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アウトドアブランドの商品をレジャーに行くときだけでなく、日用品や普段着として使用する人も多いのではないでしょうか。
あらゆる方面に需要があるアウトドアブランドですが、なかには環境に優しい商品づくりやエコな活動を行っているブランドがあります。
この記事では製作や販売におけるエコな取り組みだけでなく、その取り組みをする背景や地域や環境への貢献についても紹介します。サステナブルなファッションに少しでも関心のある方は、ぜひ最後までお読みください。
この記事で分かること

近年では積極的に環境に配慮したものづくりに取り組んでいるブランドが増えてきています。ここでは、なぜアウトドアブランドが積極的にエコな活動に取り組むのかを解説します。
アウトドアブランドにとって、地球温暖化や環境破壊を食い止めることは自社のビジネス基盤そのものを守るために不可欠です。商品は豊かな自然があって初めて価値を持つからです。
雪不足でスキー場が営業できない、あるいは猛暑や異常気象でキャンプや登山が楽しめないといった事態が進めば、アウトドアを楽しむ顧客自体が減ってしまいます。そのため、彼らにとって環境保護はボランティアではなく、ビジネスの死活問題なのです。
「自然を楽しむための道具や服が実は自然を汚している」というアパレル産業特有の矛盾を解決しなければならないことも大きな背景です。アウトドアウェアに欠かせないフリースや防水ジャケットには、ナイロンやポリエステルなどの化学繊維が多用されています。洗濯するたびに「マイクロプラスチック」として海に流れ出し、環境を汚染する原因になります。
自然を愛するブランドとして、自らが環境破壊の加害者側になっている現状を放置できないという強い危機感があるのです。
この課題に対して、現在は海に捨てられた漁網を回収・リサイクルして作られたウェアや、洗濯時の繊維流出を抑える特殊な素材の開発が進んでいます。また、製品を使い捨てにせず、自社で「リペア(修理)」して長く使ってもらう仕組みを確立するブランドも増えています。このように、モノづくりが環境に与える罪悪感を払拭し、持続可能な製造プロセスへ転換することが、今まさにブランドに求められている社会的責任です。
若い世代を中心に「環境に配慮しているブランドかどうか」が購入の重要な判断基準になっているという市場の変化もあります。近年は、単に機能が優れているだけでなく、企業の姿勢や理念に共感してモノを買う「エシカル(倫理的)消費」が定着しつつあります。特にアウトドアファンはもともと自然への愛着が強いため、エコに後ろ向きなブランドは敬遠されやすく、逆に積極的なブランドは強いファンを獲得できる傾向にあります。
たとえば、製品の生産背景や素材の出所を100%透明化して公開するブランドが増えており、消費者は「この製品を買うことで地球環境に貢献できている」という価値に納得してプロパー価格で購入しています。つまり、エコな活動に真摯に取り組むことは、現代の厳しい消費者に選ばれ続け、ブランドの価値を高めるための必須のマーケティング戦略となっているのです。

