【SDGs】日本における教育への取り組みを紹介します

【SDGs】日本における教育への取り組みを紹介します
SOCIETY

SDGsには様々な分野の目標があります。

自然や環境、社会など様々な分野があり、目標の中には教育に関する分野もあります。

SDGsで達成したい教育分野の目標、SDGsにおける日本の教育への取り組みとはどのようなものなのか、今回はSDGsの教育分野について紹介していきたいと思います。

【SDGs】日本における教育への取り組み

本が開いている様子

SDGsの教育分野

SDGsの教育分野について話す前に、まずどんな問題があるのか見ていきましょう。具体的な問題から見ていくと「児童労働」や「教育格差」という問題があります。

いま、世界では幼い子供が家庭が貧困状況下のため労働を強いられています。労働の時間の確保のため、または家庭に教育を受けさせるお金がないため、学習の時間が奪われています。

また、先ほどの労働問題も同様に生まれてきた環境によって受けることのできる教育が失われてしまうことがあります。これを「教育格差」と呼び世界中での問題となっています。

日本も例外ではありません。

ここからは日本における教育格差について解説していきます。

日本における教育格差

教育格差は親の収入と関係してきます。近年の調査によると親の収入の多寡で子供の学習成績は20%変わると言われています。

このように、収入で差が生まれてしまう要因の一つとして学習費が関わってきます。文部科学省の「平成26年度子供の学習費調査」によると、学習費の6~7割が塾や習い事による学校外活動費だと報告されています。

教育費 グラフ

参考:平成26年度子供の学習費調査の公表について(報道発表資料)

貧困家庭では、このような学校外活動費を支払える余裕がなく教育格差が生まれてしまいます。

それに加え、この教育格差は就職の面でも関わっています。2014年の調査では後期中等教育(日本では高等学校)を受けていない成人の就職率は60%未満でしたが、高等教育(大学)を受けた成人では80%以上となりました。

さらに、高等教育を受けた成人と後期中等教育が最終学歴の成人が所得の上位25%に入る割合を比較したところ、高等教育を受けた成人の方が23%高くなりました。

教育格差により、十分な教育を受けられなかった子供は収入が少なくなる傾向にあり、その子供は貧困が原因で教育を受けられなくなります。教育格差は負のスパイラルを作り出しているのです。

参考サイト:OECD 格差の削減と教育資金の確保が主要な課題 – Education at a Glance 2015年版 

参考サイト:国立大学法人お茶の水女子大学『平成25年度全国学力・学習状況調査(きめ細かい調査)の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究』

日本における支援

では、日本における教育格差をなくすにはどのように支援をすればよいのでしょうか。

現在、日本では3種の支援が行われています。

  • 経済支援
  • 就労支援
  • 生活支援

経済支援
生活費や教育のため必要な支出を扶養者に応じて細かく支援していく

就労支援
ひとり親を重点的に就業相談や職業支援などの支援を行い貧困化を防ぐ

生活支援:大人から子供を対象に住居の確保や物質的、精神的な課題の総合的な解決を目指す支援

では早速、具体的な国や地方自治体の支援を見ていきましょう。

例①放課後子供教室

文部科学省が取り組んでいる支援で「放課後子供教室」というものがあります。放課後に子供たちの居場所を作り、校庭や空き教室を解放してスポーツや文化活動ができるようにする取り組みです。

自治体にもよりますが、放課後にひとり親の子供を対象に高校進学のための勉強会を開催するところもあります。そこでは、大学生がボランティアで先生となり勉強を教えています。

参考サイト:文部科学省 放課後子供教室の概要

例②母子父子寡婦福祉資金貸付金制度

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度は20歳未満の児童を扶養している配偶者のない女子または男子、寡婦等に貸し付けができる制度です。

資金の種類は修学金、授業開始資金など様々な種類があります。経済、就労、生活のために必要となる費用を保証人ありの場合、無利子で貸し付けが可能になります。

筆者の私は、実際にこちらの制度を利用したことで大学進学を諦めずに済みました。高等教育への機会を提供するいい制度だと思います。

参考サイト:内閣府 男女共同参画局 母子父子寡婦福祉資金貸付金制度

まとめ|【SDGs】日本における教育への取り組み

本が積み重なっている様子

日本には関係がないからと、貧困に実感を持つ方は少ないかもしれません。しかし、日本は7人に1人が相対的貧困にあります。

その貧困が教育格差につながり、負のスパイラルに生み出してしまいます。どうか、自分に関係のないことだと思わず、関心を持ってみてはいかがでしょうか。

その関心が教育格差をなくす一歩につながります。

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