「内転筋」とは?パフォーマンスを変えるかもしれないマイナーだけど重要な筋肉

「内転筋」とは?パフォーマンスを変えるかもしれないマイナーだけど重要な筋肉
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内転筋と名の付く筋肉は、手のひら、足の裏、股関節などに存在しますが、今回は股関節を動かす内転筋に焦点を絞り解説していきます。

筋肉について少し調べたことがある方は、脚の筋肉のハムストリング(太もも裏側についている筋肉)や大腿四頭筋(太もも前側についている筋肉)などは聞いたことがあるのではないでしょうか?

スポーツジムに行けば「すごい大腿四頭筋してるね〜」といった会話を耳にすることがあるかもしれませんが、「良い内転筋だね」と、内転筋が話題に上がることはありません。

内転筋は、脚の内側にあり、開いた状態から閉じる動作に役立ちます。

開いて閉じる以外にも、姿勢をキープしたり、運動をする際にとても重要な働きがあるのです。

内転筋とは?

内転筋

内転筋は、実は長内転筋、短内転筋、大内転筋、薄筋、恥骨筋の5つからなっています。内転筋群と呼ばれることが多いです。

5つの筋肉を細かく見ると少しずつ働きは違いますが、今回は1つの塊として説明していきます。

内転筋は意外と太い

最初に内転筋群はマイナーな筋肉と言いましたが、実は脚の筋肉の太さを見てみると、太もも裏にあるハムストリングスという筋肉に匹敵する太さを持っています。

筋肉は、太ければ太いほうが強い力を発揮します。

内転筋が重要な働きをしているということが、イメージできるのではないでしょうか。

内転筋の働き

脚の前側についている大腿四頭筋は、股関節の屈曲という脚を前に上げる働き。

ハムストリングスは、股関節の伸展という脚を後ろに引く働き。

内転筋群はというと、最初に説明した足を閉じる動きだけではなく、股関節の屈曲や伸展にも働きます。(解剖学の参考書を見ると、書いてあるはずです)

一体それはどういうことなのでしょうか?

筋肉はゴムのように伸びたり縮んだりする特性を持っています。(正確には、細い2種類の繊維が隙間を埋めるように滑走して、伸び縮みしているように見えている)

内転筋群

頭の中で、イラストを模型としてイメージしてください。次に、内転筋をゴムだと見立ててください。

脚を開こうとすれば、ゴムは引っ張られ元の位置に戻ろうとします。

それだけではなく、模型の脚を前に倒しても、後ろに倒してもゴムは元の位置に戻ろうと働く事が考えられます。

つまり、内転筋群は「股関節を中心に近づける」ために、多くの方向に働く必要がある事が分かります。

スポーツと内転筋

スクワット

ハムストリングスや大腿四頭筋と比べると、運動の時の関連性は低いのではないかと思う方もいると思います。

しかし、久しぶりにランニングをした後や、深くスクワットをすると、内転筋群に筋肉痛を感じることがあります。

内転筋群はスポーツにおいて肉離れという怪我を起こしやすい筋肉です。特に、サッカー、長距離走の選手、野球や槍投げ選手に多いと言われています。

その理由は、内転筋群の働きで分かる通り、多くの方向で働くため、ボールを蹴る時も、走る時も、ボールを投げる時の軸足など、様々な動きで内転筋群にストレッチがかかるからです。

そのため、怪我をすると長期間プレーの中断を余儀なくされる部分でもあるのです。

つまり、内転筋群の強化は、パフォーマンスの向上にも、怪我の予防にも影響を与えることが考えられます。

インナーマッスルと内転筋

歩いている人

腕を上げる、歩くなどすべての動作の初動時には、肩や脚の筋肉に力が入る前に体幹のインナーマッスルが働くと言われています。

つまり、インナーマッスルがうまく働けば、腕を上げる時に余分な力が必要なかったり、歩くときにはスムーズに脚を動かすことが出来ると考えられます。

逆を言えば、うまく使えなければ過剰に力を使ってしまい、非効率な運動になってしまいます。巷で体幹トレーニングが流行り、スポーツの現場やパーソナルジムで行われている理由です。

内転筋は筋膜と呼ばれる、筋肉を包む薄い膜のようなもので骨盤の内側を通る筋肉、脊柱を支える筋肉、胸郭を囲む筋肉などと連結していると言われています。

要は先ほど説明した、体幹のインナーマッスルと密接な関係を持っているのです。

しかし、インナーマッスルは表層にあるアウターマッスルと呼ばれる筋肉と違って、意識することが難しい筋群になります。

そのため、内転筋を使い、柔軟性を出すことは体幹のインナーマッスルを強化することに直接関係してくることが考えられます。

日常生活で内転筋を使うためには

ウォーキング

内転筋の主な働きは「股関節を中心に近づける」事です。

日常生活で一番この動作を使う場面は何をしているときでしょうか?

それはウォーキングです。

歩くだけでも内転筋群とインナーマッスルは働きます。また、大股で歩くことで筋肉の動員数が増えて、姿勢を制御するためにインナーマッスルがより働きます。

まとめ

内転筋群がいかに身体の動作に関わるか、興味がわいてきたのではないでしょうか?

意識して使いづらい筋肉ですが、運動をしている方のパフォーマンス向上につながる可能性もあれば、インナーマッスルが活性化することで慢性的な腰痛にも良い影響を与えることも考えられます。

マイナーだけど重要な筋肉「内転筋」、ぜひ意識してみてください。

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