HAQUR(ハクア) − プラスチックと紙の両方の特徴を持つ優れた素材
HAQUR(ハクア)とは?
HAQUR(ハクア)は、石灰石を主な原料としている素材です。紙の代替品として名刺やチラシに利用でき、加工方法を変えることでプラスチックの代替品としても利用できます。
シート状にしたHAQURは、通常の紙のようにペンや鉛筆などで文字などを書くことができます。また、「水に強い」「破れにくい」などの紙にないメリットを持っています。
また、石灰石を原料にしていることで、パルプを使わないため木を伐採する必要がなく、生成時の水の使用量も少ないなど、環境に優しい側面があります。
HAQURに込められた想い
HAQURには、三つの意味が込められています。まずは主原料となる炭酸カルシウムを意味する「白亜」。次に、水資源を保護する意味の「AQUA」。そしてアールコーポレーションの「R」です。
名前の由来となっている炭酸カルシウム(石灰)と水ですが、紙とHAQURの環境負荷を比較して行くと、なぜこの二つを名前に入れたのがよくわかります。
まず、紙の原料であるチップを得るためには、木々を伐採しなければなりません。紙1トンを作るのに、直径14cm、長さ8mの木材が約20本分必要とされています。実際には古紙なども使用するので、実際の使用量はもう少し少なくなりますが、それでも膨大な量の木々が伐採されることになります。
木は光合成により二酸化酸素を酸素に変えるので、大量の木々の伐採は地球環境に大きく影響を及ぼします。その影響は、現在の地球温暖化の一因として大量の木々の伐採による森林減少が指摘されるほどです。
一方で、HAQURの原料は炭酸カルシウムです。炭酸カルシウムは石灰石から精製されますが、石灰石は世界各地に豊富に埋蔵されており、日本でも採掘されます。特に日本の石灰石の埋蔵量は豊富であり、100%自給自足できるほどだと言われています。
炭酸カルシウムを原料に使うことで、木々の伐採量を減らすことができ、森林減少問題や地球温暖化問題の軽減に効果が見込めます。
次に水を見ていきます。通常、紙1トンを作るのに、水約50トンが必要になります。繊維の汚れを落とす、紙を白くする、紙の強さを出すなど、様々な工程で水とともに漂白剤や界面活性剤、phを調整する薬剤などを使用しなければならないため、水を汚染することになります。
一方でHAQURは、製造工程でほとんど水を使うことはなく、漂白や洗浄を必要としないため汚水の排出もありません。ここでも環境への影響という点で大きな違いが出てきます。
幅広いHAQURの活用
HAQURの特徴として、書きやすさや、低温に強い、捨てる際も可燃ゴミとして廃棄できるなどという点があります。また、紙とは異なり「水に強い」「破れにくい」などの性質を持っています。また、紙ではなかなか出すことができないシルクのような「質感の良さ」もあります。
そのため、アメニティ用パッケージ、名刺、封筒・便箋、手提げ袋、チラシ・ポスター、冊子・カタログ、ポケット付きフォルダなど、幅広い用途で利用されています。耐久性がありながら、質感が良いという点で、プレゼント用包装材などに特に適した製品です。
また、HAQURをペレット状にして加工することで、プラスチックの代替品として活用することができます。射出成形や3Dプリンターの原料となるフィラメントとして活用することが可能です。プラスチックの代替品として使用する場合、可燃ゴミとして廃棄でき、有毒ガスが出ない点がメリットです。また、コスト的にみて、HAQURペレットは樹脂ペレットと比べてコストがほぼ変わらないというはとても実用的です。
一般に、ゴミ処理場ではゴミ焼却時に発生する塩化水素や硫黄の除去に石灰が用いられています。HAQURの主原料は石灰石ですので、焼却時には同様に塩化水素や硫黄除去の効果が期待できます。
HAQURを燃やした際に生じる温室効果ガスの発生量は紙やプラより低く、さらに焼却残余の石灰粉は海中に散布して海中二酸化炭素を吸収し、温暖化を抑止するという活用方法があります。
HAQUAの特性を活かして環境を守るため、アールコーポレーションでは多くのエネルギー消費をするリサイクルではなく、燃えるゴミとしての焼却処分を推奨しています。
日本・海外での環境に対する認証取得
HAQURはグローバル展開を見据え、日本だけでなく海外の様々な認証を取得しています。具体的には、日本国内の二酸化炭素排出検査、食品容器規格基準検査を受け認証を取得しています。経済産業省が海洋プラスチックごみ問題の解決に向け設立したCLOMAにも入会しています。
また、中国の低炭素製品マークや省エネ認証、環境ラベル認証、アメリカの食品医薬品局認証等を取得しています。
印刷に新しい未来を
Webへの移行や紙に対する環境負荷の問題などから、紙の印刷のマーケットは縮小傾向にあります。このような中、アールコーポレーションは、環境負荷を低減し、かつ質感が良いHAQURのような新しい製品を市場に提供することで、顧客ニーズを創出しようとしています。
今後、皆さんが購入した商品が、紙とは異なった化粧箱や包装材で作られていたなら、もしかするとそれはHAQURかもしれません。アールコーポレーションは、印刷の未来のため、HAQURを用いた取り組みの輪を広げていきます。