気になる子どもの歯並び。親が取り組みたい歯育ての習慣
子ども・教育
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子どもの歯並びが気になったことはありませんか?
「自分も歯並びが悪いから遺伝なので仕方ない」「乳歯の時期は様子見するしかない」と考えている方も多いかもしれません。歯並びの悪い子どもは近年増えており、その背景には遺伝だけでなく食生活や生活習慣も関係しています。
あごの骨は6歳までに約80%成長すると言われ、それまでの過ごし方が将来の歯並びに大きく影響します。
そこで注目されているのが「歯育て」です。歯育てとはむし歯を予防し、噛む力や口の使い方といった良い歯並びにつながる土台を育てること。この記事では歯並びに着目した歯育ての習慣について分かりやすく解説します。
歯育てとは

歯育てという言葉を初めて聞いたという人もいるでしょう。歯育ては「歯育(はいく)」「口育て」「口育(こういく)」などとも呼ばれ、定義や捉え方はさまざまですが、多くの場合、子どものむし歯予防だけでなく、歯並びを整える土台や噛む力、口の使い方を育てていくことを指しています。
近年の予防意識の高まりにより、子どものむし歯の本数は減少しています。文部科学省の「令和6年度学校保健統計」によれば、幼稚園児のむし歯の割合は2014年に約38%から2024年には約20%まで減少しました。小学生でも約52%から約32%へと下がっており、子どものむし歯は以前より少なくなっていることが分かります。
むし歯(う歯)の割合
| 2014年 | 2024年 | |
| 幼稚園児 | 38.46% | 20.74% |
| 小学生 | 52.54% | 32.89% |
出典:文部科学省「令和6年度 学校保健統計調査」をもとに作成
その一方で、歯並びや噛む力、口の機能に関する悩みが増えてきています。2021年に吉祥寺セントラルクリニックが全国の歯科医師を対象に行った調査では、92%の歯科医師が「歯並びの悪い子どもは年々増えている」と回答しました。
こうした現状を受けて、本記事では歯育てのなかでも、歯並びや噛む力、口の使い方を見ていきます。
歯並びの悪い子どもが増えている

お子さんの歯はどのように生えているでしょうか。
永久歯が生え始める6歳ごろまでは、乳歯と乳歯の間に適度なすき間がある状態が理想的とされています。これは、永久歯のほうが乳歯より大きく、あごの成長とともに生え変わるスペースを確保する必要があるからです。しかし近年、このすき間がほとんどない、歯が重なって生えているといった子どもが増えてきています。
実際に身近でも同じようなケースをよく見聞きします。筆者の子どもも、乳歯が生えそろった頃には歯と歯の間にすき間がなく、歯科検診で上顎前突いわゆる出っ歯と診断されました。また子育て中の友人たちからも「乳歯が生えそろった段階ですき間がなかった」という話を聞きます。
子どもの歯並びが悪くなっている原因
子どもの歯並びが悪くなっている原因は遺伝だけではありません。生活環境や食生活の変化によって、あごが十分に成長しにくくなっていることも関係しています。柔らかい食事が増えて噛む回数が少ないと、口まわりの筋肉が十分に使われず、あごの発達が妨げられます。そのため歯がきれいに並ぶスペースが不足してしまうのです。
あごの成長に影響する要因として、次のようなものが挙げられます。
- 遺伝的な要因
- 噛む回数が少ない食生活
- 口呼吸や口が開いたままの状態
- 舌の位置や使い方が正しくない
- ながら食べ・姿勢の乱れ
- 指しゃぶりや口まわりのくせ
- うつぶせ寝
- 鼻づまりや鼻炎がある
筆者の子どもは親の遺伝に加え、慢性的な鼻づまりによる口呼吸、うつぶせ寝などの習慣があります。さらに離乳食時にかたい食べ物を嫌っていたため柔らかい食事を与えており、歯並びが悪くなる要因がいくつも重なっていました。
このように歯並びが悪くなる原因はひとつではなく、いくつもの要因が重なって起こることが少なくありません。では歯並びが悪い状態が続くと、子どもにはどのような影響が出てくるのでしょうか。
歯並びが悪いと起こる影響

