フェアトレードとSDGsの関係とは?地球と人にやさしい取り組み
Contents
近年、「フェアトレード」や「SDGs」といった言葉を頻繁に耳にするようになりました。
どちらの取り組みも地球環境や人に配慮を行う取り組みという点で共通しており、よりよい未来の創出を目指すものです。また、「フェアトレード」や「SDGs」は採択の段階においても連動性があります。
今回はフェアトレードとSDGsの関係について解説します。
あわせて、本記事の最後にはフェアトレードとSDGsが関係している取り組みの例として、スターバックスコーヒーを紹介します。
フェアトレードとSDGsとの関係
2015年9月、国連サミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。そして、2016年から2030年までの期間における国際目標として「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」が掲げられました。
「持続可能な開発目標」は、「SDGs」として日本でも多くの人たちから知られています。
こうした流れの中で、国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)は2016年3月に欧州委員会の戦略的パートナーに選出されました。選出後、国際フェアトレードラベル機構は欧州各国でのSDGs達成に向けた活動に携わっています。
フェアトレードで持続可能な開発を目指す
フェアトレードは、発展途上国で暮らす人々の生活支援や貧困からの脱却を大きな目標としています。
先進国は発展途上国の生産者から適性価格で商品を購入し、売り手の自立を促し、その国を発展させていかなければならないとされています。
フェアトレードの目標は、途上国の人々の貧困脱却だけではありません。国際フェアトレード認証基準の中には「生産者の組織化によるコミュニティ開発」や「自然環境に配慮した農法による環境保全」も含まれており、人だけではなく、環境に対する配慮も考慮されているのです。
そして、SDGsで持続可能な未来の創出を目指しているように、フェアトレードにおいても未来のためのあらゆる取り組みが推進されています。
フェアトレードに関わるSDGsの目標
SDGsで掲げられている目標を達成する上で、フェアトレードにおける取り組みは効果的です。
フェアトレードに関わるSDGsの目標として、主に下記の6つを挙げられます。
- 目標1. 貧困をなくそう
- 目標2.飢餓をゼロに
- 目標5.ジェンダー平等を実現しよう
- 目標13.気候変動に具体的な対策を
- 目標16.平和と公正をすべての人に
- 目標17.パートナーシップで目標を達成しよう
それぞれ詳しく解説します。
目標1. 貧困をなくそう
フェアトレードは発展途上国と公正な取引を行い、途上国の人々に利益を適切に配分することを重んじています。SDGsの目標である「貧困をなくそう」に通じているといえます。
途上国の生産者と労働者の権利を守ろうとしているのが、「フェアトレード」と「SDGs」です。
目標2.飢餓をゼロに
フェアトレードの取引条件では、生産者と労働者が持続可能な生活が可能であるかが重視されています。途上国において農業に携わる人たちの自立支援が重んじられているのです。
フェアトレードにおける生産者と労働者の暮らしへの配慮は、SDGsの目標である「飢餓をゼロに」と結び付いています。
先進国は途上国と公正な取引を行うのはもちろん、取引において支援を行うことも責務ではないでしょうか。
目標5.ジェンダー平等を実現しよう
対象地域の生産者に「フェアトレード・プレミアム」という奨励金を支給する制度がフェアトレードにはあります。
「フェアトレード・プレミアム」制度を活用し、女性に職業訓練を行うなど、女性たちの地位が向上するための取り組みが実施されています。また、フェアトレードでは、職場でマネジメント的ポジションから見放されている女性たちに対する機会の創出も目標としています。
フェアトレードにおけるこれらの取り組みは、SDGsの目標である「ジェンダー平等を実現しよう」を達成するための重要な取り組みです。
目標13.気候変動に具体的な対策を
フェアトレードは「フェアトレード・プレミアム」という奨励金制度を設け、環境への負担を軽減する農法へのシフトを推奨しています。
また、気候変動やその影響を軽減するための対策も実施しています。
フェアトレードはSDGsの目標である「気候変動に具体的な対策を」の解決策を提案、および実施しているといえるでしょう。
目標16.平和と公正をすべての人に
フェアトレードは人々の権利の獲得を目指し、国際社会において格差を減らすことを目標にしています。
また、子どもの権利保護にも積極的で、児童労働や子どもの虐待の撲滅も目標です。
フェアトレードにおける人に対する考え方は、SDGsの目標である「平和と公正をすべての人に」に通じています。
目標17.パートナーシップで目標を達成しよう
フェアトレードには、SDGsの目標の達成に関連する「グローバル・パートナーシップ」があります。
例えば、フェアトレードに地域全体で取り組むフェアトレード・タウン、勉強会や販売会の開催も行われています。
また、フェアトレードは個人での取り組みとしてだけではなく、政府や企業、生産者が協同で取り組むことが重視されています。
スターバックスコーヒーから見るフェアトレードとSDGsが関係する取り組み
スターバックスコーヒーは、コーヒーの持続可能な調達100%を目指している企業です。
下記が目標を実現するためにスターバックスが行っている、フェアトレードに関する取り組みです。
- 国際フェアトレード認証のコーヒーを購入している(世界で最も多い購入率)
- 持続可能な調達に向けた独自ガイドラインの策定
- コーヒー豆の生産地にサポートセンターを開設、生産性向上を目的にした支援
スターバックスコーヒーが人にも環境にも配慮した取り組みを行っていることがわかりますね。
まとめ
「フェアトレード」と「SDGs」はそれぞれ個別のものではなく、深く結び付きがあるものです。どちらにおいても全ての人たちや自然環境に対して配慮した内容になっています。
消費者はフェアトレード製品を選択することで、SDGsに貢献できます。