エアコンをかけても熱中症?正しい熱中症対策方法を伝授します

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エアコンをつけていれば熱中症は防げると思っていませんか?
実は、エアコンを使用していても熱中症になるリスクがあります。
室内の温度管理や湿度調整が適切でないと、エアコンが効いている環境下でも体調を崩してしまう可能性があるのです。本記事では、エアコンと熱中症の関係性や、エアコンを使用する際の注意点について詳しく解説します。
正しい知識を身につけて、安全で快適な夏を過ごしましょう。
熱中症は室内でも発生する?
屋外の暑い外気にさらされる環境下で発生するイメージがある熱中症ですが、条件によっては屋内で発生する可能性も大いにあります。
発生要因としては、高温多湿で風通しが悪いなど環境に起因するもの、抵抗力に弱い乳幼児や高齢者、体調不良時など身体に起因するもの、長時間の作業、睡眠時の脱水など行動に起因するものが挙げられます。
これらの条件が複数組み合わさる環境下では、さらに室内熱中症のリスクが高まると言えます。
3割から4割の熱中症は住居で発生していると消防庁が発表しているデータもあり、上記に述べた要因をできるだけ生活の中で減らしていくことの重要性が伺えます。
室内熱中症が発生しやすいタイミング
室内熱中症対策の大切さについて知ったところで、次は室内熱中症の具体的なケースを日常生活のシーン別に見ていきましょう。
キッチンでの料理中
毎日の食事の支度をするシーンでも室内熱中症のリスクがひそみます。注意点は、火を使用して調理をすることで熱+蒸気による湿気が発生し高温多湿の環境が発生すること。
換気扇を回す、エアコンによる室温調整、扇風機や体を冷やすアイテムの活用、適度な水分補給、熱を持ちやすい家電をこまめにスイッチオフにするなどの対策を取ると良いでしょう。
また、根本的に火の使用頻度を下げることも視野にいれてみてはいかがでしょうか。
夏の料理レシピ特集には、「火を使わない」メニューが多く組まれています。
トイレやお風呂などの掃除中
水場の掃除シーンは、「冷房のない場所」である点が室内熱中症のリスクとなります。
適切な室温管理が行き届きにくいほか、水場は湿度が高くなりやすいためより高温多湿になる可能性が高まります。
キッチンの料理シーンと同様、換気や水分・塩分補給の基本的な熱中症対策を行い、作業場所を細かく分けて短時間で行う、休憩をはさみながら作業にあたるなどを心がけましょう。
入浴中
エアコンの効いた室内で多くの時間を過ごす現代人にとって、夏時期の入浴は必要な発汗を促し体温調節機能を整えることにつながります。
熱中症予防にもつながる夏時期の入浴ですが、浴室の高温多湿な環境には要注意。
室内熱中症予防のために、お湯の温度や換気に気を配り水分・塩分補給もしっかり行いましょう。
睡眠時
睡眠時の室内熱中症を誘発する要因はどのような点にあるのでしょうか。
昼間の高い外気温により蓄えられた熱は、気温が下がった夜間になっても外に逃げず、結果として室内の温度を上げてしまうことがあります。
夜だからと油断せず冷房機器を活用することが有効な対策となるほか、寝ている間の脱水症状予防に水分・塩分補給もしましょう。
室内熱中症の対策方法
ここからは、室内熱中症の対策について複数項目に分けて解説していきます。
エアコンや扇風機を使って自分に適切な室温・湿度を保つ
エアコン、扇風機を併用して夏の暑さ対策を行うことは広く認知されていますが、本当に自身に合った対策が取れていない人も意外と多いかもしれません。
熱中症対策として有効なエアコンや扇風機の活用法について、今一度基本に立ち返りおさらいしてきましょう。
「室温28度が適切な温度」とよく耳にすると思いますが、環境省の定義では28度を上回ると熱中症の危険度が増すという意味で使われているものです。すなわち、無理に28度を維持する必要はなく、体感温度に合わせた空調調節を行うことが大切なのです。
例えば、料理をするシーンでは熱と湿気を逃がすために換気扇を活用し、サーキュレーターなどでエアコンの効きを一定にするなどの方法が挙げられます。
室内に入る日光を遮る
夏の暑い日差しは、室内温度を上げる原因となります。日差しが入る窓辺にはブラインド、すだれ、遮光カーテンなどで対策を行いましょう。
ゴーヤなどの植物でグリーンカーテンをつくる方法も、エコに涼しく過ごす工夫のひとつとしておすすめです。
気化熱を利用して温度を下げる
コンクリートに囲まれた住居や、住居前の道、集合住宅であればベランダなどは土の地面と比べて多くの熱を蓄えます。
そこで、昔ながらの日本の知恵「打ち水」を朝や夕方の涼しい時間帯に行ってみましょう。
水が蒸発するときに、熱を同時に空気中へ逃がす「気化熱」により室内に熱がこもることを防ぐ効果が期待できるでしょう。
通気性の良い服を着る
身に付ける衣服からも室内熱中症の対策を取ることが可能です。
襟元があき、ゆとりのあるデザインの服はたっぷりと空気を含む余白をもうけ、熱を外逃がしてくれる効果があります。
リネンや麻などさらっとしていて通気性の良い素材も体温調節に適しているでしょう。
まとめ
エアコンをつけていても熱中症となる「室内熱中症」について解説しました。
リラックスして過ごせる場所である自宅だからこそ、熱中症のリスクに対して油断してしまう人も多いのではないでしょうか。
個々の体の状態や生活スタイルなどによっても感じ方や熱中症のかかりやすさから細かい対策方法は変わってくるものですので、今一度元気に夏を乗り切れるようご自身の生活と熱中症のリスクの見直し、エアコンとの付き合い方を考えるきっかけとしてみてください。