーとなり、1000以上のプログラムが用意されています。
そのほかに「Grow with Google」というプロジェクトでは、中小企業のデジタル人材の育成の支援をしています。
全国各地で実施しており、受講者 は1000 万人を突破しています。このようにデジタル人材の教育という点で、Googleは中心的な位置を獲得しています。
グローバルの活動は表に出ているが、日本独自の動きが見えないApple
Appleについては、グローバルで慈善活動や、カーボンニュートラル、リサイクルなどの活動を行っています。
しかし、日本法人独自の活動となると、公開されているものは見つけられませんでした。
メタバースのサポートに力を入れるMeta(Facebook)
Meta(Facebook)は、デジタル教育と仮想空間・仮想現実に関するサポートを行なっています。
デジタル教育では、グローバルで「みんなのデジタル教室」を展開しており、日本でも中学生と高校生を対象とした出張授業を行なっています。
デジタル社会で求められるスキルを身につけるためのリソースをMetaが無料で提供しています。
これまでに全国で延べ24,000人以上の中高生が受けているということです。
また、大阪府と、情報リテラシーの向上・魅力発信・中小企業振興・起業家支援・地域コミュニティの活性化など6分野にわたって連携と協働に関する包括連携協定を締結しています。
中小ビジネスや、観光ビジネスなどのセミナー、行政職員の情報リテラシーセミナーなどを行なっているようです。
メタバースを活用した活動では、学校法人角川ドワンゴ学園と連携して、N高等学校・S高等学校の生徒たちがVR空間で学園ドラマを制作・撮影をサポートしています。
このプロジェクトでは、生徒たちがVR空間で未来の学園生活を描いた約3分~5分のショートドラマを制作。
約20人の生徒が参加し、4つの制作グループに分かれて日本発のメタバースプラットフォームcluster(クラスター)を用いてドラマを制作します。
また、VRを活用した福祉プロジェクトも行なっています。
高齢者福祉施設においてVR空間で疑似旅行を行う「VR旅行」の取り組みをしている登嶋 健太氏と、自治体と連携し、各地域でVR旅行のコンテンツ作成ワークショップ、福祉施設でのVR旅行体験会を実施。シニアの地域社会とのつながりの強化と、コミュニティづくりをサポートしています。
まずは岩手県盛岡市と兵庫県神戸市でワークショップを実施していっています。
社名をMetaに変更したように、メタバースやVR、ARといった観点からサポートをしていっています。
物流拠点を中心としたAmazon
Amazonは物流を中心にしたサポートと、学生への職業体験のサポートを行なっています。
例えば、自然災害の復興支援では、2019年の長野県の豪雨災害、2016年の熊本地震、2011年の東日本大震災などでボランティア活動を展開。
子どもたちや家族への教育機会の提供、食料や基本的物資の提供などを行っています。
また、トラック1台分の寄付品を被災地へ配送したり、アマゾン ウェブ サービス(AWS)による仮想サーバーの無償提供、AWSユーザーコミュニティによるウェブサイト構築を支援したりしています。
学生への職業体験では、Amazonの撮影スタジオと、文化服装学院(東京)がコラボレーション。
ファッション業界を目指す学生たちが、Amazonの撮影スタジオで、モデルやスタイリストなどのプロフェッショナルたちの仕事を体験。
商品の準備や商品撮影のためのスチームがけといったスタイリストの仕事、実際に商品を着用したイメージ写真のモデルを体験できるようになっています。
そのほか、Amazonが展開するSTEM教育プログラムで、子どもたちが各地のAmazonの物流拠点を訪れることができるようにするなど、職業体験の機会を作っています。
まとめ
GAFAの日本でのCSR活動を調査した結果、国内企業の取り組みと似た活動だけでなく、大企業ならではで、かつ各社の特徴が発揮された活動を行っていることが見受けられました。
世界を牽引していく大企業の今後の活動に注目していきたいですね。