それでは、具体的にどのようなブランドが環境に対するサステナビリティに取り組んでいるのか、詳しく確認していきましょう。
そのため、近年では積極的に環境に配慮したものづくりに取り組んでいるブランドが増えてきています。
今回ご紹介するブランドは、生地や素材をより自然に優しいものへ変更する、使い終えたアイテムを回収しリサイクル素材として再利用するなど、さまざまな取り組みを行なっています。
環境保全に取り組むアウトドアブランドとして、はずせないのがアメリカ発祥のパタゴニアです。
まだサステナブルという考え方が浸透していない1973年に創業しましたが、当時から自然環境を守ることを企業理念に掲げています。
パタゴニアでは売上の1%を自然環境の保護・回復のために寄付しているほか、製品に使用している素材の86%が環境に優しい素材です。2040年までに自社のビジネス全体においてネットゼロ*を達成することを目標にしています。
具体的な取り組みとして、石油由来のネオプレンではなく、自社で育てた天然ラバーを使用することで化石燃料利用を削減しています。他にもサプライヤーの排出削減のために資金援助を行っています。また、2020年以降は直営店でのレジ袋の提供を終了し、マイバック持参を呼びかけ、自宅で使われていないバッグを共有する「エコバッグ・シェアリング」なども展開しています。
(ネットゼロ*:スコープ1、2、3のカテゴリーにおける総排出量の90%を削減することを意味)
ザ・ノース・フェイスは、アメリカ発祥の登山・アウトドアブランドです。
機能的でおしゃれなザ・ノース・フェイスの製品は、日常使いのファッションアイテムとしても人気があります。
ザ・ノース・フェイスが取り組んでいるのはリサイクル素材を使用した製品づくりです。
他社製品を含めた衣料品の回収を行ない、集められた衣料品からダウン、ナイロン、ポリエステルなどを再資源化して、新たな製品の素材として活用しています。
また、2025年12月から環境に配慮した「JAPAN COLLECTION」の販売を開始しました。玉ねぎの皮をアップサイクルして生まれた環境配慮型素材オニベジ®︎に用いる染色技術が利用されています。
コールマンは1900年頃に創業したキャンプ用品の老舗ブランドで、日本には1976年に上陸しました。
キャンプ場などのアウトドアシーンでコールマンのアイテムを見かけたことのある人は多いのではないでしょうか。
コールマンでは自社製品の廃棄削減に取り組んでいます。修理した製品はアウトレットモールで販売し、修理できないものはパーツを取り出してリペア用品として使用しています。
また、たくさんの人に自然に優しいキャンプを楽しんでほしいという思いから、「グッドキャンパーの心得」の記載や、グッドキャンパーを増やすためのイベントを行っています。
スノーピークは、新潟に本社を置く日本のアウトドアブランドです。
過酷な自然条件のもとでも耐えられる製品づくりを心掛けているブランドですが、もうひとつ特徴的なのは「永久保証」サービスがあることです。
スノーピークの商品には保証書がついていません。いつ購入した商品でも修理してもらえるということで、品質にこだわっているスノーピークだからこそできるサステナブルなサービスです。
キーンはアメリカ発のフットウェアブランドです。
トレッキングシューズからタウンユースのサンダルまで幅広いラインアップで、アウトドアや旅行などさまざまなシーンで利用されています。
キーンでは「Detox the Planet(地球をデトックス)」をコンセプトに、環境に配慮したモノづくりを行なっています。
アウトドア用品に欠かせない機能に、生地を濡れにくくする耐久撥水がありますが、この加工には過フッ素化合物(PFC)が含まれるのが一般的です。
PFCは環境へ悪影響を及ぼす有害物質のため、キーンのシューズにはPFCが含まれていません。
世界で初めてストラップ付きスポーツサンダルを開発したテバのサンダルは、シンプルなデザインで履き心地も良いので、アウトドアやフェスはもちろん、日常使いにも重宝します。
サンダルのストラップにはペットボトルを再利用した素材を使用したことで、7280万本以上のペットボトルが廃棄物になるのを防いだそうです。
また、使えなくなったテバのサンダルを回収し、新しい資源へリサイクルする取り組みも行なっています。

紹介したアウトドアブランドは、「単に環境に良いから。」という理由でエコな活動をしているわけではありません。エコな活動をする背景を知ることで、これらのブランドを応援する意義が見えてきます。
1973年に創業したパタゴニアですが、実は創業前から環境に配慮した歴史があります。創業者イヴォン・シュイナードは、環境に配慮した事業を営む経営者であると同時に、ひとりの登山家でした。
パタゴニアの前身企業であるシュイナード・イクイップメントを経営していた時代は、主に登山用具を製作・販売していましたが、その用具が環境に悪影響という評価を受けていました。
シュイナードは、事業を縮小させ、代替手段を取り入れました。これが長年にわたって取り組むことになる、最初の環境対策になりました。
現在もパタゴニアの運営の目的を「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」とし、事業の繁栄よりも地球の繁栄に取り組んでいます。
ザ・ノース・フェイスは、商品製作における環境配慮だけでなく、多方面で地域や自然に貢献しています。
2026年4月24日~26日の3日間では、第14回目の開催となるトレイルランニングレース「Mt.FUJI100 2026」をサポートしました。
この大会ではGoldwin、ザ・ノース・フェイスの大会オリジナルアイテムやランニングコレクションの販売、不用になったウエアを回収するブースの設置、運営スタッフとして従業員の派遣などが行われました。ほかにも、2025年12月5日に中部国際空港に「THE NORTH FACE Depot (ザ・ノース・フェイス デポ) 中部国際空港」がオープンしました。
ターミナルとしての空港の価値を越えて中部地域の歴史や文化、自然と世界をつなぐ役割を果たしていく役割を担っています。

ここで紹介したエコ活動はあくまで一部であります。アウトドアブランドは、日々変わっていく環境問題に応じて進化を続けています。
消費者である私たちにできることは、アウトドアブランドの取り組みの知見を広げ、商品の環境への配慮や製作にかける思いを感じ取ることです。
ぜひ、あなたも環境に良いアウトドアブランドを選ぶことで、エコ活動の一員になってみてください。
福岡在住。雑誌編集、ECサイト運営を経て現在はライターとして活動。地球温暖化やゴミ問題に関するトピックに興味あり。得意分野は旅行、本、サステナブル。プラスチックやゴミを減らす生活をゆるく実験・実践中。
