日本で買えるエシカルファッションブランド5選|エシカルな取り組みも紹介
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私たちの生活に欠かせない「洋服」
「エシカルな洋服を買いたい!」と思っても、どこで買えるのか、どんなブランドがあるのか探しづらいですよね。
また、ブランドが実際にどんな取り組みをしているのか見えづらいため、自分が本当にエシカルな選択が出来ているのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、エシカルファッションとエシカルな取り組みをしているファッションブランドを紹介していきます。
エシカルファッションブランドとは
エシカルファッションブランドとは、人や地球に優しい洋服やアクセサリーを販売するブランドを指します。
具体的に言うと、下記のような生産背景をもつファッションアイテムのことを指します。
- 生産過程で環境を破壊していない
- 労働者の労働環境が整っている
- 環境によい素材を使っている
- 労働者に正当な賃金を支払っている
- 伝統的な技術を使っている
つまり、私たち消費者がエシカルファッションを選ぶことで、洋服を作っている労働者、そして地球環境を守ることができるというわけです。
エシカルファッションの基準
2006年に設立されたイギリスのエシカルファッション推進団体The Ethical Fashion Forumは、下記のような基準を設けています。
- 安く、使い捨てられるファストファッションではない
- 労働者の権利を守っている
- サスティナブルな暮らしをサポートしている
- 有毒農薬や、化学薬品の問題に取り組んでいる
- 地球環境に優しい素材を使っている
- 水の使用量を最小限にしている
- エネルギー、ごみ問題に取り組んでいる
- サステナビリティを広めようとしている
- エシカルな取り組みを公開している
- 動物の権利を守っている
各ブランドの生産背景すべてを知ることは難しいですが、洋服を選ぶときの判断基準にしてみてください。
「本当にエシカルファッションなのか」
もし自分で調べても分からないようであれば、ブランドの人に聞いてみるのがおすすめです。
ファッション業界の裏側
ファッション業界では、今まで「大量消費・大量生産」が基本でした。
私たちが普段ファッションショーで目にする通り、洋服にはシーズンごとに流行りがあり、新しいデザインの洋服が次々と店頭に並びます。
特に「ファストファッション」と呼ばれるブランドは、値段が安く、最先端のアイテムを手に入れやすいですよね。
その反面、流行りが終わった洋服はすぐに捨てられたり、安く洋服を作るために労働者に正当な賃金が支払われないといったことが起こっています。
エシカルファッションが注目されたきっかけ「ラナ・プラザ崩壊事故」
引用元:ABC NEWS
エシカルファッションが注目されるようになったきっかけは、2013年にバングラデシュで起こった「ラナ・プラザ崩壊事故」です。
当時「ラナ・プラザ」と呼ばれる8階建ての商業ビルには、複数の欧米ファストファッションブランドの縫製工場が入っていました。
死者1,000人以上、負傷者2,500人以上を出してしまったファッション業界史上、最悪の事故だと言われています。
劣悪な労働環境
ビル崩壊の主な原因は、上層階にあった発電機の振動。
ビルの上層階は違法に増築されていて、ビルの耐久性には根本的な問題がありました。
加えて、事故の前日にはビルの壁にひびが入っているのが発見され、警告も出ていました。
危険だから建物に戻りたくないと訴えた従業員に対してオーナーは「クビにするぞ」と解雇をほのめかし、仕事に戻るように指示をしています。
ビルの使用を中止するようにと警告が出されていたにも関わらず、ビルのオーナーは警告を無視し、従業員を働かせ続けたのです。
劣悪な労働環境、そして利益だけを追及したオーナーのせいで、数多くの従業員が事故に巻き込まれました。
安い賃金で働かされている発展途上の人々
崩壊事故で犠牲となった人の多くは、若い女性でした。
バングラデシュの縫製工場で働く人の平均収入は、月額37ドルと言われています。日本円にして、約4,000円です。
発展途上国には「しっかりと教育を受けていない」「スキルを身につける時間がない」などが理由で、他にできる仕事がない人が数多くいます。
そのため、安い賃金や職場でのパワハラを我慢してでも働き続けるといった悪循環が発生しているのです。
ドキュメンタリー映画「ザ・トゥルーコスト」
「ラナ・プラザ崩壊事故」を題材にしたドキュメンタリー映画「ザ・トゥルーコスト」
低価格な洋服が増えている一方で、人や環境に大きな影響をもたらしています。
華やかにみえるファッションの裏側でどんなことが起こっているのか。
詳しく知りたい方はぜひ見てみてください。
エシカルを意識した洋服の買い方
人と地球に優しい洋服の買い方は、下記の通りです。
- エシカルファッションブランドで購入する
- 素材を確認する
- 長く愛用できる洋服を購入する
- フリマアプリを活用する
それぞれ、詳しく説明していきます。
エシカルファッションブランドで購入する
どんな素材を使い、どのように生産をしているのか。
生産の過程をウェブサイトやSNSなどで詳しく発信をしているブランドから購入しましょう。
洋服が作られている背景を知ることで、長く、そして大切に使おうという気持ちになります。
日本で買えるエシカルファッションブランドは、次の章で紹介しています。
