面水冷服 – 着るだけで体から暑さを取り除く独自技術
面水冷服とは?
従来の一般的な水冷服は、シリコンチューブなどの中に水を通し、上半身に冷たい水を循環させて体を冷やす熱中症対策に特化した服のことをいい、作業現場などで利用されています。
ベストの内側にチューブがあり、スイッチを入れると冷たい水がチューブの中を流れる氷水の循環システムを使っています。冷たい水が直接インナーの上をめぐるので、外気に大きく左右されず、涼感を得られます。
一方で、面水冷服は、クールスマイルが開発した水冷式の着衣(水冷服)です。薄い平面上の水冷管に水を流して体温を吸収するシステムで、広範囲の体表面から熱を奪ううえ、軽いという特徴があります。
線状の管を張り巡らせた従来の一般的な水冷服では、管の太く厚みがあるため、着心地が良いものではなく、また肉厚の管の影響で冷感が弱く、接触面も少ないというデメリットがありました。
一方で、面水冷服は、約1mmの薄い平面状の管を使用しており、フィルムの厚さは僅か0.025mm程度です。この世界初の特許技術である面水冷構造によって、広範囲に熱伝導率が高まり圧倒的に冷たく、また、しなやかに動きやすく着心地が良い水冷服を可能にしました。
(左:一般的な水冷服、右:クールスマイルの面水冷服)
使いやすくて軽くて省エネ
従来の水冷服では、着衣とポンプユニットが別になっている形の商品が多く、露出するチューブが作業中に引っかかることや、ボトル交換の煩雑さがデメリットとして挙げられていました。
一方で、クールスマイルが開発した面水冷服では、着衣にポンプが内蔵されており、露出するチューブなどが引っかかる心配がありません。また、着たまま3ステップでボトルの取り出し交換が可能になったため、ボトル交換がよりスムーズで簡単になりました。
人間の背筋の形に合わせたタンクの形になっており、身体にフィットするため、軽く感じられるようになっています。加えて、断熱層を管の外側に施すことで、外気に逃げていく冷気を着衣内にとどめるので、省エネを可能にしています。
商品ラインナップは、ベスト型の製品だけではなく、マスクやヘルメットの製品もあります。また、人間用に加え、犬用の製品も開発・販売しています。
面水冷服開発者(代表)の想い
面水冷服の開発プロジェクトは、代表の中西雄三氏が東日本大震災後の2011年に立ち上げました。
東日本大震災の後方復興支援として何かできないか? 企画はそんな想いから始まりました。夏場の震災後の復興活動の現場では、計画停電をはじめとする節電需要の高まりの一方で、熱中症の危険性と隣り合わせです。夏場の復興現場で働く作業員に快適な環境を提供できる製品として「面水冷服」の開発が始まりました。
”ニッポンを冷やそう!”をキャッチフレーズにしたクールスマイル。”ニッポンを冷やそう!”に込められた思いは、”復興と元気になれる日本”にあります。
実際に、2016年の熊本地震の際には、暑さと戦う熊本復興のために、熊本県益城町に社長自らバイクに人間エアコンセットを積載して出向き、面水冷服を無償提供しました。
現在の面水冷服の代表的製品である「人間エアコン」を完成させるまでには、7年間に及ぶ長い時間を要しましたが、諦めず努力を惜しまず開発を続け、ついに製品を世に送り出しました。
現在、クールスマイルが送り出す面水冷服の製品群は、復興現場だけではなく、工事や建設現場をはじめ、さまざまな分野で大活躍しています。