環境に優しい輸送手段であることを示すエコレールマーク。昨今騒がれている環境問題に関心が高い人にとっては、エコレールマークが認定されているサービスを利用したいと思う方が多いのではないでしょうか。

エコレールマークは、認定された企業にとって環境問題意識への信頼性と透明性を表すものです。エコレールマークへの理解を深めることによって、環境問題の解決に対して新たな一歩を踏み出せるでしょう。

そこで本記事では、エコレールマークとはそもそも何か、また誕生した理由や認定基準などを紹介します。最後まで読むことによってエコレールマークに対する基礎知識が理解できるので、ぜひお読みください。

エコレールマークとは

引用元：国土交通省

エコレールマークとは、環境に配慮した鉄道運営を示すためのマークを指します。エコレールマークは欧州連合（EU）をはじめとした地域で、鉄道事業者が環境に配慮した取り組みを行っていることを証明するためのものです。

積極的に環境問題解決に取り組んでいることをアピールすることによって、一般消費者からの信頼度が高まるのが企業にとってのメリットといえます。

一般消費者にとっては、普段自分が使っている製品がどのように運ばれてきたかを知る機会はあまり多くありません。何も考えずにただ製品を購入してしまうと、もしかすると環境破壊に繋がりかねない輸送手段を使った企業に加担してしまう危険性もあります。このため、一般消費者を安心させるための意味合いでもエコレールマークが使われているのです。

エコレールマークが生まれたわけ

それでは、なぜエコレールマークが生まれたのでしょうか。結論から言うと、エネルギーの使い方を知る機会が希薄になりがちな貨物輸送手段を可視化するために誕生しました。前章でも述べたように、一般消費者が貨物輸送においてエネルギーがどのように使われているか・節約されているかを知る機会は多くありません。

そこで、環境問題に対して積極的に取り組んでいることを消費者が分かりやすく判断でき、また信頼してもらえるように、エコレールマークが生まれたのです。

環境に優しい輸送手段

エコレールマークは、冒頭でも説明したように環境に優しい輸送手段を表します。物流業界で環境問題に対する意識が高まるなか、これを支えるものが「モーダルシフト」です。

モーダルシフトとは、港や駅まではトラックで運び、そこから船、鉄道で運び、その先はまたトラックに戻って輸送する手段のこと。エネルギー負荷を減らして環境負荷が低くなるだけではなく、ドライバー一人ひとりの労働時間が減るなど労働環境の改善にもつながります。

詳しくは関連記事「私たちの生活に欠かせない物流業界の環境問題に対する取り組みを解説」で解説しているので、あわせてご覧ください。
エコレールマークの認定

エコレールマークに認定されるためにはどのようにすれば良いのでしょうか。本章ではエコレールマークの認定対象と基準を詳しく解説します。

エコレールマーク認定対象

エコレールマークに認定されるのは、主に鉄道事業者や鉄道に関連した事業を行っている企業です。

代表的な路線を走らせている鉄道会社はもちろんのこと、鉄道車両を製造するメーカーも認定の対象になっています。製品の設計や製造プロセスで環境への配慮を実践することによって、認定を得られます。

認定対象は主に鉄道業界に関連するあらゆる企業を指しており、彼らが環境に対して積極的に取り組むことによって、エコレールマークが増えていく仕組みです。

エコレールマーク認定基準

エコレールマークの認定基準は世界各国や規制機関によって異なる場合がありますが、主に以下の活動を推進することによって得られる場合が多いです。

• 温室効果ガスの削減
• 自然環境の保護
• 騒音や振動の低減

エネルギーをできる限り削減したり利用を効率化したり、また新たに製品を開発する際に生態系への負荷を考慮しながら開発したりといったケースが挙げられます。鉄道は騒音問題に発展しがちな点でもあるため、振動吸収材を設置したり、また鉄道を建設する地域と調和・連携を取ったりといった行動も含まれるでしょう。

まとめ

エコレールマークとは、物流業界（鉄道業界）の中で環境に優しい輸送手段を表すマークのことです。

エコレールマークを取得することによって、企業にとっては環境意識が高く信頼できる企業であることのアピール、一方で消費者にとっては環境問題に積極的に取り組む信頼性の高い企業であるため安心できるというメリットがあります。

エコレールマークについて理解を深めることは、多くの国々との交流が進むなか、また物流が絶え間なく続いていく中で必須になるといえるでしょう。ぜひ本記事をきっかけにして、環境問題に対して意識を高めてみてください。