素材を確認する
環境に優しい素材でできた洋服を購入するようにしましょう。
具体的には、下記のような素材があります。
- オーガニックコットン
- リサイクルが可能な素材
- アップサイクルでできた素材
- フェアトレードで売買された素材
オーガニック認証、フェアトレード認証などの認証マークがついているか確認してみるのもおすすめです。
関連記事:アップサイクルとは?新しい価値を加え、ゴミを生まれ変わらせる方法
長く愛用できる洋服を購入する
長く使えるデザインの洋服を購入しましょう。
低価格でデザイン性が高い洋服はたくさんあります。しかし、流行が終われば着られなくなり、すぐに捨てられてしまうという問題も。
値段が高くても流行に左右されることがない、シンプルで着回しができるデザインの洋服を選ぶことで、長く使うことができます。
フリマアプリを活用する
自分の好みが変わったりして着なくなった洋服は、フリマアプリで出品しましょう。
下記が代表的なフリマアプリです。
- メルカリ
- ラクマ
- ヤフオク
自分が着なくなった洋服を必要としてくれる人が再利用してくれるので、廃棄量の削減につながります。
日本で買えるエシカルファッションブランド5選
大手ファッションメーカーは、自社のホームページでエシカルな取り組みを紹介していることも多いので目立ちますよね。
しかし、大手ファッションブランド以外にもエシカルファッションブランドは数多く存在します。
今回は、人と地球に優しいエシカルファッションブランドを5つ紹介します。
ek kadam(エーク カダム)
引用元:ek kadam
「生産者とお客様、みんながHappyに」をモットーに洋服作りをしているブランド「ek kadam(エーク カダム)」
インドにある日本のOEM生産管理として仕事をしていた代表の川本さんは、生産者に対する厳しい値段交渉や納期遅れのペナルティなど、日本のバイヤーとインドの工場のパワーバランスに疑問を感じていたそうです。
ek kadam(エーク カダム)はヒンディー語で「一歩」という意味。
インド ジャイプールでブロックプリントという伝統技法により生み出された生地は、どれもカラフルです。
まさに、新たな「一歩」を踏み出したくなるデザインの洋服や雑貨が販売されています。
Öffen(オッフェン)
引用元:Öffen
使用済みペットボトルのリサイクル糸を使用した靴を販売している「Öffen(オッフェン)」
シーズントレンドではなく、長く愛用されるデザインを目指しているブランドです。
リサイクル糸でできた靴は涼しげで、夏のお出かけにぴったり。
水洗いできる素材なので、お家で洗って、綺麗な状態を保つことができるのも嬉しいポイントです。
他にも、二酸化炭素の排出量を抑えるために生産過程でも工程を減らしたり、靴箱の代わりにリユースできるペーパーバッグを使用するなどの取り組みをしています。
kelluna.(ケルナ)
引用元:kelluna.
仕事ができなかったスリランカの女性を自社工房で雇用しているフィットネスウェアブランド「kelluna.(ケルナ)」
専門調査員として在スリランカ大使館でお仕事をしていた代表の前川さん。
スリランカでは紛争被害の影響、社会的地位、性別などの理由により女性が働くことが容易ではないため、「女性が輝ける場を作りたい」という想いからブランドを立ち上げました。
kelluna.(ケルナ)では、スリランカの女性が生き生きと仕事ができるように、スキルアップのためのトレーニングをしたり、従業員がアウトプットする場を設けるなどをしています。
また、販売しているフィットネスウェアやマスクでは、現地のデッドストック、海洋ゴミのリサイクル素材などを使用し、環境問題にも取り組んでいます。
banesh(バネッシュ)
引用元:banesh
バングラデシュ国内で洋服をつくっているアパレルブランド「banesh(バネッシュ)」
バングラデシュにある日系のアパレル検品会社でお仕事をしていた代表の飯塚さん。
現地で仕事をしている時、安い賃金で働かされている幼い子ども、ただ手を動かす機械のように働いている人々など、アパレル業界の裏側を知ったそうです。
大量生産のものづくりに慣れてしまい、品質よりも納期が重要視されていたバングラデシュですが、banesh(バネッシュ)では品質の高い洋服づくりを目指しています。
どんな人が作っているのか知ってもらいたいという想いから、洋服づくりの様子や、バングラデシュでの生産現場などをSNSで公開しています。
sulci(スルシィ)
引用元:sulci
モノづくりを通じて貧困などの社会的課題に取り組むバッグブランド「sulci(スルシィ)」
「自信と自立の道をフィリピンの女性たちに持ってもらいたい」というコンセプトのブランドです。
フィリピンのセブ島の女性を、バッグの編み子さんとして雇用しています。
購入者が作り手を身近に感じることができる工夫として、sulci(スルシィ)のホームページでは工房で働いている編み子さんのプロフィールが公開されています。
また、バッグの素材にはラフィア糸を使用。
環境に優しいのはもちろんのこと、耐久性や柔軟性にも優れているバッグです。
まとめ
環境に配慮した素材を使い、労働者に正当な賃金を支払って作られた製品は、一般的な洋服よりも値段が高くなります。
まずは、安すぎる洋服に疑問を持つところから始めてみませんか。
次に洋服を買おうと思った時は、洋服の買い方を考えてみたり、エシカルファッションブランドをチェックしてみてください。