自然派ワインとは?ビオワイン、オーガニックワイン、亜硫酸塩無添加ワインとの違い

自然派ワインとは?ビオワイン、オーガニックワイン、亜硫酸塩無添加ワイとの違い
LIFESTYLE

今、ワインに一つのブームがあるように思っています。それが「自然派ワイン」や「ビオワイン」というものです。

思い返してみると、最近私が手にしたワインには「ビオワイン」の認証マークが入っているのが多くありました。

実は個人的には「自然派ワイン」というイメージはあまり良くなかったので、ビオワインの認証があるからワインを購入するということはありませんでした。

ただ、購入したワインにビオワインの認証マークがあり、飲んでみると美味しい!

自分の持っているイメージと何か違いがあるはずと思い、調べ始めてみました。

自然派ワイン:イメージ悪な亜硫酸塩無添加ワインからの変革

ワインとぶどう

酸化防止剤として加えられる亜硫酸塩は体に毒だからという理由で、無添加ワインというのがもてはやされた時期がありました。

筆者がお酒を飲み始めた2000年頃の話です。

それは一つの考え方ではあるので否定はしないですが、無添加ワインだと酸化が進んでしまいます。酸化して独特な色とすえたような匂いが発生している無添加ワインが多くなっていました。

その匂いが良いという人もいたようですが、私には合わず…(せっかくの美味しい料理には美味しいワインの方が良いですからね)

亜硫酸塩無添加ワインは、健康的ということで流行りました。てっきり、亜硫酸塩無添加ワインを「自然派ワイン」「ビオワイン」とただ言い直して、販売しているものだと思っていました。

だからこそ、飲んだワインが美味しくて、そのワインがビオワインだったと知った時は衝撃をうけました!!

私のイメージとして持っていた亜硫酸塩無添加ワインから「自然派ワイン」「ビオワイン」と名前が変わる過程で、大きくワイン業界に変革が起きていたようです。

なお、亜硫酸塩は古代ローマ時代から樽の消毒などに使われていて、非常に長く人類と関わりのある物質です。ワインの醸造の過程でも発生するので、ワインには亜硫酸塩が自然と入っています。亜硫酸塩を添加できる量も国によって厳しく決められています。

ぶどうの有機農法が大きな流れとなっている

ユーロリーフ

私が飲んだビオワインはスペインのもので、ユーロリーフという緑色のマークがついていました。

ユーロリーフは、EUの有機農法規定に従って生産された農産物であることを認証するマークです。農薬の使用制限などワインの源となるぶどうの栽培方法について規定があります。

農薬を使わない有機栽培で使用される「オーガニック」という言葉の方がイメージしやすいかもしれません。また、亜硫酸塩の添加量についても厳しく決められています。そこには、より美味しいワインを作るための生産者の方々の努力を垣間見ることができます。

ユーロリーフ

有機農法を促進するフランスの公的機関「アジャンスビオ」によると、世界中の有機栽培のぶどう畑は約40万ヘクタールあり、これは世界のぶどう畑の5.7%に当たるということで、スペイン、イタリア、フランスの順に多いそうです。

さらに、27%の畑で有機農法へと転換する動きがあり、3年後には世界のぶどう畑の30%が有機農法に取り組んでいると推計しています。ぶどうの有機農法は、世界的に一つの大きな流れとなっています。

日本の「自然派ワイン」は自称という問題

ワイナリーのぶどう

ユーロリーフについては、EU加盟国のワインに関するものとなります。問題なのは、日本で「自然派ワイン」と呼ぶための規定がないことです。

例えば、下記のようなことも可能であるということです。

  • 農薬を使用して栽培したぶどうを使い、亜硫酸塩無添加で酸化してしまっているワインでも「自然派ワイン」
  • オーガニックで栽培したぶどうを使い、亜硫酸塩を少しだけ添加しているものも「自然派ワイン」

極端なことを言ってしまえば、農薬を使用して栽培したぶどうで亜硫酸塩の添加量を“少しだけ”減らして作ったワインも「自然派ワイン」です。

日本で「自然派ワインが飲みたい」という場合、亜硫酸塩無添加のワインなのか、オーガニックなぶどうで作られたワインなのか、どんなワインを求めているのかをはっきりと説明できないと、お店の人から全く違うワインをおすすめされることになってしまいます。

購入者側も、なぜ自分が「自然派ワイン」を選んで飲みたいのかを知っておく必要があるということです。

日本で亜硫酸塩無添加ワインをつくる「ヒトミワイナリー」

ヒトミワイナリー

亜硫酸塩について、もう少し説明をします。

日本で飲むワインの場合、海外から輸入する輸送中で温度変化を受けます。温度を調整できる定温コンテナを使用していれば大丈夫ですが、そうでない場合はワインにストレスがかかります。亜硫酸塩が入ってないと一気に酸化が進んでしまいます。

また、平均気温も異なります。例えばパリの平均気温を見てみると、一番暑い7月から8月にかけてでも、平均最高気温は25度です。日本より涼しいのがわかるかと思います。ワインを常温に置いていても、日本ほど酸化は進みません。もし生産地と消費地が近ければ、亜硫酸塩を減らしたり、なくしたりして提供しても、ワインの酸化による影響を減らすことができます。

日本でも滋賀県にあるヒトミワイナリーさんが、すべてのワインで亜硫酸塩を添加せずに出していることで有名です。

先日、ヒトミワイナリーさんに訪問する機会があり、試飲をさせてもらいました。

ヒトミワイナリー

ワインによっては酸化した匂いがするものがありましたが、そこまで強くありませんでした。

それどころか、酸化の匂いは全く気にならずに、料理に合わせるとさらに美味しくなるだろうと試飲でも楽しく感じるワインも多くありました。

まとめ

摘み取ったぶどう

ワイン業界ではぶどうの有機栽培が大きな流れとなっています。その中で、日本の「自然派ワイン」に関する規定がないのは、遅れていると言えるでしょう。

消費者としてもどんな自然派ワインが飲みたいのかを知り、説明することも必要です。

今回の件で、私にとっての自然派ワインに対する見方は大きく変わりました。亜硫酸塩無添加ワインも、作り手のこだわりがあれば良いワインがあることも知りました。

みなさんも、ぜひ、様々な自然派ワインを楽しんでみて、自分に合う1本を見つけて見てください。

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