小学生もSDGsについて理解が必要!?小学校でのSDGsの学びとは?

小学生もSDGsについて理解が必要!?小学校でのSDGsの学びとは?
SOCIETY

近年、多くの人たちが注目しているSDGsですが、子どもたちにもその重要性を伝えていかなければという認識が高まっています。そうした中で、SDGsに取り組んでいる小学校は少なくなくありません。

この記事では、小学生がSDGsを学ぶべき理由を解説した上で、小学校でSDGsに取り組む方法やSDGsに取り組んでいる小学校を紹介します。

小学生がSDGsを学ぶべき3つの理由

子供教育

小学生がSDGsを学ぶべき理由は下記の3つです。

  • 子どもは将来を担う人材だから
  • 世界が抱える問題を発見する力を身につけるため
  • 正解のない問題の答えを見つけられるようになるため

それぞれ詳しく解説します。

子どもは将来を担う人材だから

SDGsの目標には、誰一人取り残さない国際社会の実現や環境保全などが含まれています。SDGsは2030年までの達成を目標としていますが、目標達成後も取り組みを持続していかなければなりません。

幼いうちから国際社会が抱えている課題について知る機会を与えることで、社会をよくするために「自分には何ができるか」という問題意識がおのずと育まれていくと考えられます。

将来的にSDGsや国際社会をリードしていく存在である子どもたちには、早い時期から社会について知ってもらう機会を与えることが大切です。

世界が抱える問題を発見する力を身につけるため

自分が所属するコミュニティ以外に目を向ける機会は日常生活においてあまりなく、海外で暮らす人たちの暮らしや状況は見落としがちです。

しかし、よりよい国際社会の実現には、先進国で暮らす人々による途上国の人々に対する適切な支援や、生活を立て直すためのサポートが不可欠と言えるでしょう。

途上国で暮らす人たちの状況を知らなければ、支援に協力しようという気持ちにならなければ、彼らのために何か行動してみようという気にもなりません。

教育を受けられない子どもや長時間労働を強いられている人々、食糧に困る人々の現実を知ることで、「自分は彼らのために何ができるか」とはじめて考えられるようになります。

探求心を高め、情報を収集する力を育むため

情報社会と言われる昨今、小学校ではコンピュータを活用した授業やプログラミングの授業が設けられています。

情報収集を行えるさまざまな機器に囲まれて暮らす私たちには、自分の知らないことを調べられるスキルが必要です。また、社会で活躍するためには、収集した情報の正確性を判断する力や集めた情報を取捨選択する力も不可欠と言えるでしょう。

SDGsについて扱う授業では自分の関心のあるテーマを調べたり、国際社会が抱える問題を調べたりといった取り組みもよく行われます。授業内での調べものを通して、情報収集力を高めることができます。

小学校でSDGsに取り組む方法とは?

先生と生徒

小学校でSDGsに取り組む方法として、下記の3つが挙げられます。

  • 総合的な学習で取り組む
  • 主要教科と結びつける
  • 学校全体で取り組む

それぞれ詳しく解説します。

総合的な学習で取り組む

総合的な学習の時間を活用することで、教科の枠組みにとらわれずSDGsについて柔軟に学べます。

例えば、SDGsの基礎をしっかりと学んだり、各自がSDGsの項目の中から興味のあるテーマを選択して調べる時間を設けたりすることも可能です。

また、発展途上国やジェンダーについて、映像や外部講師などから学ぶ機会を設けることもできます。

主要教科と結びつける

主要教科の授業においてSDGsをメインテーマにすることはできなくても、教師が各トピックとSDGsとを関連付けながら日頃から話すことで、子どもたちはSDGsを身近に感じられるようになるはずです。

例えば、社会科では食糧自給率や紛争との関係から、貧困や平和についてSDGsの観点から考えることができます。また、理科では、植物や生物との関係性から海洋資源や気候変動について考えられます。

学校全体で取り組む

SDGsを達成するためには知識を詰め込むだけではなく、アクションを起こすことが不可欠です。

学校全体で省エネや節水について目標を掲げ、地球環境に配慮してみてもよいでしょう。児童や教員の行動が環境保全につながることはもちろん、子どもたちはSDGに取り組む方法を経験によって取得できます。

SDGsに取り組んでいる小学校

小学校

SDGsに取り組んでいる小学校の例として、下記の3校が挙げられます。

  • 気仙沼市立面瀬小学校
  • 江東区立八名川小学校
  • 石狩市立生振小学校

それぞれ詳しく見ていきましょう。

気仙沼市立面瀬小学校

東日本大震災後、気仙沼市立面瀬小学校では復興を目指したコンテンツの一つとして海洋教育が導入されました。

例えば、4年生は面瀬川について学び、自然環境の保全について考えます。児童たちは米づくりや水質の検査、流域探検といったアクティビティをとおして、川や海が自分たちに深く関わっていることを実感します。

江東区立八名川小学校

八名川小学校では、各科目に分散している学習内容を環境、人権、文化理解という3つの視点から総合的な学習の時間においてつなぎ合わせています。総合的な学習の時間では各授業からつなぎ合わせた内容について、外部の人との交流や体験をとおして学びを深めていきます。

その他にも、ESD(持続可能な開発のための教育)カレンダーと年間指導計画を作成し、科目を縦断した学びが円滑に進むように工夫しています。

石狩市立生振小学校の例

石狩市立生振小学校は北海道における初のユネスコスクールで、ESD(持続可能な開発のための教育)の推進拠点です。

学校生活には学校農園活動や学校田活動、防風林体験などが設けられています。また、クリーン作戦をとおして、子どもたちにゴミ削減や環境保全に対する気付きを与えています。

まとめ

環境

私たちが暮らす地球を守り、平和な社会を未来に受け継ぐためには、SDGsについて一人一人が自分事として考えることが不可欠です。

それは、子どもたちに対しても言えます。

SDGsについての教育を現段階で実施していない小学校は、SDGsに関する教育を短時間からでも始めてみることをおすすめします。教科の時間にトピックと関連付けて少し説明したり、総合的な学習の時間にSDGsについて学ぶ時間を設けたりすることで、子どもたちの国際社会や環境に対する意識は変わるはずです。

幼いうちから発展途上国や環境汚染などの問題を理解しておくことで、将来的にこうした問題を解決したいという思いが生じるようになります。

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