「気候正義」が必要なわけ|気候主義に関する社会運動を紹介します。
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気候変動に対する課題意識は年々高まっています。その中でも「気候正義」という言葉を一度でも聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。
先進国と発展途上国の間で広がる格差。この記事では気候正義について概要から現状、気候正義に関する社会運動まで詳しく解説します。
気候正義とは
気候正義(Climate Justice)とは、簡単に言うと先進国で排出された化石燃料が及ぼす気候変動への影響を、発展途上国の人ばかりが煽りを食うのではなく、その不公平さを正していこうという考え方です。
気候変動はもはや国際的に解決するべき環境問題ではなく、発展途上国の人々が不公平に苦しみを受ける人権的な問題にもなってきました。気候正義の考え方に基づいたアクションによって、世界も少しずつ変わりつつあります。
気候変動の現状
世界的に気候変動の現状は国を問わず進んでいるかと思いきや、途上国の群と先進国の群では明確な差があります。途上国グループでの二酸化炭素の排出量は、1990年代以降から徐々に右肩上がりになっていき、年を増すごとに増加傾向にあります。
途上国グループのことを一般的には「グローバルサウス」と呼ぶことがあります。
これは地球規模の権力関係によって生じた格差が生んだ概念であり、あくまで格差による負の影響や要因に着目するための言葉。
「この地域がグローバルサウスである」と断言することはできません。
ただ、グローバルサウスという言葉が生まれること自体、先進国が与えた影響によって途上国も影響を受けていることは確かです。
気候主義が注目されている理由
気候主義が注目されている理由は、世界的に発生している気候問題の解決に対して国をあげて協力することが求められているからです。
途上国に対する先進国の過剰な採掘主義や、利益を上げようとする強欲にも似た経済モデルが直接的な原因といえます。
中東やアフリカ地域が飢餓、紛争、経済的問題、また砂漠化などのさまざまな事象に苦しんでいる一方、西欧では技術も進展しており多大な恩恵を受けている状況にあります。とりわけ一部の石油会社では2022 年には利益を 2 倍以上の 2,190 億ドルに増加させたそうです。
気候正義の考え方が必要である理由
気候正義の考え方が必要な理由は、先進国と途上国の格差や精神的な不平等をなくさなければならないからです。既に一部の地域では気候正義が浸透しており、格差の解消に向けて動きつつあります。
気候変動とSDGs
SDGsには17の目標があります。中でも気候変動および気候正義と関連性が高いのは10番目の「人や国の不平等をなくそう」、11番目の「住み続けられるまちづくりを」、16番目の「平和と公正をすべての人に」の3つと考えられます。
SDGsは持続可能な社会を世界的に作り出す世界共通の目標。気候変動や気候正義のことを考える際には、SDGsの考え方と照らし合わせて考えてみるのも良いでしょう。
気候正義に関する社会運動・団体
気候正義というアクションに関連した社会運動、または活動団体は世界各地に存在します。このような活動団体はもちろん日本にもあるので、代表的な活動と団体を紹介します。
ワタシのミライ
「ワタシのミライ」は、再エネ100%と公正な社会を目指すことを目標に活動している団体です。「気候危機はいのちの問題」として、東京都内でパレードを行って意識喚起を呼びかける活動を行っています。
気候危機は確実に存在しているのにもかかわらずなぜ化石燃料の延命や不確定な新技術が増加するのか、という点に怒りを覚え、精力的に活動に取り組んでいます。
詳細:ワタシのミライ
Fridays For Future Japan
Fridays For Future(未来のための金曜日)は、2018年8月、今や世界的に環境活動家として有名になったグレタ・トゥーンベリが、気候変動に対する意識や行動の欠如に抗議するために、一人でスウェーデンの国会前に座り込みをしたことをきっかけに始まった運動です。
今では若者を中心として共感を呼ぶアクションを起こすことを中心としており、大学生など非常に若い層も活動に参加しています。
気候正義|わたしたちにできるアクション
気候正義に対して私たちができるアクションとして、まずはこの記事で紹介したような団体や活動に足を踏み入れてみるのが挙げられるのではないでしょうか。
「自分で活動を主催したりするのはちょっと」と考えている人にとっても、一歩踏み出しやすいのではないかと思います。
一人ひとりが出来ることはそう多くありません。むしろ微々たる努力として大した力にはならないかもしれません。しかし、こうした活動に参加する人の数を増やしていくことで、やがては大きな力になるはずです。
まとめ
この記事では気候正義について概要をざっくりと紹介しました。
国と国の不平等・格差をなくすための考え方である気候正義。
環境問題を解決しなければならないことはもちろんのこと、発展する技術の裏で苦しむ人たちが居ることにも目を向けなければならないでしょう。
ぜひこの記事をきっかけに、気候正義への理解や関心を深めてみてください。