Alpha One ー安定化二酸化塩素で発展途上国の飲料水を守る
注目される安定化二酸化塩素
安定化二酸化塩素は、通常の二酸化塩素の取り扱いが難しい性質を改善するため、保存が可能な物質を添加して長期的に発生させるように加工されたものを言います。
酸素原子の酸化力によって病原菌を殺菌消毒し、有機物の腐敗を防ぎ働きがあります。
また、通常の塩素剤のようにトリハロメタンなどの塩素化合物を副生成しないため、大腸菌、コレラ菌、O-157、MRAS、VREなどに対しても有効です。
安定化二酸化塩素はタブレット状やフレーク状で販売されます。エアコンや空調のフィルター近辺に置いておくことで、空気中の病原菌やカビ、においなどを除菌できます。また、水に溶かして除菌水を生成することも可能です。
コロナ禍の2021年10月末、厚生労働省がウイルスを含んだ空気中に漂う微粒子(エアロゾル)によって感染する可能性があることを発表したため、屋内での空気の除菌に安定化二酸化塩素が注目されました。
Alpha Oneシリーズ
Alpha Oneは、株式会社観舎が開発した、二酸化塩素と塩素化イソシアヌル酸を安定的に組み合わせタブレット化に成功した、除菌・消臭・鮮度保持剤の製品シリーズです。
Alpha Oneはタブレット型や置型に加え、エアコンや空調用にマット型式になった「Alpha One Air Mat」もあり、水中から空気中まで様々な用途で除菌・消臭・抗菌に利用できます。
Alpha One の特徴
「Alpha One」には以下のような特徴があります。
省資源化
「Alpha One」は、水に溶かして使用するタブレットであるため、水道水を使用することで二酸化塩素を発生させることができます。このため、別途大量の原液を用意する必要がなく、省資源化を図ることができます。
再利用化
同製品は消毒剤の「3R」(Reduce:減らす、Reuse:再利用する、Recycle:リサイクルする)に基づいた取り組みが進められています。
例えば、使い捨てのスプレーボトルに代わって、再利用可能なスプレーボトルを販売することで、プラスチック廃棄物の削減に貢献しています。
また、色々な用途に再利用するフローが確立されています。
例えば、
① エアコン等で空間の除菌・消臭に利用
② マット状のタブレット袋をロッカーや下駄箱に置いて除菌・消臭に利用
③ 袋からタブレットを取り出してトイレ等の除菌・消臭に利用
といった具合です。
環境負荷の低減化
Alpha Oneは、二酸化塩素発生装置を使用する従来の消毒方法と比較して、消耗品の使用量が少なく、廃棄物の発生が少ないため、環境負荷を低減することができます。
また、化学物質安全性評価書を取得した添加剤を使用しており、人体や環境に対するリスクを最小限に抑えながら、効果的な消毒・除菌が可能です。
Alpha One 開発ストーリー
発展途上国における広範な課題が、衛生環境の問題で飲料用水の確保です。
当初、発展途上国の飲料用水の浄化を目的とした二酸化塩素製品は、液体状の製品が主流でした。しかし当時、除菌液は開発途上国へ輸送するには「空輸で送れない」「重量が重く大量に運べない」「液体は劣化が早い」などの問題があったのです。
そこで、開発されたのが「Alpha One」。二酸化塩素に塩素化イソシアヌル酸を配合することによるタブレット化した安定化二酸化塩素の製品化に成功し、コンパクト化や軽量化、また安定化の問題をクリアしたのです。
Alpha Oneの導入先
コンパクト、軽量、安定といった特性を活かし、現在では発展途上国だけでなく医療機関や教育機関、また災害の現場など、様々な場面で「Alpha One」は広く活用されています。