より快適に、環境にやさしく。見えない工夫で建物の設備を支える – ゼナン株式会社
エアコンが開発される前、日本ではすだれや打ち水、扇風機などで夏の暑さをしのいできました。1902年にair conditioner(エア・コンディショナー)が開発されて以来、空調技術は進化を遂げ、現在では暮らしや産業に欠かせない存在となっています。
夏を涼しく、冬はあたたかく。春には花粉などのアレルギー物質の侵入を抑え、湿気の多い梅雨時には湿度をコントロール。こうした空調技術が私たちの快適な生活を支えています。
一方で、空調設備は建物のエネルギー消費にも大きく関わる設備です。電気料金の高騰や脱炭素社会の実現、SDGs・ESG経営への関心の高まりを背景に、省エネルギーや環境負荷の低減を実現する設備や技術が求められています。一方、電気料金などの運用コストや設備更新にかかる管理負担は、多くの企業にとっての大きな課題のひとつです。
そこで同社では設備を単に更新するのではなく、既存設備を最大限に活かす提案を行っています。省エネや節水につながる技術や製品を通じて、設備の長寿命化や保守・管理の負担を軽減し、クライアントの課題解決と環境負荷の低減の両立を目指してしています。
電流の「よどみ」をなくせば、空調は効率よく機能する

資源エネルギー庁によるとオフィスビルにおける消費電力のうち、空調は約半分(48.6%)を占めるといわれています。空調の運転効率を高めることは、オフィス全体の省エネルギーにおいて特に効果の大きい取り組みといえます。
実は電気は澄んだ小川のように、乱れなく流れているわけではありません。家電製品の近くで「ジジジ」という音を聞いたことがある人は多いと思います。そのような音の原因となる電気的なノイズは、電気の流れを妨げる要因のひとつです。
既存設備を活かしながら節電できる技術として、同社が提案しているのが「TB Tape」「TB Paint」です。テラヘルツ波(TB波)を活用し、電気の流れを妨げるノイズを低減することで、空調設備本来の性能を引き出します。流れを妨げる「よどみ」を取り除くような技術です。
電気の流れがスムーズになることで、空調設備は本来の性能を発揮しやすくなり、冷暖房の効率が向上。電力使用量を抑えながら、快適な室内環境を維持できます。
これらは既存の配線にテープを巻くだけ、室外機に塗装するだけなど、大規模な設備更新を行うことなく施工できるため、施設でも導入しやすいのが特長です。
「空気の力」で水量を減らす新しい手洗いのかたち

電気だけでなく、私たちが何気なく使っている水も限りある大切な資源です。東京都水道局によると、水道水を1分間流しっぱなしにすると約12リットルもの水を使用してしまいます。家庭はもちろん、多くの人が利用する商業施設やオフィス、公共施設では、その使用量はさらに膨大になります。
一方、これらの施設では節水だけでなく衛生面への配慮も欠かせません。同社はタッチレス自動手洗いシステム「SMIXIN(スミクシン)」を活用し、水の使用量を大幅に削減しながら、快適性や衛生性を損なわない設備環境を提案しています。

高機能シャワーヘッドが水の量を増やすのではなく、水流をコントロールして使い心地を向上させていますが、このイメージに近いかもしれません。SMIXINも水と空気を効率よく混ぜ合わせることで、水量を抑えながらもしっかりとした使用感を実現する仕組みです。さらに水・ハンドソープ・空気を効率よく組み合わせ、手全体を包み込むように洗浄することで、水やソープの使用量を抑えながら十分な洗浄力を発揮します。
導入環境によって効果は異なりますが、SMIXIN社の調べでは次のような導入効果が報告されています。
- 水の使用量90%削減
- ソープ・ペーパー60%減
- 運用コスト75%減
大規模な改修工事を行う必要がないため、既存施設にも導入しやすく、水道料金の削減はもちろん、施設管理者の負担軽減にもつながります。
衛生環境の観点からも建物を守る

同社は空調設備を中心に建物全体の設備環境を支えており、空調や給排水設備だけでなく、施設の衛生環境を維持するための提案も行っています。
なかでも食品工場やスーパー、物流倉庫などでは、高温多湿の環境からカビが発生しやすく、大きな課題となっています。カビの発生が進行すると、商品の品質や施設全体の衛生環境にも影響を及ぼしかねません。
こうした課題に対し、防カビ・抗菌技術「アピザス」を活用した提案を行っています。既存の塗料に専用の添加剤を混ぜて塗布することで、防カビ・抗菌性能を付与できる技術です。アピザスは397種類の菌に対応しているため、菌の種類を特定するための事前検査を行わずに施工できることが特長です。
カビは再発しやすいという課題がありますが、アピザスは内部の菌糸まで薬剤が浸透し、さらにカビの再付着も抑制します。また、施工後は3年間の保証が付いており、長期間にわたって衛生的な環境の維持をサポートしています。
新技術も取り入れながら持続可能な設備環境をつくっていく
これらの技術は実際の現場でも成果を上げています。例えば、ある駅ビルでは、同じ時期・同じ部屋に設置された同一性能の2台の空調機のうち、片方のみに施工を実施。その結果、施工した空調機では約47.3%の電力削減を実現しました。
一方、こうした取り組みは比較的新しいものも多く、その価値や効果が十分に理解されにくいという課題があります。設備更新にはコストや工事期間も伴うため、新たな技術や製品の導入を決断することは容易ではありません。
それでも建築設備を取り巻く技術は日々進化しています。ゼナンでは現場に適した新たな技術や製品を取り入れながら、設備更新や日々の運用にかかる負担を抑え、さらに環境負荷の低減にもつながる設備環境づくりに取り組んでいます。