歯並びが悪いと見た目の問題が思い浮かびますが、子どもの成長や日常生活にもさまざまな影響が出ることがあります。
歯が重なっていると歯みがきをしても汚れが残りやすく、むし歯や歯肉炎のリスクが高まりがちです。また、うまく噛めないことで食事に時間がかかったり、噛む回数が少なくなったりすることがあります。その結果、十分に噛まずに飲み込むことが増え、胃腸に負担がかかる場合があるでしょう。さらに発音に影響が出るなど、さまざまな問題が生じる可能性があります。
歯並びが悪いと起こる影響として、次のようなものが挙げられます。
- 容姿や発音へのコンプレックス
- むし歯や歯肉炎のリスク
- 消化器官への負担
- 発音が不明瞭になる
歯は自然に生えてきますが、きれいな歯並びや正しい噛み方が身につくかどうかは生活習慣や食生活が重要です。特に子どものあごの骨は成長が早く、歯科医・下田孝義氏の著書『0歳からの歯育て』(現代書林)によると、顎の骨は6歳までに80%成長すると言われているそうです。 そのため、この時期のちょっとした心がけが将来の歯並びや口の機能を支えてくれます。
次に、家庭で今日から取り入れやすい歯育ての習慣について見ていきましょう。
家庭で取り組める歯育ての習慣

歯育ては親が日常の食事や口の使い方に気を配り、意識してサポートすることが重要です。家庭で無理なく取り組める習慣には次のようなものがあります。特に子どもは歯育てに良くない習慣をやめることで改善がみられることもあります。
前歯・奥歯を使って食べる
前歯で噛み切り奥歯ですりつぶすことで、噛む力やあごの発達が促されます。噛みごたえのある食材を取り入れるのもおすすめです。
口を閉じる習慣を身につける
普段から口が開いていると、歯やあごに正しい力がかかりません。口を閉じることを意識し、鼻呼吸ができる環境を整えましょう。
ながら食べをやめさせる
テレビやスマートフォンを見ながらの食事は、姿勢が崩れ、噛む回数が減りがちです。食事に集中できる環境を整えましょう。
正しい姿勢で食事をする
足が床につき、背筋を伸ばした姿勢で食べることで、口やあごが正しく使われやすくなります。
筆者も子どもの様子を見ながら上記の習慣を取り入れています。具体的には口が開いていることに気づいたら「口を閉じようね」と声をかけています。また椅子に座ると足が浮いてしまっていたので、足置きを置いて姿勢が安定するようにしました。
食事もおにぎりは海苔巻きにする、くし切りにしたリンゴをおやつに出すというように、前歯を使ってかじり取れるものをなるべく出すようにしています。苦手な食材は大きいと食べないため、サイズを大きくするのは好物だけにしています。一方、お肉も好きなので手羽先などの骨付き肉も調理して出してみましたが、面倒だったのかあまり食べてくれませんでした。子どもの様子を見ながら良い方法を考えると良いでしょう。
また、筆者は子どもが3歳後半でこの食事を心がけるようになりました。年齢によっては喉に詰まらせる心配もあるため、子どもの様子を見ながら無理なく取り入れてくださいね。
まとめ

子どもの歯並びは遺伝だけでなく、毎日の生活習慣や口の使い方も影響します。噛みにくさからしっかり噛めず、あごが育たないという悪循環は早めに気づき、整えていくことがポイントになります。
歯育ての習慣の効果がわかるのは、数年後。すぐには結果が出ないため、「これで合っているのかな」と迷うこともあるかもしれませんが焦らず続けていくことが大切です。
きれいな歯並びに育てるのは理想ですが、まずは悪くならないように意識することから。今日からできることから少しずつ取り入れ、子どもの歯育てを進めていきましょう。







