移動式RO浄水器 LIFE CART − 災害時でも飲み水を確保する
「LIFE CART」は、株式会社土岐が取り扱う移動式RO浄水器です。
高性能ろ過を可能にするRO浄水器を小型化して移動式にすることで、災害発生時に被災地への持ち込みを容易にしました。避難所付近のプールや河川や海水を原水として、被災者に安全な飲料水を供給できます。
移動式RO浄水器とは
移動式浄水器とは、災害発生時、浄水所や水道が機能しなくなった際に、避難所付近のプールや河川を原水として、安全な飲料水を造水する装置です。
災害時の必需品はいくつもありますが、中でも最も必要となるのは飲料水です。
被害範囲が大規模な災害現場、あるいは夏場の災害現場では、備蓄ペットボトルだけでは不足する事態が容易に想定されます。そこで、生命を維持するために必要な飲料水を確保するために、持ち運び可能な移動式浄水器は重宝されるのです。
「RO」とは、逆浸透(Reverse Osmosis)のことを指します。RO膜は、医療分野でも使用される高性能ろ過を可能にするフィルターの一種です。RO浄水器はこのRO膜を使用することで、人体に有害な物質を5本のフィルターで0.0001μmまで徹底的に除去し、安心で安全な水を造水することができます。
LIFE CARTの特徴
1. 大量の飲み水を確保できる
最大の特徴は、一日で約5,700L、一時間では約237Lの飲み水を確保することができる点です。成人1人が生命を維持するために1日に必要とする約3Lの水を、24時間で約1900人分造水することができます。
RO膜を使用した精製ろ過により、不純物を徹底的に除去し、安全な水を作り出すことが可能です。
2. 大容量バッテリーを搭載している
LIFE CARTは、大容量バッテリーを搭載しています。
フル充電で25時間連続して浄水を造ることができます。バッテリーには、発火事故が起こりにくく放電率の低いリン酸鉄リチウムバッテリーを採用しており、満充電の状態で1年経過しても、電池容量を最低80%以上保持できます。
また、100V充電を行いながらの同時運転も可能です。
3.災害時を想定した誰でも使える形状になっている
災害時の移動を想定して設計されており、悪路での移動が楽に行えるだけでなく、女性やご高齢者でも簡単に取り扱える形状になっています。
サイズは、高さ115cm、幅60cm、奥行き50cmで重量は約50kgありますが、大型キャスターが装備されている為、キャリーバックのように水源まで簡単に運ぶことができます。
さらに、ツールボックスをそのままの形状で使用しているため、タフな使用にも耐えることができるフォルムとなっています。
4. 水源からの汲み上げが可能である
LIFE CARTは河川や池、プール、井戸などの水源からくみ上げが可能です。
20mのホース、強力な投げ込み型のポンプを採用しているので、水源が低い場所でも効率的な汲み上げが可能です。
5. BCP補助金・助成金を導入している
BCPとは、緊急事態における企業や団体の事業継続計画のこと。
自然災害やテロなどの危機的な状況に遭遇した場合に、損害を最小限に抑え、早期復旧を図ることを目的としています。
企業が、緊急時に適切な手段を取ることができなければ、廃業の危機に直面することがあります。そのため、BCPの策定、運用が特に重要視されています。
LIFE CARTは、BCP対策を目的とした設備導入において自治体や各種団体からの助成金や補助金の制度の対象となる場合があります。導入を検討する際には、自治体へ確認しましょう。
いま、何かできること
LIFE CARTの取り扱い背景には、東日本大震災での被災経験と代表自らの経験があります。災害時の生命維持に対する熱い想いが、防災・減災への貢献を追及する原動力となっています。
株式会社土岐は、以前から病院向けRO水精製装置の設置メンテナンスや付帯設備工事を手掛けていました。2011年3月11日、業務中に東日本大震災が発生し、飲料水の確保と人工透析患者への生精製水供給が間に合わない状況を目の当たりにしました。この経験がきっかけとなり、社を挙げてとして「何かできることはないか?」と考えるようになりました。
また、代表自身にとっても、実父が慢性腎炎で人工透析を必要としていたという経験があり、人工透析や災害時の飲料水確保を身近な問題として捉えていたといいます。
その後、様々な市場調査を行った結果、大企業や中小企業、病院施設、地方自治体などで使える大容量で移動可能な装置が不足していることが分かりました。
これらの経験や市場調査結果から、災害時に人々の命をつなぎ留めるため、プロジェクトが立ち上げられました。
LIFE CARTには、よりよい社会へ貢献していきたいという使命感が反映されています。