食用竹パウダー”BMF” – 食品の味を損なわず地球にも健康にも優しい竹活用
BMFとは
BMFとは、日本バイオリファイナリー株式会社が「竹」の活用方法の一つとして、食品用途で開発した竹のパウダーです。竹は、一部タケノコやメンマとして食されていますが、それ以外の食用用途としてはほとんど利用されていない状況です。
日本バイオリファイナリー株式会社では、固い成長竹を粉砕してパウダー化し、さらに食べやすく加工をおこなうことで、食物繊維が豊富な食品用原料としての竹パウダーを提供することに成功しました。
もともと成長竹は、固くて食べられません。微粉砕化すれば多少食べやすくなりますが、それでも繊維が固いため、口の中に入るとどうしても口内を傷つけやすくなるため食には不向きです。同社はその点も二次加工を加えることで解消し、食べやすさに訴求しています。
竹活用の背景
竹はほかの樹木と比べて成長が圧倒的に早く、4〜6年で成熟し、その間、光合成によってCO2を強力に吸収します。成熟後は、呼吸によるCO2排出が光合成によるCO2吸収を上回るため、成熟・衰退期後は、CO2を排出する割合が高くなります。
また、日本では放置竹林が土壌の脆弱化を招き土砂崩れを誘引したり、人工林・自然林エリアに侵入し枯死させたりするなど、放置竹林による竹害が深刻化している地域が多く存在します。その中には、竹害によって景観を損なっている地域もあります。
成熟・衰退期になる前に竹を計画的に伐採することで、CO2削減と資源のサイクル活用を実現できます。さらには、放置竹林を縮小し若々しく美しい竹林の景観を保つことも可能となるため、地球環境と資源サイクルの両面において大きく貢献できます。
これらの考えに基づき、日本バイオリファイナリーの竹の性能を活かした様々な用途開発が始まりました。
BMF開発の経緯
竹には、成長が早く、多量のCO2を吸収すること以外にも、「食物繊維を多く含有する」という特徴があります。食物繊維とは、食べ物の中に含まれる人の消化酵素で消化できない物質であり、体内で有用な働きが注目される第6の栄養素です。
期待できる効果としては、以下4つがあるといわれています。
- 整腸効果
- 血糖値の上昇を緩やかにする効果
- 血中コレステロール濃度の低下
- 食べ過ぎ防止やダイエット効果
食物繊維を摂取できる竹製品として、竹炭入り食品などが販売されていますが、従来の製品の風味や味覚を損なうことなく、「普通に」「美味しく」食べられるものばかりではありません。勇気をもって、気合を入れて食物繊維を摂取するのではなく、ストレスを溜めずに必要な食物繊維を摂取できれば、地球環境にも健康にも良い影響を与えられるのではないかという考えから、BMFが開発されました。
食物繊維が豊富なBMF
食品分析センターの計測によると、BMFが含有する食物繊維量は、100g中84.8g。可食部で最も多く食物繊維が含まれている食材は、「茹できくらげ」で100g中16.3gなので、BMFは他食品を圧倒する食物繊維含有量であるといえます。
また、厚生労働省※によると、成人1日当たりの食物繊維摂取量は、男性で21グラム、女性で18グラム、生活習慣病がある人で24グラムです。BMFなら少量を摂取するだけで、十分な量の食物繊維を摂取することが可能です。
BMFの幅広い活用方法
日本バイオリファイナリー株式会社では、BMFの販売だけでなく、BMFを使った製品研究も行っています。
これまでに、足立区や、足立区のお店の協力のもと、BMFを使用したクッキーやパンなどの試作を行いました。BMFのコンセプトは「食品そのものの味を損なわず、地球にも健康にも優しい竹活用」。試作の結果、BMFを使用した製品はどれも、従来の製品と遜色なく、美味しく食べられることがわかっています。
BMFを小麦粉やその他粉物と混ぜることで、竹の食物繊維を美味しく摂取でき、地球にも健康にも優しいアクションを起こすことができます。
竹と歩む
国内に多く繁殖する竹は、国際情勢に左右されない持続可能な資源であり、さらに定量的に活用することで、竹害の防止やCO2削減に貢献できます。さらには、食物繊維を豊富に含むため私たちの健康にも好影響を与えます。
日本バイオリファイナリー株式会社は、竹を活用し、更に竹の活用方法を広めることで、サステナブル社会に向かって歩み続けます。